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Posted by ブクログ
東京の片隅でおきたエピソード8編をあつめたもの。冒頭スカイツリーの【往信】、巻末に東京タワーの【復信】が入っているけれど、スカイツリーは書き下ろし。
東京タワーは東京に建ち、東京を眺めているけれど、「私」にできるのは「立つ」ことだけ。でも、それがなにより大事だと「彼女」は言う。この擬人化されたツリーたちのそれぞれの感覚が面白い。やはりスカイツリーはまだ若いから、なんて思ってしまう。
物語は東京に起きた現実や、ファンタジー、ありそうなこと、なさそうなこと、ハッピーエンドもあるし、不安も。どれかひとつは、心に触れる話が見つかると思います。
どの話も短いのに、描写の巧みさに感心しながら、物語の世界がどんどん広がっていく気持ちがしました。
どの話もよかったけど、私は「よろず化けます」や、「亀のギデアと土偶のふとっちょくん」「おさななじみ」好きでした。
Posted by ブクログ
スカイツリーが「小説」の世界に登場している!単行本が刊行された、2012年前後の東京を実感する短編集。
それぞれの人物を描く小説のテーマとしては統一感がないようにも思える。けれども、ブログ形式だったり誰かに話しかける風で話を展開していったり、書簡形式だったりと、表現形式が面白い。
そしてなんといっても時代性!ちらっと出てくる、スカイツリーに新しくなった羽田空港、地震の津波の話、ゴミ屋敷やLGBTなど、確かに最近話題になってるよ、知ってる、目に浮かぶし、ほんとに都心の片隅にひっそりと開かれているお客のほとんど来ないギャラリーってあるある、などとあまりに身近な東京の姿に嬉しくなってしまう。
冒頭と末尾に、スカイツリーと東京タワーがででーんと安定感を出して締めているのも良い。
Posted by ブクログ
なんとも風変わりなスカイツリーと東京タワーとの往復書簡。その間に挟まれた8つの短編は、それぞれにまったく別の様相を呈し、相互に繋がりがあるわけでもなし。
ダイエット中の顧客とその相談に乗る社員。ある出版社の倉庫番だった男との恋を思い返す女社長。なんでも屋の兄弟が関わった老女。地震にあった少年とその両親。ふと足を踏み入れたギャラリーで妙な体験をする女子大生。薔薇屋敷と呼ばれるゴミ屋敷に暮らす老姉妹。初恋の相手と再会して結婚を果たした人。キッズ対象の英会話教室を始めた女性。
すべてを繋ぐのはただ東京の空。スカイツリーと東京タワーが見つめる空の下、人はあたふたしながら生きています。
同年代の小川洋子と似た雰囲気を持っていますが、静謐さや円熟味を感じる点で、私は小川洋子のほうが好きかも。だけど、不思議な余韻は残ります。
Posted by ブクログ
前後にスカイツリーと東京タワーの往復書簡が置かれ、その間に東京に暮らす人々を描いた8つの短編が置かれているという構成です。中の短編は雑誌に書かれたもので、それに前後の往復書簡を足して一冊の本に仕上げられたもののようです。
正直言って、ちょっと戸惑いながら読んでいました。作品もバラバラ感がありますし、いつもの中島さんの、なんとも言えないユーモア感が感じられなくって、どこかまとまりの無い短編集だなと思っていました。
しかし、最後の東京タワーからスカイツリーへの復信で物語全部がワッと立ち上がるような気がしました。やっぱりその辺りは上手ですね。
Posted by ブクログ
スカイツリーからの手紙に始まって、東京タワーの返信で終わる短編集。
ジャケットが可愛い!
この表紙からも、東京タワーが視点で遠くにスカイツリーが見えている。
東京タワーがスカイツリーに教えたかった、下界のあれこれは、どれも一見きれいなようで入り込むほどドロドロとした人間のあれこれ。
読んでいて、ちょっと重たくなるようなテーマも含んでいる。
ダイエット応援サイトを運営する女性が、アドバイスを通り越して狂気に近付いてゆく「アフリカハゲコウの唄」。
双子姉妹が住んでいる薔薇屋敷が、実はゴミ屋敷であった「金粉」。ちなみにこの話には更に一段階奥のゾッ、、、が秘められている。
東京タワーがスカイツリーに見せたかったものの本質が、難しい。人間のグロテスクな部分が垣間見える面白い作品だけど、タイトル買い注意。
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