白石隆の作品一覧
「白石隆」の「海の帝国 アジアをどう考えるか」「コロナ直撃 世界激変」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「白石隆」の「海の帝国 アジアをどう考えるか」「コロナ直撃 世界激変」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
東南アジアの国家の成り立ちから20世紀末のアジア通貨危機を経た現在(執筆時)までの流れを考察した本。とても面白かった。もとは中央公論連載ということで、読みやすかった。しかし、著者自身の研究と他の研究もベースにして、時代の流れに沿って整然とまとめられている。
自分にとってこの本の魅力は、ぼんやり知っていた歴史の流れに、納得のいく原因の説明と、(西洋本位の歴史観により隠されていた)意味が明らかにされたことにある。なんとなくモヤモヤしていたところが明確になったと目が覚める気がした。
各時代ごとにインドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシアなどの違いと原因をきちんと説明している点がさらに良い
名著だと思います。
イギリス帝国がアジアにどのような秩序をもたらそうとし、それはどのような帰結を生んだのか。分かりやすく記されています。戦後はアメリカが東アジア〜東南アジア地域に強い影響力を持ち日本を軸に「海のアジア」と呼べる地域を繋げる意図を持っていましたが、基本的な発想はイギリス帝国と大きく変わらないようにも思います。
濱下武志先生の『香港』などと併せて読むと東アジアと東南アジアが別々の地域などではなく広東省や福建省、香港や台湾を軸に今も密に繋がってることが理解できるのではないかと思います。
Posted by ブクログ
東南アジアをシステムとして動態的視点から描き出した良書である。筆者によれば東南アジアとはアンダーソンのいう「想像の共同体」にすぎず、具体的に指し示すことができないものである。なぜなら、タイ史、ベトナム経済史など、東南アジアを構成する数々の国にまつわる諸説をひとまとめにしたとしても、「東南アジア学」として昇華されないからである。従って、この東南アジアをモデル化しなんらかの学説を唱えたいのであれば、それをシステムないしプロセスとして捉え、誕生から消失までを動態的に描き出す必要があるというのが筆者の主張である。
東南アジア諸国を歴史的な時間軸に当てはめて考えた場合、最終的に抽象化される概念は「多層