作品一覧
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3.0全1巻440円 (税込)スコットランド中部に領地を持つ男爵・クリフォド・チャタレイの元に嫁いで来たコニイ。だがヨーロッパが戦火に包まれ、たった1ヶ月の蜜月でクリフォドは戦場へ。半身不随の姿になって帰ってきた。それでも貴族の誇りにこだわるクリフォドは、小説や事業に没頭し、妻の労わりさえ寄せ付けない。チャタレイ家の跡継ぎを生むため、貴族階級の恋人を作れとまで言った。身の置き所をなくしたコニイは、屈強な肉体を持つ森番のメラーズに、いつしか惹かれていく…。美し過ぎるポルノ、ヨーロッパ階級社会を鋭く抉った古典的名作をどうぞ。「第一章 コンスタンス・チャタレイ夫人」「第二章 生還」「第三章 孤独の日々」「第四章 看護人ボルトン夫人」「第五章 チャタレイ夫人の恋人」「第六章 希望」「第七章 階級」「第八章 醜聞(スキャンダル)」「終章 再会」を収録。
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4.4全4巻110円 (税込)スコットランド中部に領地を持つクリフォド・チャタレイ男爵の元に嫁いで来た上流階級の令嬢コニイ。だが第一次世界大戦によりヨーロッパは戦火に包まれ、たった1カ月の蜜月でクリフォドは戦場へ。戦地で重傷を負ったものの生還したクリフォドだが、その体は半身不随となり男性機能も失われていた…。妻として夫を介護し支えようとしながらも、肉体関係のない夫婦生活にしだいに心から生命力が失われていくのを感じていたコニイ。そんなある日、コニイは森で屈強な肉体を持つ森番のメラーズと出会い、生命力あふれる彼にいつしか惹かれていく…。ヨーロッパの階級社会を鋭く抉り、また発表当時はその過激な性描写で論争となり現在まで何度も映画・ドラマ化された古典的名作小説をコミカライズ。
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4.0
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-主人公のポール、その二人の恋人たち、ポールの母親とのあいだに繰り広げられる愛憎の葛藤を描きつくしたロレンスの代表作のひとつ。母親は希望の星だった長男ウィリアムを亡くし、すべての期待と愛情をポールにそそぐ。ポールにとって母親は絶対だった。ポールの幼馴染の恋人ミリアムは読書が好きで宗教心もあついが、性については消極的だ。一方、もう一人の恋人クララは人妻で肉体的な魅力にあふれ、婦人権運動家でもあった。母親はミリアムに対して敵意さえいだき、クララに対してはむしろ寛容なところをみせる。ポールはミリアムを退けるが、母親が亡くなって絶望的な喪失感をいだく。クララはポールといさかいを起こし別居していた夫のもとに戻る。ポールはミリアムの求婚も振り切って、一人で生きていこうとする。
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4.0ロレンス畢生の論考にして20世紀の名著。「黙示録」は抑圧が生んだ、歪んだ自尊と復讐の書といわれる。自らを不当に迫害されていると考える弱者の、歪曲された優越意思と劣等感とを示すこの書は、西欧世界で長く人々の支配慾と権力慾を支えてきた。人には純粋な愛を求める個人的側面のほかに、つねに支配し支配される慾望を秘めた集団的側面があり、黙示録は、愛を説く新約聖書に密かに忍びこんでそれにこたえた、と著者は言う。この隠喩に満ちた晦渋な書を読み解き、現代人が他者を愛することの困難とその克服を切実に問う。巻頭に福田恆存「ロレンスの黙示録について」を収録。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
いつか読みたいと思っていたよ!
あの、最後死んじゃうやつね…!と思ってたら違った。夫人違いだった。(なんのネタバレよ)
原題は"LADY CHATTERLEY'S LOVER"、初出は1928年。木村政則訳。
最初に訳者まえがきがあることで、だいぶとっつきやすくなっていると思う。個人的にはメラーズの訛りはもっと方言ぽくてもいいと思うけれど、このへんは翻訳の限界ともいえそう。
舞台は第一次世界大戦後のイギリス。
准男爵夫人であるコニー(チャタレー夫人)は、若くして結婚するも、夫が戦争で下半身不随となり、性生活を営めなくなる。子供が欲しいと思いながらも夫の世話をする -
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Posted by ブクログ
これは予想外!官能小説かと思っていたら、淫靡さよりも崇高さを感じさせる社会派。エロいっちゃエロいが(笑)。
近代化により失われていく人間性や生命力を見つめ、その本源的な回復を性愛に託して表現したというところだろうか。けっして単純に「わいせつ」という言葉だけで片付けられる内容ではない。約1世紀を経た現代にも通じる文明社会批判と、性を通じてスピリチュアルな高みにまでのぼる思想性が際立つ。
発禁や裁判などで有名な本作。過激な性描写と背徳感に満ちた世界観を予想していたのだが……。良い意味で裏切られた感と、その清々しい感動に今、他の翻訳も読みたくなっている。
こんな時代だからこそ、希望を胸に秘めて -
ネタバレ 購入済み
戦争で下半身不随になった夫クリフォドからチャタレイは後継ぎの為に、他に恋人を作って子供を生むように言って身勝手すぎる。クリフォドはチャタレイの気持ちを考えてない。