久々にぐっと気持ちごと持っていかれた、そんな作品でした。
これは、フィクション、物語とわかっていても、ヒロインのその時々の気持ちが手に取るようにわかる、共感がすごくて、本当に目の前で物語が進んでいくような錯覚に何度も襲われました。
あぁ、そうだよね、辛いよね、苦しいなら逃げていいんだよ、と何度もヒロ
...続きを読むインへ声をかけたくなる位でした。
人を好きになるって綺麗事だけでは済まされない、時には誰かを、自分自身を傷つけることさえある、狂気に落とすことすらあって。甘さと苦さが表裏一体というか、心まで持っていかれる危うさすら伴う恐ろしい行為なのだと。
それでも、自分の気持ちを無視せず、最終的には、前を向いて相手を受け入れるヒロインの心の強さに何度も勇気づけられました。作中に散りばめられた、信じるとは、相手を受け入れるとは、といった気持ちの描写が本当に胸を締め付けられ、あっという間に読了していました。どうか、この先ヒロインが幸せであるように、傷ついた分、素敵な毎日が訪れるように、願うばかりです。