作品一覧

  • 〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    ロボット=完全無欠な存在,とイメージする人は多いでしょう.本書に登場するロボットはどれも弱みや苦手を持ち,それゆえ周囲の助けをかりて初めてコトを成し遂げます.弱さを補いあい,相手の強さを引き出す〈弱いロボット〉は,なぜ必要とされるのか.生きることや他者との関係性,社会の在り方と共に考えます.

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  • ロボット 共生に向けたインタラクション(知の生態学の冒険J・J・ギブソンの継承1)
    -
    1巻3,520円 (税込)
    「考え込むことなく、まわりに半ば委ねてしまおう!」 「関係論的なロボット」の事例から浮かび上がる 人間とロボットの共生の可能性 人間との関係やインタラクションに焦点を合わせ、〈お掃除ロボット〉や著者が開発した〈ゴミ箱ロボット〉といった「関係論的なロボット」の具体事例を紹介し、生態学的な観点からその実相を記述することで人間とロボットの共生の可能性を浮かび上がらせる。 【主要目次】 序 第1章 まわりを味方にしてしまうロボットたち  1 〈お掃除ロボット〉のふるまいを観察してみる 2 〈ゴミ箱ロボット〉の誕生 3 わたしたちとロボットとの相補的な関係 第2章 ひとりでできるってホントなの?  1 「ひとりでできるもん!」 2 冗長な自由度をどう克服するのか 3 機械と生き物との間にあるロボット 4 おぼつかなく歩きはじめた幼児のように 5 〈バイオロジカルな存在〉から〈ソーシャルな存在〉へ 第3章 ロボットとの社会的相互行為の組織化  1 街角にポツンとたたずむロボット 2 〈アイ・ボーンズ〉の誕生 3 ティッシュをくばろうとするロボット 4 〈アイ・ボーンズ〉との微視的な相互行為の組織化 第4章 言葉足らずな発話が生み出すもの  1 言葉足らずな発話による会話連鎖の組織化 2 日常的な会話に対する構成論的なアプローチ 3 今日のニュースをどう伝えるか 4 ロボットたちによる傾聴の可能性 5 大切な言葉をモノ忘れしたらどうか 第5章 ロボットとの〈並ぶ関係〉でのコミュニケーション  1 公園のなかを一緒に歩く 2 ロボットと一緒に歩く 3 〈自動運転システム〉はどこに向うのか 4 ソーシャルなロボットとしての〈自動運転システム〉に向けて 【シリーズ刊行にあたって】 本シリーズは、ジェームズ・ジェローム・ギブソン( James Jerome Gibson, 1904-1979)によって創始された生態心理学・生態学的アプローチにおける重要なアイデアや概念――アフォーダンス、生態学的情報、情報に基づく直接知覚説、知覚システム、視覚性運動制御、知覚行為循環、探索的活動と遂行的活動、生態学的実在論、環境の改変と構造化、促進行為場、協調など――を受け継いだ、さまざまな分野の日本の研究者が、自分の分野の最先端の研究を一種の「エコロジー」として捉え直し、それを「知の生態学」というスローガンのもとで世に問おうとするものである。 生態学的アプローチのラディカリズムとは、真の意味で行為者の観点から世界と向かい合うことにある。それは、自らの立場を括弧に入れて世界を分析する専門家の観点を特権視するのではなく、日々の生活を送る普通の人々の観点、さらには特定の事象に関わる当事者の観点から、自分(たち)と環境との関係を捉え直し、環境を変え、そして自らを変えていくことを目指す科学である。 本シリーズでは、こうした生態学的な知の発想のもと、生態学的アプローチの諸概念を用いながら、執筆者が専門とするそれぞれの分野を再記述し、そこで浮かび上がる、人間の生の模様を各テーマのもとで提示し、望ましい生の形成を展望することを目的としている。 執筆者たちの専門分野はきわめて多様である。生態学的アプローチのラディカリズムと醍醐味をより広くより深くより多くの人々に共有してもらえるかどうか――本シリーズでまさに「知の生態学」の真意を試してみたい。
  • 〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション
    4.1
    ひとりでは何もできないロボットとともに、コミュニケーションについて考えてみた――。人とロボットの持ちつ持たれつの関係とは? 自分ではゴミを拾えない〈ゴミ箱ロボット〉。人の目を気にしながらたどたどしく話す〈トーキング・アリー〉、一緒に手をつないで歩くだけの〈マコのて〉……。 〈弱いロボット〉の研究で知られる著者が、自己、他者、関係について、行きつ戻りつしながら思索した軌跡。

ユーザーレビュー

  • 〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること

    Posted by ブクログ

    弱いロボットの研究開発を通して他者との関係性を述べている。著者の岡田美智男教授は、「弱いロボット」というコンセプトのロボットの開発で知られている。

    この新書のなかで紹介されるロボットは、すべてどこか弱い部分がある。その弱さが、人と想像できなかった関係性を生み出すことができる。全編を通して万能や高性能なロボットではなく、あえて「弱い」部分があるロボットによる関係性を述べていた。これは人間も同じで、完璧ではなく弱い部分、言い換えるなら他に助けてもらう部分の重要性を説いていたと思う。

    自己責任といった風潮もあるが、一度立ち止まって「弱いロボット」と人との関係性といったものを参考に、社会の在り方を

    0
    2025年10月30日
  • 〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること

    Posted by ブクログ

    弱くて凸凹な力で世の中を変えていく原理が分かる本。
    著者は、「弱いロボット」の生み出の親だ。NTTで音声研究をした後、モノ作りマインドあふれる学生が集う大学のオープンラボに拠点を置く。

    ブリコラージュ、創発、ユーザーセンタードデザイン、ウェルビーイングといった今どきワードを、弱さを起点に説明しようとするときに着目すべきポイントが理解でき、とても勉強になった。
    居場所づくりを模索中の私にとっては、「誰かに喜んでもらえることなら、みんなでできる」という指摘は、忘れてはならないことだと感じた。

    0
    2025年03月07日
  • 〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること

    Posted by ブクログ

    自分ひとりでやりきることよりも、弱さを見せることでむしろ周りの手助けを得ながら動くことの方が最終的に幸福度も上がり、レジリエンスも高まるという話。ロボットやさまざまなテクノロジーに限らず、人と人との関わりにも言えることだなと。
    事例がたくさんあり、岩波ジュニア新書ということもあり読みやすいですが、内容は大人もとても考えさせられるものでした。

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    2025年03月02日
  • 〈弱いロボット〉から考える 人・社会・生きること

    Posted by ブクログ

    完全無欠を目指すのではなく、共に関係し、補い合う関係を目指すテクノロジーへ、、、
    岡田美智男さんが持つ弱さの哲学がとてもよかった
    熊谷さんの「自立とは依存先を分散させている状態である」も納得

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    2025年02月25日
  • 〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション

    Posted by ブクログ

    間借り本屋トカクで取り扱っている本の紹介。

    弱いロボットを初めて認識したのは確かインターネットの記事だったと思う
    そこで紹介されていたのは 自分ではゴミを拾えないゴミ箱ロボットの話だった
    ゴミを見つけるとオロオロオロオロとその 周辺を周り まるで困っているかのように見せる
    そして通りがかりの人が拾って 自分の中にゴミを入れてくれたら まるでありがとうと言うように礼をするのだ
    これめちゃくちゃ可愛いなと思ったのは 覚えている
    この岡田先生の本に出てくるロボットは 一般的に想像されるような便利なロボットではない
    愛玩のロボットに近いがそれに全て当てはまるというわけではない

    難しい話

    0
    2022年06月11日

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