中根千枝の作品一覧
「中根千枝」の「タテ社会と現代日本」「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中根千枝」の「タテ社会と現代日本」「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
1967年初版の本なのに、2025年に読んでもすごく納得できたし、面白かった!
「タテ社会」「ヨコの繋がり」といった考えは、この本の著者である中根千枝さんが提唱した概念だったんですね。一般化しすぎていてびっくりしました。
特に直接接触的な人間関係の項の、「集団構成員との実際の接触の長さ自体が個人の社会的資本」という箇所がすごくしっくりきました。インフルエンザとかで1週間お休みした後の学校の「なんか疎外感...」的なのはこういうことなんでしょうね…
わたしがそうだったように、この本を読む人はみんな、自分の周りと照らし合わせて、「タテの関係ってホントそうだわ」って思うはず。
私は理系なので、序論で少し難しく感じましたが、本論以降は読みやすく、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
日本的な『ウチ』と言う時の西洋的な『私たち』とは異なる自己中心的で排他的な意識や、日本人は働き者や怠け者と言う考えはあっても、個人間の能力の差を認めない素朴な人間平等主義を持つと言う点など、改めて考えるとすごく腹落ちする部分がありましたが、人間平等主義なのに上まで行ける人は一握りで、下層では同じようなレベルの人が足の引っ張り合いをしている、なかなか成長が難しい環境だなぁとも思いました。
西洋と言う物差しを使わないと言うわりには西洋との比較が出てきたり、その時代に他の人よりも西洋的なものに触れる機会の多かった個人の感想ではかいか?と思われる部分も出てきますが、戦後20年、現代から60年前の本であるにも関わらず、現代に生きる我々にも改めてハッとするような学びが多くある本だと思います。
言い過ぎかもしれませんが、日本や日本人を批判する意見の多くはこの本に書かれている日本的な気質によるものを批判しているとまで言えるかもしれません。
Posted by ブクログ
中根千枝の著書『タテ社会の人間関係』は、日本人の人間関係や集団構造の特質を「タテ社会」という概念によって明らかにしようとした画期的な研究である。本書は、日本社会における人間関係のあり方を、西洋的な個人主義社会と比較しながら、文化人類学的・社会構造的に分析している。
中根は、日本では個人の資格や能力ではなく、まず「場」への所属が人間関係の基盤になるとする。肩書きや属性ではなく、その人がどの集団に属しているかが、その人の社会的位置を決定する要素となる。これを「場の論理」と呼び、欧米社会のように「資格の論理」(=能力・契約・専門性による個人の位置づけ)とは明確に異なるとする。
また、日本社会では集団内部において「序列」が非常に重視され、上下関係が常に前提とされる。入社年次、年齢、経験年数などにより、先輩・後輩の区別が明確につけられ、それによって権限や役割が配分される。このような上下関係が集団を支配する構造が「タテ社会」の核心である。人間関係は、ヨコの平等な連携ではなく、タテの上下関係によって秩序化される。同期関係が存在する場合でも、それは一時的・限定的なものであり、すぐに競争や出世によって分岐する。
タテ社会における集団は、小規模なヒエラルキー構造を連鎖的に形成しており、それぞれの小集団は密接な情的関係によって結びついている。リーダーは、その序列の中で自然に位置づけられ、特別なカリスマ性や能力によってではなく、年功や人間関係の積み重ねによって選ばれる。リーダーシップとは、構造的な位置づけの問題であり、西洋的な合理的支配や契約的支配とは異なる特徴を持つ。
さらに、日本の人間関係には「ウチ」と「ソト」の強い区別が存在する。集団内部(ウチ)においては協調や忠誠が求められ、強い情緒的連帯が形成される。一方、外部(ソト)に対しては排他的・防衛的な態度が取られることが多い。この「内と外」の分離もまた、タテ社会の重要な構造的特徴の一つである。
加えて、日本社会においては論理よりも、感情が優位に立つ傾向を指摘している。契約や原則ではなく、相手との「情」や「空気」を読み合う文化が支配しており、それが時に合理性や個人の自由を制限する要因ともなる。
ただし、現代においては、個人主義や多様性が重視される風潮も強まっており、「タテ社会」の構造が絶対的とは言い切れない。だが、依然として、日本社会に深く根づく集団意識と序列意識を理解するための有力な道具であることに変わりはない。
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164-165頁を読んだ上での考察。
昨今、意外にも、組織の中における「ゲマインシャフト的集団の弊害」があるのではないか。これは、本来合理的・機能的であるべき会社(=ゲゼルシャフト的組織)において、感情的・閉鎖的な共同体的関係(ゲマインシャフト的性格)が過度に強まり、非合理な意思決定や不透明な権限運用が起こる現象である。
人間関係が権限の源泉になる;能力や役職ではなく、「誰と仲が良いか」「どの派閥に属しているか」で権限が配分される。上司に「気に入られている」ことが実質的な影響力になる。
意思決定が情緒的になる;合理性やデータよりも、「あの人が言っているから」「雰囲気的にそうだから」という判断基準が優先される。意見の異なる人は「和を乱す存在」とされ、排除されやすい。
閉鎖性と透明性の欠如;派閥の中だけで意思決定が行われ、情報がオープンに共有されない。合理的な異議申し立てやフィードバックが機能しない。
序列と情実による評価;実績よりも「長くいる」「気心が知れている」「上に気に入られている」といった要素が昇進に影響する。