ヨシモトミネの作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
みんなしあわせ ハッピーエンド。
他の著者のホラーモキュメンタリー小説を読んでいて、軒並み自分に合わないなぁって思っていた時に読んだのですが、登場人物の名前が多い割にすんなり読めた。
日常侵食系でじわじわくるかと思いきや、プレゼンで鉛筆で目玉抉ったのはブラックなギャグかと思った。(あくまでこの箇所だけ)
繰り返し使われている、だいじょうふ。ってすごいなぁってあらためて実感させられた。
励ましだったり、相手を安心させる、自分が安心する為だったり、自己暗示的であり、脅迫的であり… だいじょうぶ。って本当にすごい。がんばれ。と同じくらい 意味を持つ言葉。
事件についての合間に主人公の女性、友人の男性とその先輩。の3人のやり取りが各所に挟まるの形式だが、すんなりと混乱する事なく読めて、全体はとても読みやすい。また3人の関係性も良い…良かった。先輩と口の悪い警察官のやりとりもテンポ良くて好き。何より先輩の性格や明るさ、抱えてるものが話の途中途中の緩衝材ですらあった。
最後は、後味悪い、と思う人もいるかもしれない、でも私は読み終わったあと。
ああ、みんな、主にこの著者のメインの3人はきちんと各々のポジションに収まり しあわせになった。んだなぁ。思った。
そう、しあわせ
しあわせ しあわせ しあわせ しあわせ
死んだ彼の為に残った彼女との会話はがあまりに素敵すぎた。ハッピーエンドの定義の収束が しあわせ なら。
やっぱりこの話の二人もハッピーエンドの定義の一つなんだろうな。と。先輩も最終的には結果 かぞくになってしまったようだけど、この3人が好きな私は、良かったなぁ、と思えた。
しあわせわかぞくのカタチはそれぞれ、望んで、望むまいと。侵食され巻き込まれたカタチであろうと。
満足度の高い一冊でした。
Posted by ブクログ
本屋を目的もなくふらふらしていたら、偶然この本が目に入りました。
とてもキャッチーな書名。そして書名とは明らかにギャップのある、たくさんの笑顔が表紙と背表紙からこちらに向けられている。気になって購入しました。
普段はなるべく前情報を入れずに作品を楽しみたい主義なので、勝手に「ミステリーかな?」と推測しながらページを開きました。
「この会社は実在しません」
「アットホームな職場です」
最初の2ページを読んで、なぜかフフッと笑ったのを覚えています。「アットホームな会社は存在しません」という、風刺の効いた一節なのだと思いました。
しかし読み進めるうちに、「ルール怪談」という言葉が脳裏をよぎり、少し震えました。
恥ずかしながら、私はホラーが苦手で、普段からホラー映画を避けている人間です。
しかし、ミステリーや謎解きは大好物。事件ものならオカルト要素があっても食いつくし、探索要素があればクトゥルフ神話にも手を伸ばす。ルール怪談も、怪談ではあるけど、「ルール」という合理性の塊に謎解きと通じるものがあるため、少しは知っている…そういう性分です。
これはもしかして、私が初めて読むホラー小説になるかもしれない。ホラー小説にもジャンプスケアはあるのかな(大の苦手)…と、不安と興奮を同時に抱えながら読み進めました。
結果として、はじめて読むホラー小説は、好物がてんこ盛りしている一冊でした。
書店の本棚で偶然出会えたご縁に感謝です。
主人公を動かすあの大事件が起きたところで、ちょうど本の半分ほどページがめくったことが、個人的にはかなり気持ちの良い構成でした。
結末も、順当なところで終わらせたくないという気概が伝わってきました。かーらーの?が何度も続いた末に、ハッピーエンド?というところへ着地して、最後まで本当に楽しく読めました。
自分が新卒として就活をしていた頃、意気揚々と同級生たちに「私は就活を婚活だと思ってやっている!」と言っていたことを今になって思い出し、ゾッとしています(笑)。
もちろん当時も今も、自分の中では合理的に説明できる一言です。ただそれが裏目に出た場合の「極」の景色を、この小説を通して見たように感じました。
最後にひとつ。
途中まで読んでしばらく置いておいたとき、表紙の笑顔がとても不気味に感じてしまい、そのままテーブルに置いておくことができませんでした。わざわざ毎回、本棚の奥の列にしまっていました。
作中で主人公があの段ボールに抱いていた気持ちが、よく分かります。
普段はあまり読まないジャンルの作品でしたが、読んでよかったです。
素敵な時間をありがとうございました。