遅塚忠躬の作品一覧
「遅塚忠躬」の「フランス革命 歴史における劇薬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
革命の功罪
小谷野敦が名著といってゐたので。
冒頭に、岩倉具視と明治天皇の絵画、そしてユゴーの『ラ・マルセイエーズ』内の会話が引かれてゐて目頭が熱くなった。
フランス革命は、真に人間の尊厳を恢復するリベラルな価値観のもと、行なはれたのだと再認識した。しかし、同時にそれは多大な犧牲をもたらした。コインのやうに表裏一体の……
これを読めば、大江健三郎が『フランス ルネサンス断章』を読んで衝撃を受け、渡辺一夫に師事して戦後民主主義者を名乗った理由が理解できる。大江は左翼といってもマルクス主義者ではなく、リベラルな価値観に根ざした人間愛を持っていたのだ。