作品一覧

  • フランス革命 歴史における劇薬
    4.3
    1巻1,034円 (税込)
    「自由・平等・友愛」を合言葉に,近代の世界史上に最大の劇的転換をもたらしたフランス革命-.この事件は,人間精神の偉大な達成である一方で,数知れぬ尊い命を断頭台へと葬った暗い影をもつ.なぜ革命はかくも多大な犠牲を必要としたのか.時代を生きた人びとの苦悩と悲惨な歩みをたどりつつ,その歴史的な意味を考える.

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ユーザーレビュー

  • フランス革命 歴史における劇薬

    Posted by ブクログ

    私たちは往々にして「光と闇」という言葉を使って、ある事象の偉大な部分と悲惨な部分を冷静に両論併記する事こそが最も知的な態度であろうと傲慢に考える。しかし、本書を読んだ後の深い感動は、著者がフランス革命の功罪について網羅的に説明した上でさらに、当事者たちの思いを熱心に汲み取りその意義について読者に余すことなく伝えようとするその情熱からもたらされるものである。社会の表通りを冷笑が闊歩する今の時代にこそ読むべき名著。

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    2025年08月29日
  • フランス革命 歴史における劇薬

    Posted by ブクログ

    遅塚忠躬 ちづか-ただみ
    1932-2010 昭和後期-平成時代の西洋史学者。
    昭和7年10月17日生まれ。北大助教授,都立大(現・首都大学東京)教授などをへて,昭和62年母校東大の教授。専攻はフランス近代史,フランス革命。平成元年フランス革命200周年で日本国内委員会の責任者をつとめた。5年お茶の水女子大教授。平成22年11月13日死去。78歳。東京出身。東大卒。著作に「ヨーロッパの革命」「ロベスピエールとドリヴィエ」など。

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    2025年06月01日
  • フランス革命 歴史における劇薬

    Posted by ブクログ

    岩波現代文庫の『フランス革命』とは同じ期間を同じような分量で記述しているが、ちょっと観点が違うので両方読むと参考になる。ちょっと違う角度で同じ事件を見ると、両目による視差のようなもので、歴史の捉え方がそれだけ立体的になる気がする。読む順番はこちらの方が先の方がわかりやすいかも。

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    2025年05月05日
  • フランス革命 歴史における劇薬

    Posted by ブクログ

    歴史とは何か(岩波新書)の分析紹介本である。以前読んだが全く忘れていた。ジュニア新書のシリーズ通りわかりやすし、大学生にもわかりやすいと思われる。フランス革命を劇薬として分析している。この切り口でロシア革命、中国の共産党革命、ベトナム革命、ポルポト革命も説明できるであろう。明治維新については劇薬ではなくエリートという武士同士の争いと書いているが、官僚の末端組織としての寺院が民衆によって破壊されたところを考えるとやはり劇薬であろう。

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    2024年08月20日
  • フランス革命 歴史における劇薬

    Posted by ブクログ

    革命の功罪
     小谷野敦が名著といってゐたので。
     冒頭に、岩倉具視と明治天皇の絵画、そしてユゴーの『ラ・マルセイエーズ』内の会話が引かれてゐて目頭が熱くなった。
     フランス革命は、真に人間の尊厳を恢復するリベラルな価値観のもと、行なはれたのだと再認識した。しかし、同時にそれは多大な犧牲をもたらした。コインのやうに表裏一体の……

     これを読めば、大江健三郎が『フランス ルネサンス断章』を読んで衝撃を受け、渡辺一夫に師事して戦後民主主義者を名乗った理由が理解できる。大江は左翼といってもマルクス主義者ではなく、リベラルな価値観に根ざした人間愛を持っていたのだ。

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    2024年07月26日

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