作品一覧

  • あずかりっ子

    あずかりっ子

    小説・文芸

    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    『ほんのささやかなこと』著者が描く、ある少女のひと夏 赤ちゃんが生まれるまで、ひと夏の間、親戚の家に預けられた少女。怒らず優しく接してくれる親戚との生活は初めて知る愛に満ちていた。だがこの夏もやがて終わりの時が――映画「コット、はじまりの夏」原作。感情の深みを驚くほど静かに描き出す著者の代表作
  • ほんのささやかなこと

    ほんのささやかなこと

    小説・文芸

    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    1985年、アイルランドの小さな町。寒さが厳しくなり石炭の販売に忙しいビル・ファーロングは、町が見て見ぬふりをしていた女子修道院の〝秘密″を目撃し――優しく静謐な文体で多くの読者に愛される現代アイルランド文学の旗手が贈る、史実に基づいた傑作中篇

ユーザーレビュー

  • あずかりっ子

    Posted by ブクログ

    お母ちゃんに又子どもが出来た。少女は赤ちゃんが生まれるまで、親戚の家にあずけられることになる。大家族の中で育った少女には、子どものいない夫婦の暮らしは、自然に囲まれて贅沢ではないけれど豊かな暮らしだった。

    夫婦にとっては、特別な事は何もしていない日常なのだろうが、ゆとりのない両親の元での暮らしている少女にとっては、新鮮な暮らし方だった。
    そして、夫婦は男の子を事故で亡くしていた事がわかっていく。短い夏の日々は、弟の誕生とともに静かに幕を閉じる。

    読み終わって、こんなに胸が熱くなるストーリーを久しぶりに読んだ。映画化されていることも知らなかった。映画も見てみたい。

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    2026年09月23日
  • ほんのささやかなこと

    Posted by ブクログ

    なんて染み入る小説だろうと思って本を閉じようとした矢先に、マグダレン洗濯所の事件が紹介され、実話を元にしていたことに度肝を抜かれた。
    マーガレット学院と訓練学校とが壁一枚を隔てて立っていることが、名付けができないけれど社会の上でのもしくは人のある側面での二項対立的な事象が、実際は紙一重であるということをシンボライズしているように思われた。
    キリアンマーフィー主演のこの映画も観たいし、クレアキーガンの他の本も読みたい。また偶然にも、この本の前に読んだヴァージニアウルフの「灯台へ」の訳者も鴻巣友季子ですっかりファンになりました。この方の他の訳書も読みたい。

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    2026年08月28日
  • ほんのささやかなこと

    Posted by ブクログ

    アイルランドの昔の話だろうと読み始めたら、舞台は1985年代でわずかまだ41年前の事だった。読後、本書では”グッド・シェパード教会”となっている"マグダレン洗濯場”を調べてみた。”マグダレン洗濯場”とはどこかで見聞きした記憶がある。映画だっただろうか? 
    "マグダレン洗濯場”は政府とカトリック教会が後援していて、恵まれない少女や女性が事実上監禁され、働かされ、虐待を受けた施設だったとある。200年以上も存在し、閉鎖されたのは1996年!アイルランドの闇を思わずにいられなかった。
    ここまで書いたレビューを止めて、もう一度本作を最初から読みなおした。訳が堅く感じられて(久々の外国物だったからかもしれない)何ヶ所かで引っ掛かり躓き、最後まで引きずってしまい確実に理解できていないと考えたから。
    やはり再読して正解だった! 今では素晴らしい作品に出会えたと心から思える。原題は『Small Things Like These』で邦題は「ほんのささやかなこと」。タイトルのほんのささやかなこととは正反対の意味合いがあるのではないかと推測する。主人公のファーロングは「非嫡出子」だったが、母親が働いていたウィルソン夫人の元で母親と共に育った。ファーロングが最後に選択し取った行動は自分の信条と良心に従ったまでと云うものの、ささやかどころじゃない。街を牛耳っている大きな権力に背を向けたのだから。彼がセァラを連れて我が家のドアを開けた途端に嵐が吹き荒れるだろう。でも、ファーロングが必ずやり遂げるのは確かなこと。
    ファ-ロングの心境が語られている部分を抜粋した。
    『互いに助け合わずに生きてどうする? そこにある現実に勇気を奮って立ち向かうことをせずに長いこと、何十年も、下手したら一生過ごしたうえで鏡の中の自分と向き合う事なんておれにできるのか?』
    『最悪のことが起きるのはこれからだ、わかってる。すぐ隣で待ち受けている厄介な世界の気配をすでに感じるが、最悪の未来はもう後ろに置いてきた。起きかねなかったが、起きずに済んだことーもしそれを見過ごしていたら、死ぬまで悔いを抱えて生きることになったはずだ。これから出会う苦しみがなんであれ、それはいま横を歩いているこの娘がすでに味わってきた苦しみ、これから乗り越えるだろう苦しみからは、おそらくほど遠い・・・・』
    一方、周囲の市井の人々が彼に耳打ちする言葉を足蹴にはできない。敵は近くに置け、悪い犬と共にあれ、良い犬は噛まない(味方より敵を近くに置いて見張る)。うまくやっていきたいなら、目をつむるべきこともあるはずよ。見過ぎ世過ぎ・・・など。
    大方の人々はこのように従いつつがない暮らしを手に入れている。出自が重なるファーロングは見過ごせなかったのだろうが・・・。

    ♪~♪~♪~♪~
    アイルランドの小さな町。主人公のファーロングは妻のアイリーンと結婚し石炭の販売業を営んだ娘5人を育てていた。クリスマスが迫り、寒さが厳しくなるなか、石炭と木材の商人であるビル・ファーロングは最も忙しい時期を迎えていた。ある日、石炭の配達のために女子修道院を訪れたファーロングは、「ここから出してほしい」と願う娘たちに出くわす。修道院には、未婚で妊娠した娘たちが送り込まれているという噂が立っていたが―隠された町の秘密に触れ、決断を迫られたファーロングは、己の過去と向き合い始める。

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    2026年05月04日
  • あずかりっ子

    Posted by ブクログ

    7歳くらいだという女の子の視点で書かれているので、その子の理解が追いついていないために状況がよくわからないところもあり、女の子の不安や戸惑いが伝わってくる。たぶん、これまで彼女はあまり親に甘えられるような環境で育ってこなかったのだろう。でも、ひと夏の間、女の子を預かることになった親戚の夫婦は、彼女をちゃんとケアが必要な子どもとして接し、子どもらしくいられるようにする。訳者あとがきに、ケアの精神が自尊心を育み、他愛につながるとあった。女の子は、その家での生活がずっと続くものではないとはじめからわかっていて諦めているようなところもあったけれど、短い間でも育まれて彼女の中に残るものがあったと思いたい。

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    2026年04月20日
  • ほんのささやかなこと

    Posted by ブクログ

    これが史実に基づく話だとは恥ずかしながら知らなかった。
    「マグダレン洗濯所」が実在したのが1996年までって…つい最近じゃん。
    天候のこと、日々の食事のことなどと同等に、淡々とその事実を著者は記す。だからこそその事実が重苦しくのしかかる。
    最後にファーロングがする決断があったから、歴史は少し動いたのかな。現実にも誰かが動いたのでしょう。
    映画化「決断するとき」もぜひ観たい。

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    2026年04月20日

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