作品一覧

  • 密やかな炎
    4.1
    1巻2,750円 (税込)
    全米370万部突破の文芸ミステリ! 平穏な家庭にひそむ嘘と秘密が一家を燃やす━━ リチャードソン家の邸宅が燃えた。厳格な母が管理する「完璧」な家だった。唯一の悩みは反抗的な末娘だが、今は姿を消していた。一家の貸家に住んでいた母娘ももういない。誰が、なぜ火をつけたのか。焼け跡で家族が見つけた真実とは? 胸に迫る文芸ミステリ
  • 秘密にしていたこと
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    時代を超えて読みたい家族の物語 少女の死をきっかけに家族がそれぞれ抱えていた秘密が語られ、一家の深い闇が暴かれる。 死の真相を追うというミステリーの枠組みこそあれ、そこで語られているのは差別によって 心を蝕まれた家族の崩壊と再生の物語である。 舞台は1977年、オハイオ州の架空の田舎町。16歳の少女が行方不明になり、数日後に湖で遺体で発見される。 物語はリー一家を中心に進んでいく。父親ジェームズ・リーは中国系アメリカ人の大学教授。ハーバード大学を 卒業したものの、教職に就いてからも周囲になじめずにいる。そんなコンプレックスから、ジェームズはリディアに「友達と同じように」「周囲にとけこむように」という夢を託し、プレッシャーをかけ続ける。 妻のマリリンは南部出身のブロンドヘアーの白人。医師を志していたが、ジェームズと出会って恋に落ち、 妊娠・結婚。夢をあきらめることになる。マリリンもまた、あきらめきれなかった夢を、自分と同じ青い目を もつリディアに託し、知らず知らずのうちにリディアを追い詰めていた。 長女のリディアは母親によく似た容姿で両親に溺愛される。青い目であっても、黒髪であること、父親が アジア系であることから、周囲にはなじめずにいる。 一方、長男のネイスと次女のハンナは父親ゆずりのアジア人顔だ。ネイスは、父から疎まれ、母から 無視をされ、鬱屈した生活を送っていた。ただ大学入学を機に、ついに家を出ることが決まっていた。しかし、 このことで、お互いを支えとしていたネイスとリディアの関係が変化し、リディアに決定的な暗い影を落とす。 妹のハンナは、家族から相手にされず、常に部屋の隅、机の下に隠れている。だが、誰よりも客観的に家族を 観察し、事件の真相に迫っているキーパーソンでもある。 本書では、章ごとに1950年代の両親のなれそめ、1970年代の現代を行き来し、家族が徐々に崩壊していく 様子が語られる。その語り手も、リー一家が章によって入れ替わり、それぞれの秘密を静かに暴露していく。 終盤ではリディアの語りによって、死の真相が明らかになる。

ユーザーレビュー

  • 秘密にしていたこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『密やかな炎』がとても好きなタイプの物語だったので既刊のこちらもお取り寄せ。

    「リディアは死んだ。だが、彼らはまだそれを知らない。」のショッキングな書き出しで始まる。
    『密やかな炎』と同じく、その結末を迎えるに至った家族の顛末を辿る倒叙形式の物語。
    これがこの著者の型なのかな。

    倒叙といっても単なる過去の一時期に視点移動するのではなく、そもそもの発端である大過去(父ジェームスと母マリリンの馴れ初め)、10年前に訪れた家族の危機(マリリンの失踪)を語る中過去、直近での家族の歪みを描く小過去、それぞれの時点を唐突とも言えるほどの切り替わりで行きつ戻りつする。
    さらには時折りリディアの死以降の未

    0
    2025年11月08日
  • 密やかな炎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    紛れもない傑作
    親子とは?家族とは?正義とは?愛とは?
    様々なメッセージが込められた作品だと感じた

    主人公となる2人の母親は、完全に真逆な存在だが、確固たる自分を持っている
    エリートの夫を持ち、たくさんの子供に十分な教育や物を与え、友人に囲まれている母親
    夫はなく、娘と2人きりで、その日暮らしの貧しい暮らしをしながら、深い愛情を持つ母親

    どちらが正解というわけではないが、子供達はそんな母親の生き方を敏感に感じている

    親も1人の人間でしかなく、子供もやはり1人の人間となる
    自分の子供への接し方、愛し方を考えさせられた

    0
    2025年09月25日
  • 密やかな炎

    Posted by ブクログ

    「母と子」や「階級と格差」や「正しいこと」と普遍的なテーマが複合的に描かれた作品。
    登場人物は特徴を捉えるとステレオタイプなキャラが多いけれど、結末を最初に出して「なぜそうなったか」の話を進めると同時に各キャラをしっかり掘り下げるので画一的に「いいやつ」と「嫌なやつ」にさせない書きぶりが素晴らしい。
    自分ならどうするか、この中の誰に近いのか、とかそんなことを考えながら読んだ。

    0
    2025年09月14日
  • 密やかな炎

    Posted by ブクログ

     閑静な住宅街にある邸宅が燃えてしまう。住人である家族は無事のようだが、末娘は見つからない。両親は弁護士と記者で、不動産収入もある裕福な家庭だ。末娘意外のの子どもはみな優秀である。これは、そんな恵まれた家族に何が起き、火災で家を失うことになったのかという物語だ。
     社会的にも経済的にも成功している家族が、どうして崩壊することになったのか、一家を人生の勝ち組として導いている母エレナの正確な計算のどこに狂いが生じたのが見どころで、ぐいぐい惹きつけられる。
     因果応報というか、生きてゆく中で、普通に起こり得るであろうトラブルに見舞われたとき、どう行動するかが大切で、誠実性を欠く対処は、巡り巡って自分

    0
    2025年08月02日
  • 密やかな炎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上手いな、この人。登場人物(特にお金持ちの奥様たち)の造形が戯画的ではあるものの、十分に楽しめる内容になっている。それにしても、失って初めて気づくってのはよくある話だけど、作中の〇〇夫人はあまりにも鈍感にすぎるんじゃないかな。

    0
    2025年06月07日

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