作品一覧

  • レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと
    4.6
    著者の樋口は、50歳で「若年性レビー小体型認知症」と診断されたが、41歳の時にうつ病と誤診されて治療で悪化した経験がある。この本では、この病気に精通する内門医師と、この病気の早期発見のポイント、幻視や睡眠障害への対応、薬についての知識や治療で気をつけること、アルツハイマー病との違い等、ケアする側や高齢化社会では誰もが知っておくべきことを徹底的に語る。「認知症になったら人生終わり」ではなく、希望がある病気であることを伝えたい。
  • 私の脳で起こったこと ――「レビー小体型認知症」の記録
    4.3
    「若年性レビー小体型認知症」本人による、世界初となる自己観察と思索の記録。認知症、脳の病気とは一体何なのかを根本から問い、人間とは何か、生きるとはどういうことかを考えさせる。周りに理解されないための孤独と絶望の中にありながら、幻覚(幻視、幻聴など)、嗅覚障害、自律神経症状など自分に起きたことを日記形式で淡々と観察し、卓越した文章力で表現した希望の書。
  • 「できる」と「できない」の間の人
    4.4
    1巻1,650円 (税込)
    「たはは…まっ、そんなこともあるよね」って現実を踏みしめて、爽やかに、軽やかに、明日へズンズン歩いていく日記がたまらない。つられて元気になっちゃう。たはは。 ──帯文・岸田奈美(作家) 病気や怪我、老いなどで「できていたことができなくなる」ことがある。誰もが、できるとできないの間で迷ったり、不安を感じたりしながら生きている。でも大丈夫。困りごとは人に伝えて、周りに助けてもらえばいい。 突然発症したレビー小体病という「誤作動する脳」を抱え、長いトンネルから這い出てきた著者が、老い、認知症、そしてコロナ禍と向き合い悪戦苦闘する日々を綴ったエッセイ集。心配しないで。未来はきっと、そんなに悪くない。 「コロナみたいな、どうにもならないものに振り回され、理不尽なことがいっぱい起こる社会の中で、みんな、それぞれに必死で生きている。人間は、弱くてちっぽけだけど、それぞれが、かけがえのない、大切な人なんだ。間違いなくそうなんだよと、私は、言葉にして伝えたかった。弱っている人にも弱っている自分にも。」(「はじめに」より) 【目次】 1 コロナ時間とできない私 2 会いたい。会いたい。会いたい。 3 形を失った時間 4 ゴルゴ13とモンローの間 5 「きれい」と言われたい 6 最後に知る秘密 7 バナナの教え 8 強くはなれない 9 「確かさ」のない世界 10 おしゃべりな植物 11 幻視と幽霊 12 母の舌 13 死語と記憶とビンテージ 14 ずぼらの達人 15 育児がつらかった頃 16 永遠の初心者 17 認知症って何なのよ 18 見えない未来を生きていく 19 終わらない私の宿題 付録 認知症のある人が社会に居場所を取り戻すための3つの提言

ユーザーレビュー

  • 「できる」と「できない」の間の人

    Posted by ブクログ

    「私の脳で起こったこと」「誤作動する脳」にひきつづき、樋口直美さんの著作を読みました。

    レビー小体型認知症を持っている樋口さんがコロナ禍で書いたエッセイ集です。
    レビー小体認知症についての詳しい話を見たい方は、上記の二冊を先に読まれることをお勧めします。

    何度も書きますが
    私は樋口さんの文体や語り口が大好きで。
    確かに話していることはレビー小体認知症を持つ樋口さんの体験なのですが、そのカテゴリから一旦外して読んでいただきたいなと思います。

    個人的に刺さったフレーズは、
    【認知症は、ご長寿ギフトの箱に同梱されている。】 ー 162ページ
    【もし今、未来が見えなくて、不安を抱えていたとしても

    0
    2025年01月11日
  • レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと

    Posted by ブクログ

    当事者や当事者家族ではないものの、脳神経学に興味があるのと樋口氏の他の著書が面白かったので。
    パーキンソン病でもレビー小体の蓄積が認められるというのはぜんぜん知らなかった。認知症的な症状を伴わないタイプのレビー小体型認知症(と言って良いものか)の存在も合わせ、レビー小体病という考え方はいいような気がする。(遠い未来には、全てをスペクトラムとして脳の多様性の中で困り事があれば対応しましょうねという形になれば良いなと思うけれど、ひとまずは。)
    ADHDとの関連性についても興味深く読んだ。

    それにしても、医師や医療関係者とよくよく話し合えるような医療だったら本当に良いのにな。

    0
    2024年10月19日
  • レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと

    Posted by ブクログ

     とても良い本でした。60歳をこえた人に一読をおすすめします。心配な症状がある人やそのご家族向けの本です。でも、今無関係と思っている人も、認知の老化への覚悟と、もし症状が出ても絶望することはない、と知ることができます。

     先月の新聞記事でレビー小体型認知症について読みました。記事は発症してもなにもできないわけではない、という内容でした。そのなかで当事者の方が幻視について語られていました。その方は、座敷わらしが見える、と話されており、興味を持ちました。

     レビー小体とは、αシヌクレインというタンパク質が集まりかたまったもので、全身の神経細胞に溜まるようです。それが原因でレビー小体病を発症しま

    0
    2024年10月06日
  • レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと

    Posted by ブクログ

    何度も読み返しました。身近な人がなった時、初めて知ることばかり。患者さんは多種多様だから、これがあてはまる、とはいかなくても、何故かホッとした。勇気をいただきました。

    0
    2024年03月19日
  • 「できる」と「できない」の間の人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他者と自分の境遇を比較、優劣を設定、それに一喜一憂する。

    そしてネットの世界には「できる人」がいっぱい。ありとあらゆる物事に、「上には上がいる」「もっといいものがある」「もっとすごいことがある」と見せつけられ続ける世界。自分の持っているどんないいものも色あせていくような気がする。

    でも、いいよ。
    私は、私が楽しいと思うことを続けていこう。私は、また毎日書いていこうと思う。

    “主よ、変えられないものを受け入れる心の静けさと
     変えられるものを変える勇気と
     その両者を見分ける英知を我に与え給え“

    有名な「二―バーの祈り」だ。自分一人の力だけでは、変えられないものがある。例えば病気でできな

    0
    2023年10月03日

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