竹内要江の作品一覧
「竹内要江」の「アップルと月の光とテイラーの選択」「階上の妻」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
能楽師の妻兼マネージャーとして能の魅力を国内外に発信し続ける著者の生い立ちや子育て、能を通じての異文化交流、母の介護について書かれた本。
本書は、著者のマドレーヌさんが伝統ある能楽師に嫁ぎ、文化や価値観の違いに戸惑いながら、夫の梅若猶彦さんと共に能楽を国内外に発信する姿が書かれています。その中で、能についてわかりやすく説明されています。
また、子育てを通して見えてきた日本や海外の教育の違いも書かれています。今後は、多様性を知る教育も大事であることが、本書を読むとよくわかります。
日本の古典芸能の一つである能楽。日本文化であるにもかかわらず、能楽のことを知っている日本人はそんなに多くないと思います。能楽を知る最初の一冊として、本書はオススメです。本書を読み終えると、梅若猶彦さんの能を見てみたいと思うようになります。
Posted by ブクログ
麻薬ビジネスの横行するペンシルベニア州ケンジントン地区では、クスリを手にする金を求めて路上で身売りする女も数多。
この地区のパトロール警官ミカエラは妹のキャシーをこの界隈でよく見かけときには連行する場に居合わせることも。
そんな日常の中、商売女ばかりを狙った連続殺人事件が発生し、ミカエラは次は妹の番なのではと身を案じる。
幼少期に育まれた姉妹の絆の消失と再生、幼い息子トーマスとミカエラで奮闘する母子家庭の苦悩と希望。
犯人を突き止めるミステリというよりは、家族の物語の色が強い。
姉と妹の気持ちが次第に離れていく様、純粋無垢な少年の素直さと大人の勝手な都合が招く不条理なシチュエーションがたまらなく切なく、読むのが辛くなることすらあったが、その湧き上がる感情こそが読書の醍醐味。
いやあ、そこはかとなく心を昂らせる描写がうまい。
読み応えありました。
Posted by ブクログ
暗い話は苦手だという方にとっては、本書は忍耐を強いられる物語である。そもそもこの作家にとってはミステリーが初チャレンジだそうだ。これまで数作の私小説的な、あるいは社会問題をテーマにしたヒューマンな作品で評価されているようだし、ミュージシャンであり、大学の先生でもあるらしい。多くの顔を持つ作家の初のミステリー・デビューということである。
ヒロインのミカエラはフィラデルフィア市警24分署のパトロール警官である。ある日、通報によりリ、連続殺人事件の被害者である若い娼婦の遺体に遭遇する。パトロール警官の身には、捜査権限という点で相当のハンディを抱えているばかりか、捜査状況の進捗すらまともに読み取れない立場なので、ミステリーとしての物語をこの書がどのように進めてゆけるのかなと要らぬ心配で頭をいっぱいにしながら、読者としてのぼくはミカエラとその妹ケイシーの物語へと導かれる。
ミカエラの独白は語る。そのケイシーが薬物中毒で娼婦へと身に落としているかもしれないこと。そしてここのところ街から姿を消し行方不明になっていること。連続殺人事件の被害者として未発見の遺体と化している恐ろしい状況を、姉は心配するのだ。
本書の主人公は二人の姉妹で、彼らの恵まれない現在と過去を行き来しつつ、ミカエラは一人称で語る。現在にも過去にも、冷たくて意地悪で逆境を作り出しているかのような人物がいて、ミカエルは苦しみながら、ケイシーの行方だけに心を捉われゆく。
もう一つの主人公はここフィラデルフィアの最も荒れ果てた街ケンジントンだと言っていいだろう。犯罪の横行する、貧しく荒んだ街を流れるデラウェア川を、示したような原題"Long Bright River"は、一方では姉妹たちの、どうにもならない宿命を表しているかにも見える。
薬物被害の横行する街、遺伝的に依存症傾向のある(とミカエラが信じる)彼ら一族の血、依存症の女性から生まれる新生児のダメージと、そこから救われるための苦しみ、依存症患者へのヘイトに満ちた社会の眼差し等々を見ていると、本書はストレートな社会派小説であるとも見える。
それでいて、姉妹の隠されていた秘密、連続殺人の意外な犯人像、などなど、ミステリーとしての驚愕に満ちた仕掛けもしっかり用意されてる、ある意味とても精緻で完璧な作品でもある。
読中、ヒロインの悲劇につきあうのはとても苦しい体験なのだが、果てしなき輝きの果てにミカエラが見つけ出すものを知るところまで是非、このいたいけなヒロインにおつきあい頂きたい。この作品の素晴らしさを必ず感じ取れる時が必ず来ると信じて。