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  • ベートーヴェン捏造
    4.1
    「運命」は、つくれる。 犯人は、誰よりもベートーヴェンに忠義を尽くした男だった── 音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」の全貌に迫る歴史ノンフィクション。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【イントロダクション】 「事件」が発覚したのは、1977年――ベートーヴェン没後150年のアニヴァーサリー・イヤー。 震源地は、東ドイツの人民議会会議場で開催された「国際ベートーヴェン学会」。 ふたりの女性研究者が、ベートーヴェンの「会話帳」――聴覚を失ったベートーヴェンがコミュニケーションを取るために使っていた筆談用のノート――に関する衝撃的な発表を行った。 会話帳に、ベートーヴェンの死後、故意に言葉が書き足されている形跡を発見したという。 犯人は、ベートーヴェンの秘書、アントン・フェリックス・シンドラー。 ベートーヴェンにもっとも献身的に仕えた「無給の秘書」として知られた人物である。 ベートーヴェン亡きあとは全部で3バージョンの伝記を書き、後年の──あるいは現代における「楽聖べートーヴェン」のパブリックイメージに大きな影響を及ぼしていた。 たとえば、ベートーヴェンが『交響曲第5番』冒頭の「ジャジャジャジャーン」というモチーフについて「運命はこのように扉を叩くのだ」と述べたという有名なエピソードは、シンドラーの伝記を介して世に広められたものだ。 そんな人物が、会話帳の改竄に手を染めていたとなれば。 それはベートーヴェン像の崩壊に等しかった。 以降、シンドラーは音楽史上最悪のペテン師として、研究者や音楽ファンから袋叩きに遭うことになる。 だが、彼をいたずらに非難することは本当に正しいのだろうか。 シンドラーのまなざしに憑依する──つまりは「犯人目線」で事件の全貌を追うことによって、いまいちど、彼が「嘘」をついた真の動機を明らかにすべきなのではないだろうか。 生い立ち、学生時代の行状、ベートーヴェンとの関係。 ベートーヴェンの死後、会話帳改竄に至るまでの経緯。 罪を犯したあと、どうやってそれを隠しとおしたのか。 そして、100年以上にわたってどのように人びとをだまし続けたか。 それらを知らずして、音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」の真相に迫ることはできない。 音楽史上最悪のペテン師を召喚し、彼が見た19世紀の音楽業界を描き起こす前代未聞の歴史ノンフィクション ――ここに開幕。 新聞 ・「中日/東京新聞」 2018年10月28日付朝刊 /三品信氏(中日新聞文化部記者) ・「共同通信」2018年11月24日以降地方紙配信/江川紹子氏(ジャーナリスト) ・「読売新聞」2018年11月25日付朝刊/宮部みゆき氏(作家) 雑誌 ・「週刊現代」2018年11月17日号   ・「週刊文春」2018年11月22日号 ・「小説すばる」2018年12月号/栗原裕一郎氏(評論家) ・「音楽の友」2018年12月号/小沼純一氏(音楽・文芸批評家、早稲田大学文学学術院教授) ・「モーストリー・クラシック」2019年1月号/澤谷夏樹氏(音楽評論家) ・「週刊ポスト」2018年12月3日号/井上章一氏(国際日本文化研究センター教授) ・「ぴあクラシック」Vol.49 2018/19冬/橘ララら氏(ライター)

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  • ピアニストは「ファンサ」の原点か スターとファンの誕生史
    NEW
    -
    1巻1,100円 (税込)
    現代の「推し」の原点は「19世紀」にあった!? ピアニストがスターになるまでと、そのファンの形成の成り立ちを追い、「神ファンサ」の原点に迫る。 「ファンサ」の原点は「19世紀」にあった!? 1842年、ベルリン。とあるピアニストのリサイタルの様子を描いた1枚の風刺画がある。彼の名はフランツ・リスト。彼は類稀なる自己プロデュース力と「ファンサ(ファンサービス)」により人びとを熱狂させ、一世を風靡した。過熱するファンの求愛にスターはどう応えたか。ファンとは一体何者か。19世紀のクラシック音楽界を中心に、スポーツ、文芸、バレエなどからファン⽂化をめぐる諸相を読み解く。『ベートーヴェン捏造』の著者による、異⾊のファン歴史⽂化論。 【目次より】 Ⅰスターとファンと公衆──彼らはいつ現れたのか Ⅱなぜピアニストはスターになりえたか Ⅲリスト・ファンとは誰だったのか Ⅳファンたちの功罪 Ⅴ聴衆とファンの正しさをめぐって
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく
    3.7
    1巻990円 (税込)
    音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」。宮部みゆき氏絶賛の衝撃的歴史ノンフィクション、待望の文庫化! 現代に語り継がれるベートーヴェン像は、秘書により捏造されていた!? 「会話帳改竄事件」の真相に迫る、衝撃的な歴史ノンフィクション。「会話帳」とは、聴力を失ったベートーヴェンが周囲の人とコミュニケーションを取るために用いた筆談用ノートのこと。 100年以上にもわたり多くの人々を騙し続けた「犯人」の名は、アントン・フェリックス・シンドラー。音楽家でもあり、誰よりもベートーヴェンの近くで忠誠を誓い、尽くした人物である。なぜ、何のために彼は改竄に手を染めたのか? 音楽史上最大のスキャンダルの「犯人」・シンドラーの目を通して、19世紀の音楽業界を辿る。音楽ファンもミステリーファンも絶賛した名作がついに文庫化! ◎解説=栗原康

ユーザーレビュー

  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    オーディブルにて
    軽い気持ちで聴き始める、軽い集中力で聴けるものの、内容はものすごく深く、緻密な研究の積み重ねの上にあることが素人でも分かる。歴史スペクタクルでありながら、人間の滑稽さや歴史の皮肉に笑ってしまったりほっこりしたり。ベートーヴェンも生身の人間だったんだな。

    作者がシンドラーに対してもベートーヴェンに対しても冷笑的でシニカルな距離感なのがとても新鮮で面白く、でも結局のところ(とりわけ主人公シンドラーに対して)深い愛があるのがなんかよかった。

    シンドラーにしても、アメリカ人青年にしても、捏造を最終的に暴いた人にしても、そして作者にしても、生涯をかけて他人の人生を丹念に研究するとい

    0
    2025年10月13日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    映画見たー。本も面白い!
    シンドラーの稚拙な捏造が、次々と関係者が亡くなるの待ちという作戦で、長い年月の後事実っぽくなったのが1970年までバレなかったってのがすごい。

    0
    2025年10月10日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

    Posted by ブクログ

    最初から最後まで衝撃。
    全然知らなかった、こんな出来事が起きてたなんて!
    誰もが音楽の授業で習ったことが事実ではなかったなんて。
    シンドラー目線で進んでくのでドキドキしつつも哀しく切ない。
    同情は出来ないし理解も出来ないけれど、今も皆が運命だと思ってるってシンドラーが知ったら、、、
    ページをめくる手が止まらない、とても面白い作品でした!

    0
    2025年05月10日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    ベートーヴェンという天才に出会ってしまったことの幸福と絶望。
    絶対に越えられない壁。
    だからといって自分の承認欲求が消えるわけではない。
    だったら別の形でなんとかそれを満たさなければ。
    「みんなの理想のベートーヴェン」を作り上げ、それを猟奇的なまでに必死に守ることによって自分の夢を叶えようとしていたのかもしれない。
    何が正義で何が悪なのか。
    それは人によって変わるし誰にも分からないことなのだ。

    0
    2025年03月12日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    ベートーヴェンの秘書を務めていたアントン・フェリックス・シンドラーという男がベートーヴェンの名誉を守るため、そしてちょっとだけ自分を良く見せるために、さまざまな人がベートーヴェンとの会話に使用された「会話帳」を独占して、かつ内容を改竄するという大それた行動に出るのだ。

    シンドラーはベートーヴェンを守るために証拠品に手を加え、ベートーヴェン伝を出版する。
    でも。改竄はベートーヴェンが生きている間にも十二分にしてきたのだろうと思う。自分の頭の中で。 
    ベートーヴェンという大物に尽くす自分、頼りにされる自分、常に美しい主従関係をイメージしながら生きていたのだと思う。
    そしてそれをベー

    0
    2024年07月11日

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