リモート営業入門
著:水嶋 玲以仁
日経文庫 1426
コロナ禍をきっかけとして、対面営業がリモート営業にと営業スタイルが変わっていく
両者の何が違っていて、何が同じなのか
時代が下るにつれて、営業の方法はますます難しく、細かくなっていく、と感じています
気になったのは、以下です
■リモート営業がニュースタンダードとなる理由
・リモート化の理由
①対面営業の相対的存在感の低下
②非対面コミュニケーションの一般化
③DXによる商材の性質の変化
SFA,CRM,MA(マケティングオートメーション)
④労働力不足解消の切り札
オンラインツールや電話を使い内勤で顧客との関係性を築いていく
身体への負担が小さい
効率性が増し、これまでより多くの顧客を担当する、複雑で手間のかかる案件を担う
・リモート営業と対面営業の差異
対面の方が相手の懐に入りやすい
相手の懐に入るということは、組織対組織ではなく、個人対個人
顧客を理解することはリモート営業のほうが高い
リモート営業は、言葉で、メッセージで信頼を重ねていかなければならない
契約がゴールではなく、長期的な関係を築いていくことが目的
そのためには、1つ1つのインパクトは小さくても、誠実さと安心感をもたらすことが優先される
顧客のことを深く理解し、ときには顧客と異なる角度から提言し、ともに課題を解決する存在をめざすべき
ポイントは、小刻みな言葉のやり取りを繰り返すこと
伝えたいこと話したいことの固まりを細かく分解し、リズム感を意識した対話を築く
・コミュニケーションツール
Eメール
ウェブ会議システム
電話
Line,FacebookなどSNS
・ウェブ会議のマナー
ビデオはONに
リアクションは大きく
声をかぶせない
自分が話さないときは、マイクをミュートに
■アポイントはこうして獲得!顧客開拓の進め方
・顧客の購買行動
①検討開始、②情報収集、③比較検討、④提案依頼、⑤社内調整、⑥契約、⑦購入、⑧交渉、⑨発注
・リモート営業が難しいのは、顧客の状況がブラックボックスになりがちであること
・知りたいことを正直にきいてみる
・成約の見込み客(リード)を得る
インバウンド 売り込みをかけてリードを獲得する
アウトバウンド ホームページや資料請求から、顧客からの連絡でリードを獲得する
・アプローチ
電話ではなくメールがおすすめ:最初のコンタクトメールを、コールド・メールという
①誰に送るかを把握
②何を伝えるかを整理
③メールヤワープロなどの、機能を活用する
・メールの書き方
①件名を分かりやすく
②構成はシンプルに(挨拶、商材紹介、メリット、用件、欲しいアクションの提示)
③要点を絞る
④ターゲットに合わせ、メリット部分を変える
⑤迷惑メールにならないように注意する
・電話
①時間は短め
②関心トピックを探る
③知りたい情報を探る
④相手の温度を見て、次のアポを取る
・顧客を理解する
固有特性、企業風土、会社の課題
顧客の顔をちゃんとみる、商材がよいからこれまで顧客をちゃんと見てなかった
・ペインポイント:顧客が抱える課題の本質的な原因
・あらかじめ、仮説を立てて、顧客に臨む
■信頼を得られるテレコミュニケーションのコツ
・ウェブ会議の環境
①静かなところを選ぶ
②身だしなみ
③ゆっくり、おちついて話す
・会話NG
①一方的に話す
②相手の話を聞かない
・POINT
P:目的:会議の目的やねらい
O:概要:まえおき
IN:インプット:顧客からの情報の入手
T:導入:次のプロセスにつなげる
・一方的に話すだけでなく、相手の話も聞くタイミングがあることで、会話のキャッチボールができるようになります
話をきいてもらえている、という安心感や信頼にもつながってきます
・お客様がじっくり語れるシナリオづくりを心がける
・ラポールの形成
①相手の言葉を受容する
②相手の言葉を繰り返す
③相手の言葉に合わせる
④仕様ではなく、体験を伝える
・エレベータピッチ(エレベータトーク)
15~30秒で何を伝えるか
①自分が何者か
②何をしている会社か
③どのような価値を提供できるか
④顧客を注意を引くひと言を
アレンジ
①注意を引く質問
②リアリティ・チェック
③信頼性の向上:トピックを混ぜる
④短く情緒的
⑤エンドにサプライズをもっていく
・クロージングはていねいなコミュニケーションで
・商談後のフォローアップも大切に
・商談の記録は細分化する ⇒区切られたフォーマットに、単語単位で
■個の経験をチームの力にする底上げマネジメント
・なんとなくが非効率の原因
・マイクロマネジメント不要⇒各人の仕事のプロセスをていねいに追ってサポートをする
⇒メンバーの仕事ぶりを把握する
・リモートワークの課題は、部下の育成
・営業アクションについての評価は、GAP分析で
・全体観を大切に ⇒視野が狭くなっていくことに注意を
・全体への認識付け
①話の中に全体視点をこまめに入れる
②仕事をアサインする際に狙いを説明する
③顧客の声の対応を共有
④他部門(マーケティング、製品、サービス)との意見交換の場を設ける
・セルフマネジメント
①リモートワークは、心身に負担がかかることがある
②ネガティブなストレスをかけない
③休日、深夜のコミュニケーション、要注意
・ほめ文化でチーム力向上
①めざすところをみんなで握り合う
②ほめの文化をつくる
・継続的な成長の仕組み
①OFF-JTと実務との連動
②成果を上げている人を模倣
・デジタルドリブンの重要性
①望ましい行動を数値化する
②資料のデジタル化で汎用性をアップ
・オンライン会議の活性化
①発言しなければ暇な人?
②誰もが議論に参加できる人数に
・商談のレビュー
①商談の記録
②環境づくり(複数名で、基本はポジティブフィードバックに、改善点は具体的に指摘)
③観点(話し方、表情もフォロー、話の展開を検証、顧客のニーズがくみ取れているか)
目次
はじめに
1章 リモート営業がニュースタンダードとなる理由
2章 アポイントはこうして獲得!顧客開拓の進め方
3章 信頼を得られるテレコミュニケーションのコツ
4章 個の経験をチームの力にする底上げマネジメント
おわりに
ISBN:9784532114268
出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
判型:新書
ページ数:236ページ
定価:850円(本体)
発売日:2020年09月15日1版1刷