【感想・ネタバレ】リモート営業入門のレビュー

あらすじ

顧客に会えなくても、成果を出す。
マイクロソフト、グーグルで活躍した著者が解説!

リモート営業は、単純にミーティングをTeamsやZoomでやればいい、というわけではない。
顧客の興味付けからキーパーソンとの対話、クロージングまで、
営業プロセスそのものを見直す必要がある。

また、ウェブ、電話、メールなど、各種ツールの組み合わせ方や
プレゼン資料の見せ方なども、対面による説明を前提としたものとは違うものになってくる。

本書では、こうした「営業プロセス」についての考え方から、
オンラインミーティングにおけるツールの概要や活用のポイントまでをわかりやすく、
コンパクトにまとめた入門書だ。

著者の水嶋氏は、デル、マイクロソフト、グーグルなど外資系IT企業で
訪問しない「インサイド・セールス」の仕組み作りに携わってきた。
こうした豊富な経験を生かして、リモート営業への転換の仕方を具体的に語る。

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Posted by ブクログ

リモート営業入門
著:水嶋 玲以仁
日経文庫 1426

コロナ禍をきっかけとして、対面営業がリモート営業にと営業スタイルが変わっていく
両者の何が違っていて、何が同じなのか
時代が下るにつれて、営業の方法はますます難しく、細かくなっていく、と感じています

気になったのは、以下です

■リモート営業がニュースタンダードとなる理由

・リモート化の理由
 ①対面営業の相対的存在感の低下
 ②非対面コミュニケーションの一般化
 ③DXによる商材の性質の変化
   SFA,CRM,MA(マケティングオートメーション)
 ④労働力不足解消の切り札
   オンラインツールや電話を使い内勤で顧客との関係性を築いていく
   身体への負担が小さい
   効率性が増し、これまでより多くの顧客を担当する、複雑で手間のかかる案件を担う

・リモート営業と対面営業の差異
  対面の方が相手の懐に入りやすい
  相手の懐に入るということは、組織対組織ではなく、個人対個人
  顧客を理解することはリモート営業のほうが高い
  リモート営業は、言葉で、メッセージで信頼を重ねていかなければならない
  契約がゴールではなく、長期的な関係を築いていくことが目的
  そのためには、1つ1つのインパクトは小さくても、誠実さと安心感をもたらすことが優先される
  顧客のことを深く理解し、ときには顧客と異なる角度から提言し、ともに課題を解決する存在をめざすべき
  ポイントは、小刻みな言葉のやり取りを繰り返すこと
  伝えたいこと話したいことの固まりを細かく分解し、リズム感を意識した対話を築く

・コミュニケーションツール
  Eメール
  ウェブ会議システム
  電話
  Line,FacebookなどSNS

・ウェブ会議のマナー
  ビデオはONに
  リアクションは大きく
  声をかぶせない
  自分が話さないときは、マイクをミュートに

■アポイントはこうして獲得!顧客開拓の進め方

・顧客の購買行動
  ①検討開始、②情報収集、③比較検討、④提案依頼、⑤社内調整、⑥契約、⑦購入、⑧交渉、⑨発注

・リモート営業が難しいのは、顧客の状況がブラックボックスになりがちであること

・知りたいことを正直にきいてみる

・成約の見込み客(リード)を得る
  インバウンド 売り込みをかけてリードを獲得する
  アウトバウンド ホームページや資料請求から、顧客からの連絡でリードを獲得する

・アプローチ
  電話ではなくメールがおすすめ:最初のコンタクトメールを、コールド・メールという
  ①誰に送るかを把握
  ②何を伝えるかを整理
  ③メールヤワープロなどの、機能を活用する

・メールの書き方
  ①件名を分かりやすく
  ②構成はシンプルに(挨拶、商材紹介、メリット、用件、欲しいアクションの提示)
  ③要点を絞る
  ④ターゲットに合わせ、メリット部分を変える
  ⑤迷惑メールにならないように注意する

・電話
  ①時間は短め
  ②関心トピックを探る
  ③知りたい情報を探る
  ④相手の温度を見て、次のアポを取る

・顧客を理解する
  固有特性、企業風土、会社の課題
  顧客の顔をちゃんとみる、商材がよいからこれまで顧客をちゃんと見てなかった

・ペインポイント:顧客が抱える課題の本質的な原因

・あらかじめ、仮説を立てて、顧客に臨む

■信頼を得られるテレコミュニケーションのコツ

・ウェブ会議の環境
  ①静かなところを選ぶ
  ②身だしなみ
  ③ゆっくり、おちついて話す

・会話NG
  ①一方的に話す
  ②相手の話を聞かない

・POINT
  P:目的:会議の目的やねらい
  O:概要:まえおき
  IN:インプット:顧客からの情報の入手
  T:導入:次のプロセスにつなげる

・一方的に話すだけでなく、相手の話も聞くタイミングがあることで、会話のキャッチボールができるようになります
 話をきいてもらえている、という安心感や信頼にもつながってきます

・お客様がじっくり語れるシナリオづくりを心がける

・ラポールの形成
  ①相手の言葉を受容する
  ②相手の言葉を繰り返す
  ③相手の言葉に合わせる
  ④仕様ではなく、体験を伝える

・エレベータピッチ(エレベータトーク)
  15~30秒で何を伝えるか
  ①自分が何者か
  ②何をしている会社か
  ③どのような価値を提供できるか
  ④顧客を注意を引くひと言を
  アレンジ
  ①注意を引く質問
  ②リアリティ・チェック
  ③信頼性の向上:トピックを混ぜる
  ④短く情緒的
  ⑤エンドにサプライズをもっていく

・クロージングはていねいなコミュニケーションで

・商談後のフォローアップも大切に

・商談の記録は細分化する ⇒区切られたフォーマットに、単語単位で

■個の経験をチームの力にする底上げマネジメント

・なんとなくが非効率の原因

・マイクロマネジメント不要⇒各人の仕事のプロセスをていねいに追ってサポートをする
 ⇒メンバーの仕事ぶりを把握する

・リモートワークの課題は、部下の育成

・営業アクションについての評価は、GAP分析で

・全体観を大切に ⇒視野が狭くなっていくことに注意を

・全体への認識付け
 ①話の中に全体視点をこまめに入れる
 ②仕事をアサインする際に狙いを説明する
 ③顧客の声の対応を共有
 ④他部門(マーケティング、製品、サービス)との意見交換の場を設ける

・セルフマネジメント
 ①リモートワークは、心身に負担がかかることがある
 ②ネガティブなストレスをかけない
 ③休日、深夜のコミュニケーション、要注意

・ほめ文化でチーム力向上
 ①めざすところをみんなで握り合う
 ②ほめの文化をつくる

・継続的な成長の仕組み
 ①OFF-JTと実務との連動
 ②成果を上げている人を模倣
 
・デジタルドリブンの重要性
 ①望ましい行動を数値化する
 ②資料のデジタル化で汎用性をアップ
 
・オンライン会議の活性化
 ①発言しなければ暇な人?
 ②誰もが議論に参加できる人数に

・商談のレビュー
 ①商談の記録
 ②環境づくり(複数名で、基本はポジティブフィードバックに、改善点は具体的に指摘)
 ③観点(話し方、表情もフォロー、話の展開を検証、顧客のニーズがくみ取れているか)

目次
はじめに
1章 リモート営業がニュースタンダードとなる理由
2章 アポイントはこうして獲得!顧客開拓の進め方
3章 信頼を得られるテレコミュニケーションのコツ
4章 個の経験をチームの力にする底上げマネジメント
おわりに

ISBN:9784532114268
出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
判型:新書
ページ数:236ページ
定価:850円(本体)
発売日:2020年09月15日1版1刷

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2024年05月06日

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