作品一覧

  • イスタンブル、イスタンブル
    4.0
    1巻2,475円 (税込)
    美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。  イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。  2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品)
  • 小さなことばたちの辞書
    4.6
    1~2巻2,970~3,168円 (税込)
    ことばに生涯を捧げた女性を描く珠玉の一篇。 「生きるということは、ことばを集めることだ――べつに辞書編纂者でなくても。エズメがそれを教えてくれる」――国語辞典編纂者・飯間浩明  19世紀末の英国。母を亡くした幼いエズメは、『オックスフォード英語大辞典』編纂者の父とともに、編集主幹・マレー博士の自宅敷地内に建てられた写字室に通っている。ことばに魅せられ、編纂者たちが落とした「見出しカード」をこっそりポケットに入れてしまうエズメ。ある日見つけた「ボンドメイド(奴隷娘)」ということばに、マレー家のメイド・リジーを重ね、ほのかな違和感を覚える。この世には辞典に入れてもらえないことばがある――エズメは、リジーに協力してもらい、〈迷子のことば辞典〉と名付けたトランクにカードを集めはじめる。  大英語辞典草創期の19世紀末から女性参政権運動と第一次世界大戦に揺れる20世紀初頭の英国を舞台に、学問の権威に黙殺された庶民の女性たちの言葉を愚直に掬い上げ続けた一人の女性の生涯を描く歴史大河小説。  2021年豪州ベストセラー1位(フィクション部門)、NYタイムズベストセラーリスト入り。「ことば」を愛するすべての人に贈る珠玉の感動作。
  • マリーゴールド・ホテルで会いましょう
    4.0
    1巻1,034円 (税込)
    ロンドンで医師をしているインド系のラヴィは、いとことともに新事業を立ち上げた。物価の安い故郷のバンガロールに高齢者ホームを作り、イギリスの引退者を送り込むのだ。馬の合わない下品な義理の父親も含めて……。やがて、宣伝につられた様々な男女が、彼らの新たな家となるマリーゴールド・ホテルに集まった。インドでの刺激的な新生活を期待して――
  • ワン・プラス・ワン~THE ONE PLUS ONE~
    4.3
    1巻1,133円 (税込)
    本当の家族って?メガヒット作家最新作!  イギリス南部の海岸沿いの町に暮らすジェスは、清掃業とパブ勤めをかけもちしながら、10歳の娘タンジーと、別居中の夫の連れ子で16歳の息子ニッキーを育てる27歳のシングルマザー。生活は極貧、子供たちは時々いじめに遭っているけれど、持ち前のタフさとポジティブさで何とか日々を凌いでいた。ある日ジェスは、タンジーの学校の教師から、数学競技会の出場を薦められる。タンジーにはずば抜けた数学の才能があり、競技会の成績次第で奨学金が認められれば、一流校での教育が受けられるというのだ。期待に胸膨らませながらも、会場のスコットランドへの交通費すら捻出できず悩むジェス。一方その頃、ジェスが清掃サービスをする海辺の高級コテージでは、インサイダー取引容疑で逮捕の危機にさらされたIT長者のエドが人目を避け引きこもっていた。ひょんなことからジェスとエドが出会い、エドはこの凸凹家族と老犬一匹を連れ、車で英国縦断の旅をすることに……。  本当の家族って?本当に大切なものって?メガヒット『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』の著者が描く、ちょっぴり塩っぱくてハートフルなロードノベル!(2018年2月発表作品)

ユーザーレビュー

  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    「舟を編む」に似ている辞書をめぐる人間模様

    辞書には入れられない市井の人の言葉を集める主人公
    辞書は男性が使う、言葉 概念をベースに作られる。その中に女性にまつわる日々の言葉がかけていることの気づく主人公と召使の友情と成長

    19世紀後半の婦人参政権への眼差しや、庶子を産む主人公の困惑と痛み。

    様々な言葉をめぐるつながりが感動的。
    婦人参政権はオーストラリアが世界初と初めて知った。

    本を読む楽しさ満喫

    0
    2026年02月06日
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    19世紀末イギリス、辞書編纂者の娘エズメは、編纂室を遊び場に成長していく。人はことばを定義し、ことばは人を定義する。辞書に収録されずとも、ことばが表す事物は消えない。省かれたことば、無視された意味が女性たちの世界を豊かに照らす。
    年の瀬にとても素晴らしい作品と出会えて嬉しい。感情そのものではなく、行動や出来事を吟味されたことばで丁寧に描写することで、かえってその行動や出来事を支える感情に焦点が合っていく不思議。ことばが持つ力について考えさせられる作品でもあった。

    0
    2026年01月25日
  • ジェリコの製本職人

    Posted by ブクログ

    前作がとても好きだったので、エズメを取り巻く人たちに再び出会えて嬉しかった。

    半分過ぎたあたりから、何度も涙を堪えながら読んだ。素晴らしい言葉たちで溢れていた。

    モードの選び取る言葉はいつも真実を射抜いていて、ペギーの飲み込んだ言葉たちを、モードの振る舞いを通して感じとれて、泣けて堪らなかった。

    ペギーを押し上げていく、”sister”たちも、それぞれよい。

    0
    2026年01月13日
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    辞書の編集に関わる小説といえば、映画やドラマにもなった三浦しをんさんの「舟を編む」が思い出されますが、これは男女間の不平等や性差別が原因で、辞書には収録されなかったことば(小さなことばたち)を、掬い上げて一冊の辞書にまとめた女性の物語、海外文学です。

    原題は「失われたことばの辞典」。
    舞台は19世紀末の英国。『オックスフォード英語大辞典』の編纂者を父にもつ主人公のエズメは、幼いときに母を亡くし、父の職場であるスクリプトリウム(写字室)でいつも遊んでいましたが、ある日、編纂者たちが落とした1枚の見出しカードを偶然拾い、こっそり隠してしまいます。

    その見出しカードに書かれていたことばは、「ボン

    0
    2025年12月11日
  • 小さなことばたちの辞書

    Posted by ブクログ

    女性たちの連帯はもちろん、同じ時代を生き、ことばに仕えた人々のきずなが描かれている、壮大な物語だった。
    単なるフェミニズムに寄りすぎるのではなく、エズメの周りの男性達は、女性であるエズメを理解し、応援したり温かく見守ってくれる人たちだっただけに、男性が主体となって向かわなければならなかった戦争のおぞましさが引き立っていた。
    戦争はもちろん、他にも悲しい出来事はたくさんあったが、ことばの世界に守られてきたエズメが、ことばを通して誰かを励まし、慰め、背中を押して次の世代にバトンを渡すまでの生き様がとても美しく描かれていた。

    0
    2025年07月28日

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