作品一覧

  • 本格ミステリの構造解析 奇想と叙述と推理の迷宮
    3.0
    1巻3,410円 (税込)
    他に類を見ない特殊な構造を持つ唯一無二の小説ジャンル〈本格ミステリ〉。その特殊な 構造を解析し、その特殊な構造が生まれた理由を考察した評論書! 作品を考察する場合〈何を=テーマ〉、〈どう描いているか=舞台や人物〉だが、本格ミステリの場合〈何を=トリックやプロット上の仕掛け=奇想〉、〈どう描いているか=叙述〉に加えて〈どう解き明かすか=推理〉が加わる。奇想、叙述、推理を本格ミステリの構造に組み込んで解析した評論書。

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  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年
    4.0
    1巻2,816円 (税込)
    本格ミステリの巨匠エラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイ、マンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家。プロット担当のダネイと小説化担当のリーは、毎回、手紙と電話で意見を交換しながら作品を創り上げたが、その合作の実際は長く秘密にされてきた。本書は二人の往復書簡によって、二つの異なるタイプの才能が細部の検討を重ね、時に激しい議論を戦わせながら、中期の傑作『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を完成させていく過程を明らかにした貴重なドキュメント。 「この書簡集を夢中になって読み終えた今、私は、フレッドとマニーがこれだけ争っているのに本が完成して出版されたという事実を、信じることができない。しかし、二人がそれをやってのけたことを神に感謝しよう!」 ――ウィリアム・リンク(本書序文より)

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  • 数学者と哲学者の密室――天城一と笠井潔、そして探偵と密室と社会
    3.0
    1巻2,640円 (税込)
    本格ミステリの探偵はどのような推理をすべきか? 密室などのトリックはどうあるべきか? そして、社会とどう対峙すべきか? 戦中派の天城一と戦後派の笠井潔の作品からその答えを探し求める評論書! 天城一と笠井潔は、資質的にはよく似ている。名探偵の独特なレトリック、戦争や社会批判といったテーマの導入、トリックのバリエーションへのこだわり、ハイデガー哲学の援用、作中に取り込まれた評論等々。本書では、これらの類似点を用いて、本格ミステリの本質を考察する。 本書を書き終えた今、私が思うことは、“本格ミステリ”というジャンルの豊潤さです。天城一と笠井潔は、「テーマとトリックを連携させ、それを探偵の推理が明らかにする」という作風の物語を描いてきましたが、これは他のジャンルではできないでしょう。テーマもトリックも探偵も、本格ミステリの専売特許ではありませんが、この三つを連携させたものは、本格ミステリ以外の何ものでもないのです。そして、ただ単にテーマが作中で語られるだけの他のジャンルと異なり、探偵が行うトリックの解明によって、テーマは読者の心に深く刻まれることになるわけです。(あとがきより)

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  • 本格ミステリの本流 本格ミステリ大賞20年を読み解く
    -
    1巻2,420円 (税込)
    本格ミステリ作家クラブ協賛 本格ミステリ大賞20年を論考し、21世紀の本格ミステリの本流をするどく抉る評論集!! ミステリ作家、評論家の参加する団体・本格ミステリ作家クラブ会員の投票により、その年もっとも優れたミステリとして決定される「本格ミステリ大賞」。2001年からスタートしたこの賞の受賞作に投票をした会員によって受賞作・受賞作家の論考をまとめ、本格ミステリのより濃いエッセンスを抽出する本格ミステリ作家クラブ20周年記念論集。

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  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力
    4.7
    1巻2,420円 (税込)
    本格ミステリのさまざまな作家やテーマに贋作と評論で鋭く切り込んだ 異色のハイブリッド・ミステリ集!! 本書では、本格ミステリのさまざまな作家やテーマに、贋作と評論の二方向から切り込んでみました。本書に収められた贋作は、すべて“評論的な贋作”、つまり、作家や作品に対する考察を小説の形で表現したものなので、切り込むことができたわけです。そして、カップリングされている評論は、その贋作を生み出す基となった論か、贋作を書くことによって深まったり生まれ変わったりした論をまとめたものです。 それでは、贋作と評論を両輪にして、本格ミステリをめぐる冒険を楽しんでください。

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ユーザーレビュー

  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力

    Posted by ブクログ

    第18回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。国内外の有名な作品を元に書かれた贋作と評論を収めたマニアックな一冊です。贋作は元ネタの作風やキャラのイメージを損なうことはないですし、評論は平易に書かれているので分かり易くて好印象。
    ベストは有栖川有栖の贋作【英都大学推理研VS「女か虎か」】。斬新な解釈と有栖川有栖名義と言われても違和感ない贋作度が素晴らしいです。
    次点は高木彬光の贋作【甲冑殺人事件】。世に出てない元ネタを作品化させたことは称賛に値しますし、神津恭介に関する評論もなかなか衝撃的です。
    また著者はエラリー・クイーン研究家ということもあり、エラリー・クイーン関連も興味深いものばかり。こ

    0
    2020年03月07日
  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力

    Posted by ブクログ

    面白かった

    いままで作品のつながりの中でミステリを見てなかったけど
    時がたつにつれ、
    ミステリも進化してるんだな
    とか
    私が疑問に思ってたことが書かれてたり

    作家も大変だな~
    とか

    この人の他の本も読みたくなった

    0
    2019年02月09日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

    Posted by ブクログ

     『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を全て読み終わったので、これらのネタバレあり創作裏話ともいえる、合作コンビふたりの往復書簡集を読んだ。エラリー・クイーンは、今となってはアメリカよりも日本での方が人気が高いという話を聞いたことがある。終章にはクイーン衰退についての言及もある。まあまあマニアックな本である。
     私は探偵エラリー・クイーンが登場する長編をだいたい刊行順に読んできてやっと『悪の起源』までたどりついたところ。マイベストは…と考えると、いろんな評価軸があるからその時々で答えは変わるだろうなあと思いつつも、やっぱり『〜猫』はある観点でのマイベストにはなる、と思っている。しかし『十

    0
    2023年11月25日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

    Posted by ブクログ

    2人のエラリー・クイーンの間で交わされた往復書簡集。2人とはもちろん、プロット担当のフレデリック・ダネイと小説化担当のマンフレッド・リー。これすらもペンネームなんだからね。
    で、ここまでやり合うのかってくらい言い合う。日本人の感覚だと、ここまで言うくらいなら喧嘩別れする方がスッキリするのにと思っちゃう。これが欧米の交渉であり、感覚なのかと畏れ入るしかない。もっとも欧米からすると、日本人は突然キレるように見えるらしい。分かり合えないねぇ。
    ま、傑作を生み出すには妥協なくとことん突き詰めることなんだと、当たり前のことに気づかされるんだな。

    0
    2021年08月03日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

    Posted by ブクログ

    創作過程をのぞき見るというのはとても興味深く、まして取り上げられている作品が名作であるだけに、それを書き上げるまでの苦労などが目の前にさらされるとため息をつきたくなる。

    深い理解とかレベルの高い成果とかは、安易な妥協や合意から生まれるものではないと理解はしているけれど、あれほどの傑作を生み出すためには、才能のある者どおしのこんなにも激しい闘いが必要なのかと驚く。その闘いは知的で生産的なものの範囲を超えて、ほとんど相手の人格否定にまで及んでしまうのがショッキングで、正直何度も読むのがつらくなった。

    最終的には、やっぱりふたりが強い友情と深い信頼で結ばれていることが感じられるのだけれど、それで

    0
    2021年07月28日

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