飯城勇三のレビュー一覧

  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力

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    第18回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。国内外の有名な作品を元に書かれた贋作と評論を収めたマニアックな一冊です。贋作は元ネタの作風やキャラのイメージを損なうことはないですし、評論は平易に書かれているので分かり易くて好印象。
    ベストは有栖川有栖の贋作【英都大学推理研VS「女か虎か」】。斬新な解釈と有栖川有栖名義と言われても違和感ない贋作度が素晴らしいです。
    次点は高木彬光の贋作【甲冑殺人事件】。世に出てない元ネタを作品化させたことは称賛に値しますし、神津恭介に関する評論もなかなか衝撃的です。
    また著者はエラリー・クイーン研究家ということもあり、エラリー・クイーン関連も興味深いものばかり。こ

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    2020年03月07日
  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力

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    面白かった

    いままで作品のつながりの中でミステリを見てなかったけど
    時がたつにつれ、
    ミステリも進化してるんだな
    とか
    私が疑問に思ってたことが書かれてたり

    作家も大変だな~
    とか

    この人の他の本も読みたくなった

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    2019年02月09日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

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     『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を全て読み終わったので、これらのネタバレあり創作裏話ともいえる、合作コンビふたりの往復書簡集を読んだ。エラリー・クイーンは、今となってはアメリカよりも日本での方が人気が高いという話を聞いたことがある。終章にはクイーン衰退についての言及もある。まあまあマニアックな本である。
     私は探偵エラリー・クイーンが登場する長編をだいたい刊行順に読んできてやっと『悪の起源』までたどりついたところ。マイベストは…と考えると、いろんな評価軸があるからその時々で答えは変わるだろうなあと思いつつも、やっぱり『〜猫』はある観点でのマイベストにはなる、と思っている。しかし『十

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    2023年11月25日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

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    2人のエラリー・クイーンの間で交わされた往復書簡集。2人とはもちろん、プロット担当のフレデリック・ダネイと小説化担当のマンフレッド・リー。これすらもペンネームなんだからね。
    で、ここまでやり合うのかってくらい言い合う。日本人の感覚だと、ここまで言うくらいなら喧嘩別れする方がスッキリするのにと思っちゃう。これが欧米の交渉であり、感覚なのかと畏れ入るしかない。もっとも欧米からすると、日本人は突然キレるように見えるらしい。分かり合えないねぇ。
    ま、傑作を生み出すには妥協なくとことん突き詰めることなんだと、当たり前のことに気づかされるんだな。

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    2021年08月03日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

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    創作過程をのぞき見るというのはとても興味深く、まして取り上げられている作品が名作であるだけに、それを書き上げるまでの苦労などが目の前にさらされるとため息をつきたくなる。

    深い理解とかレベルの高い成果とかは、安易な妥協や合意から生まれるものではないと理解はしているけれど、あれほどの傑作を生み出すためには、才能のある者どおしのこんなにも激しい闘いが必要なのかと驚く。その闘いは知的で生産的なものの範囲を超えて、ほとんど相手の人格否定にまで及んでしまうのがショッキングで、正直何度も読むのがつらくなった。

    最終的には、やっぱりふたりが強い友情と深い信頼で結ばれていることが感じられるのだけれど、それで

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    2021年07月28日
  • エラリー・クイーン 創作の秘密:往復書簡1947-1950年

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    あこがれのエラリークイーンの創作の舞台裏。2人とも「それを言っちゃあおしまいよ」の嵐。よく解散しなかったなと思う。
    でも1人ではなく2人体制だったからこそ、読者は創作の過程をこうして目にすることができた。小説と合わせて作者どうしのケンカが読めるという、今までとは違った小説の楽しみ方を味わえた。

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    2021年07月07日
  • 本格ミステリ戯作三昧 贋作と評論で描く本格ミステリ十五の魅力

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    国内外の著名な本格ミステリの贋作15作と、その作品に関連する評論をカップリングした物。
    贋作が凄かった。真作というか元ネタを知っていないと分かり難いが、これがもう全部傑作。何度も唸った。特に故・高木彬光氏の幻の作品と言われる『甲冑殺人事件』の贋作は大傑作だった。氏の文体模写の巧さにも舌を巻いたが、何よりトリックに仰天。贋作として使うのは勿体無い程のオリジナルトリックだった。その他の14作品も実に良く出来ていて、私はこんなに高水準のパスティーシュを読んだ事が無い。飯城さん、今後は作家一本でやってくれないかな?
    評論の方も鋭い分析だらけだった。『アクロイド殺し』の考察は大いに同感。ただ、個人的に少

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    2018年02月16日
  • 数学者と哲学者の密室――天城一と笠井潔、そして探偵と密室と社会

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    ネタバレ

    ミステリに関する古典の知識があることが前提で書かれているので、それを知っていないとキツイ。分れば面白いと思う。

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    2020年11月22日