ダニエル・カーネマンの作品一覧
「ダニエル・カーネマン」の「ファスト&スロー」「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文(2024/10/2発売分まで)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ダニエル・カーネマン」の「ファスト&スロー」「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文(2024/10/2発売分まで)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ヘブライ大学卒。カリフォルニア大学バークレー校で博士号(心理学)取得。2002年ノーベル経済学賞を受賞。『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』、『ファスト&スロー』など数多くの作品を手がける。
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
タイトルとパラ読みで即買いした一冊。
著者はフランスの心理学者です。
原題は「Psychologie de la Connerie」というもので、「Connerie」とは、愚かなことや愚行という意味ですが、英語にすると、bullshitとか卑俗な四文字単語の表現になるようです。
日本語の単なる「バカ」よりもっとタチの悪い意味のような気も…
ただ、本書で取り上げられるのは、勉強ができない、無知である、IQが平均以下、などということではありません。
なぜ人間はバカなことをしでかしてしまうのか、というのが本書の大きなテーマのようで、その定義や世界は実に奥深いものです。
以前読んだ「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン)や「知性の罠」(デビッド・ロブソン)にも通じるところがあります。
本書では、世界の錚々たる知性が、「バカ」についてあらゆる角度から真面目に考察を加えていきます。
印象に残るキーワードを列記すると、認知バイアス、ヒューリスティック、アンカリング、偶然への期待、錯誤相関、常識の欠如、知性の欠如、ハロー効果、ナルシシズム、フェイクニュース、トートロジーなどなどですが、心理学や脳科学の領域にまで踏み込んでおり、実は読み応えある学術的な書物であったりもします。
自分自身も、本書で示すバカの定義に色々と思い当たるフシがあるのですが、少なくとも自分がバカであることを自覚していれば、愚かな行動や思考を未然に防げそうです。
Posted by ブクログ
あらゆる本で引用されてる古典なのでずっと気になっていて、いざ手に取って読んでみたが、いやはやなんとも素晴らしい。
SNS中毒、スマホゲーム中毒、フェイクニュース、陰謀論、ポピュリズム、トランプ現象など昨今の問題を理解する上で必読と言える。
ビジネス書では研究エビデンスを本文中に盛り込むことが多いが、取ってつけたような形が多く、読みにくいし印象に残りにくい。その点、本書は項それ自体のテーマを裏付ける研究であるし、著者本人が考えて生み出した研究であるから固有のエピソードもあって面白い。
やはり一次情報は強い。
身近な人を思い浮かべると、システム1優位な人もシステム2優位な人も思い浮かぶ。
しかし本書の別の項の例を読むと、今度は同じ人であっても、THEシステム1的なあの人も、あの部分はシステム2的だな、などと思い出されたりする。
となると、単純にAさんはシステム1でばかり考える、といった評価はやはり短絡的だ。誰しもがコンディションや環境条件などによってシステム1と2をコロコロと使い分けていて、ただAさんの目立つ一面が1だったり2だったりして、私が偶然そこを頻繁に、ないし強く印象付けられているだけなのだろう。
プライミングに関する記述は非常に編集工学的だ。
自分の思考は、事前に何らかの形でインプットされた別の情報によって左右される、という事実が、自己という枠が非個体的であることに繋がる。
起きてすぐに耳にしたTVのある音楽フレーズが一日中頭に流れ続けたり、ふと広告から目に入った食べ物が食べたくなってランチ選びに影響したり、夢に見た内容がポジティブなものかネガティブなものかでその日のテンションが変わったり。
絶えず目から耳から肌から伝わってくる情報、更には養老孟司がいうような脳内で情報をグルグル回すことで生まれる情報もある。
こうして自分と他者、自分と世界の境目というのが非常に流動的で、液体同士が混ざり合うような構造をしていることが分かる。
文化資本の差が子供の人生に影響する度合は数値化しにくいが、プライミングの強力さを考えると相当な影響力だろう。
その一方で、平均への回帰の存在もまた良くも悪くも刺激的だ。
変数が少ないものや、直近の未来予測などには相関関係が大きくみられるのに対し、変数が増えるほど関係は薄くなり、運要素の大きい、確率の問題に収束していく。結果、平均へと回帰していくと。
生殖細胞のDNA組み換えの際のランダム性によって平均へ回帰し、身長が高い人同士が交配し続けても巨人にならないように、プライミングによる影響も、社会で求められるスキルの変化や、子どもの素質といった変数によって大いに回帰しうる。
SNSや悪書に触れる機会量が自分を毒していくことへの注意意識と、その逆に「結局そこまで悪いことばかりではない」という安心を同時に得られた一冊だった。
Posted by ブクログ
様々なバカがあちこちに蔓延する現代、そもそもバカとは何なのかを考察している一冊。
「頭が悪い人」がバカなのか、あいつをバカだと思っている私とあなたはバカではないのか…などのバカげた深遠なる探求へ本書が読者を導きます。
天才には限界があるがバカには限界がなく、しかも彼らは増殖しているように見えるほど目立つ性質を持った生き物です。
様々な専門分野からバカを考察した結果では定義も様々となるわけですが、子供=バカなのかという問いには一貫してNOとなります。
思慮不足、経験不足から引き起こされるバカげた結果は“粗相”であり、もたらされる結果がどんなものかわかっていながらバカげた行動を起こしてしまう大人こそがしっかりと成長したバカなのです。
故に知性とバカは無関係であり、猛獣などに襲われた際にアルゴリズム的知性で「逃げるべきか留まるべきか」などと考えるよりも合理的知性で「とにかく逃げろ」と即決するべきで、状況に応じて知性を使い分けられない人間がバカなのだと考えさせられました。
もし自分がバカをやらかしてしまった場合にも触れられており、やはりというか当然というか…謝罪が一番効果的なようです。
しかし、本書は紛れもなく良書です。
バカをただバカにするのではなく、入念な研究と考察により親身になってバカがどのようにバカなのかを解説しています。