【あらすじ】
小説家の森林麻美は自身のブログで「脳腫瘍が進行しているので自分の今抱いている感情が確実なうちに自ら死を選ぼうと思います。私の死体を探してください。」と書き残す。担当編集者の池上沙織はブログを見て麻美の夫の三島正隆を訪れ(2人は不倫関係)、麻美を探すが見当たらない。麻美がいなくなってからも麻美のブログは更新され続け、『白い鳥籠の五羽の鳥たち』という小説が公開されていく。それは麻美が女子高生の時実際に経験したノンフィクション小説で、夏休みの教室で仲良し5人(森林・佐々木・福原・山本・藤田)の女子生徒が毒を飲んで死んだ事件だった。佐々木絵美は父親から性的虐待を受けていて、福原奏は障害のある兄ばかり構われ放置され、山本由樹は認知症の祖母の介護を押し付けられ、藤田友梨香は医者になることを強要されていた。麻美は致死量より少ない睡眠薬で狂言自殺しようと提案し大人達を反省させるつもりだったが、麻美以外の4人はそれぞれ高濃度のお酒、農薬、風邪薬、3倍の睡眠薬を追加でのんで自死し、麻美1人だけ生き残ったのだった。小説家になった麻美は脳腫瘍と診断され自分の人生を振り返り、佐々木絵美の父親信夫に復讐する決意をする。麻美は事件の小説を少しずつブログに載せ、ブログの更新を止められなかった信夫は後に自殺する。その後更新された麻美のブログに書かれた自分へのメッセージを読んだ沙織は文面から夫の三島がブログを部分的に書き換え(三島は自分への遺書を追記した)、さらには麻美を殺したのではないかと気付き、三島に詰め寄るが殺されてしまう。麻美は自分を見下し続けた三島に復讐しようと、自分が殺される予定で財産を使いはたしたり義母を洗脳させたりと計画を練っており、最後、三島の書いた小説を見下し人間性も罵倒することで三島に絞殺されてしまう。
麻美が自殺を仄めかすブログを書いてから1年間たった頃、三島は山中湖の別荘で自殺した。そして文芸編集部編集長の神永進(麻美を大学の創作サークルに勧誘した先輩)の元に麻美からのタイムカプセル郵便が届く。麻美は自分は三島に殺されているだろうと事件の真相を書き、麻美が書いていたサイコガールシリーズの完成させた原稿を信頼できる先輩に託したのだった。麻美は夫と沙織の不倫関係には気付いており、沙織と約束したとおり不倫のことはブログで公にはしなかったが、PCのパスワードを盗みみたことや今後自分の作品には関わらないでほしいことを書いていた。沙織が自分の作品を愛してくれていただけに三島が妻を殺したと沙織は気付くのではないか、と沙織の安否を心配していた麻美だったが、すでに三島によって沙織は殺されていた。
少女4人が死んだ日と麻美が殺された日は共に7/30だった。麻美は本当に脳腫瘍だったのか。集団自殺の失敗を悔いた希死念慮だったのではないかと神永は考えてしまう。
【感想】
内容は重いけど、文章は読みやすくて続きの気になる展開だったので数時間で読めた。
家庭環境による生きづらさを抱えた少女達の描写はリアルで主人公がプライドの高い夫に放つ言葉の羅列は恐怖だった。こういう背景が現実にも起きて事件になっているんだから、本当に恐ろしい世の中。