藤本和子の作品一覧
「藤本和子」の「オリエントの舌」「イリノイ遠景近景」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
細馬宏通さんのポッドキャストで触れられていたことをきっかけに読みました
印象的なのはその訳のありさま。女性たちのたたかいや人生の険しさが淡々とではなく生き生きと描写する日本語を、彼女らの喋る英語に当てはめている感じがする。
特に「〜でしょうが?」という言い方が何度も出てくるけど、多分原文は「isn't it?」とか「don't you?」などの所謂「付加疑問文」という、共感を求める時に使う表現で、たいていは「そうだよね?」というように訳される。「〜でしょうが?」は「そうだよね」に比べて、より話し手の意識が『語りの中にある』感が強い。だからそのように訳すことで、話し手の発話時の表現を切り落とすことなく、我々の意識を語られる物語に集中させることができる。
訳すという行為は、「言葉の本質を変えることなく、その矢印の向きを調整すること」なのかもしれない
集団に属する誰かが、その集団らしさを失って他集団に同化してしまうことは、「生きる」ことにとって大きな問題になるのだ、ということを現代日本に生きる我々は忘れちゃいけない
つくづくアメリカってのは、金さえあればなんでも出来る国だなあ こんなに大きい先進国でこんななの珍しい
他人を自分の思考の種にすぎないものとして扱うんじゃなく、その人の生き方、考え方に貫かれるように他人に接すること、を目指さないといけない 具体的にどうするのか、わからないけど…
Posted by ブクログ
死を身近に感じる度に手にとる作品。
通夜、葬儀に続いて故人の家に空き巣が入り、寝る場所もなく近所の銭湯にある大広間のハンモックで1夜を過ごした。そこで夜通し読んだ思い出深い1冊。
私たちが住む現実世界と似てはいても何か決定的に違っている世界、穏やかな憂鬱に包まれたiDEATH。
そこに属す全てのものが死の沈黙、平穏に何となく惹かれているような雰囲気で魅力的。
死者たちは永遠の明るさの中にいる。
足をかけていた枝から足をはずした。
そのあとの彼女は、空気の上にひとりで立っていた。
こんな表現があるんだと思った。音もなく静かで美しいと思えてしまう。