作品一覧

  • はじまりのバタイユ

    はじまりのバタイユ

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文学、哲学、宗教学、経済、人類学など多岐にわたる分野で決定的な足跡を残した20世紀の思想家ジョルジュ・バタイユ。その思想の中核に位置する贈与と共同体の主題に焦点を当て、現代における自然と人間の関係、財産、所有、家族などの問題を論じ、さらにはアナキズムの倫理と衝突させることで、来るべきバタイユ像を描き出す。第一線の論者たちによって結晶化した、刺激的な手引き書。
  • 彼女を見守る

    彼女を見守る

    小説・文芸

    4.4
    1巻3,630円 (税込)
    第一次大戦後、イタリア北西部にある村。貧しい家に生まれた、石工の弟子、ミモ。村の城館に住む侯爵家の娘でありながら自立を望むヴィオラ。出会うはずのなかった二人は惹かれ合い、時に反発し、両大戦間の激動の時代を生き抜いていく。 ゴンクール賞&日本の学生が選ぶゴンクール賞受賞作!
  • フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路

    フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路

    ビジネス・実用

    -
    1巻3,080円 (税込)
    フェルナンド・ペソア(1888-1935)。 〈「わたし」とは確固とした個人であるどころか、無定形な多様体で、自分自身にとっても捉えどころがない。21世紀の今でこそ自然に思われるこの考えを、ペソアははるか以前に先取りしていた。自分とは別人格の〈異名者〉たちを案出し、たったひとりで宇宙全体を体現するようなこの不思議な人物は、どのような人生を送り、何を考えていたのだろうか〉(「あとがき」より) 70もの人格を作り作品を書き分け、没後に2万7500点以上の草稿が発見されたポルトガルの国民詩人ペソア。この20世紀の巨人の生涯と言葉を丹念にたどり、豊富な引用と貴重な図版を合わせて、この稀有な詩人の魅力の全貌に迫る。ペソア入門としても最適な、本邦初、待望の本格評伝!
  • 百歳の哲学者が語る人生のこと

    百歳の哲学者が語る人生のこと

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    100歳の哲学者、人生を語る――戦争のリアル、パンデミック……激動の一世紀を振り返り、歴史と人生の奥深さをシンプルな言葉で綴った、いまを生きるすべての人へ贈るメッセージ。
  • 新編 不穏の書、断章

    新編 不穏の書、断章

    小説・文芸

    4.7
    1巻1,320円 (税込)
    20世紀が秘匿した最後の巨匠とされるポルトガルの作家の書。異なる人格となって書かれた作品群のひとつ「不穏の書」と諸人格による「断章」をおさめる。旧版を大幅に増補改訂。 解説=池澤夏樹
  • シュレーディンガーの猫を追って

    シュレーディンガーの猫を追って

    小説・文芸

    4.3
    1巻3,300円 (税込)
    夜の庭にふいに現れた一匹の猫。壁を抜けて出現と消失を繰り返す猫はパラレル・ワールドを自在に行き来しているのか。愛娘を失った痛みに対峙しつつ、量子力学と文学との接点を紡ぐ傑作。
  • 主体性とは何か?

    主体性とは何か?

    ビジネス・実用

    -
    1巻2,310円 (税込)
    実存主義哲学者としてはもちろん「左翼」の精神的支柱として有名な著者による、待望の新刊。サルトルが1961年の12月にローマのグラムシ研究所で行なった講演(「マルクス主義と主体性」)がついに刊行された。フランス語では長らく未刊であったが、講演のみならず、その後の討議録もあわせて収録(フレドリック・ジェイムソンによる巻末の解説も秀逸)。サルトルは、1940年代の後半に『存在と無』にもとづいて具体的倫理学を構想したものの、頓挫し、その草稿は『倫理学ノート』の形で残された。一方、1960年に刊行された『弁証法的理性批判』第一巻における歴史や社会に関する基礎的考察を経て、1960年代に入って構想されたのが「第二の倫理学」であり、『主体性とは何か』は、その序論部分に相当するものといえる。マルクス主義においては客観性が重視され、主体性が蔑ろにされがちだが、各人の行為において重要なのは「主体性の問題」であるというのがサルトルの基本的スタンスであり、本書では、仮想敵としてルカーチをとりあげてゆく――。マルクス主義哲学からバタイユやドゥルーズの問題系へとつながる、主体性をめぐる幻の講演録!

ユーザーレビュー

  • 百歳の哲学者が語る人生のこと

    Posted by ブクログ

    フランスの哲学者、社会学者、齢百を数える彼の生きてきた激動の人生から得られる教訓の数々。
    歴史的背景がヨーロッパにあることも難しく、改めて歴史も学びたいと感じつつ、彼が説く人とは?人生とは?社会とは?歴史とは?
    常に予想できないことが続いていき、幸が不幸に、不幸が幸に転じることが当たり前と再認識する。
    「あらゆることに答える教義よりも、あらゆることに問いを立てる複雑性を選ぶこと。」
    10年後、20年後と再読を繰り返してみたい。

    0
    2026年07月07日
  • 新編 不穏の書、断章

    Posted by ブクログ

    (中略)
     寄稿者たちの芸術は、ごく少数の読者に宛てられたものだと述べると、たぶん自分はその少数のひとりなのだろう、と彼は答えた。それに、この芸術はほんとうに新しいものはなにも自分にはもたらさなかった、と付け加えて、遠慮がちにさらに言った。
     なにもすることがなく、どこも行くところがなく、つきあう友だちもなく、読書にも興味がないので、私は夕べのひとときを、下宿の部屋で書きものをして過ごしているのです、と。

    0
    2026年01月16日
  • シュレーディンガーの猫を追って

    Posted by ブクログ

    作品紹介・あらすじ

    生きていて、かつ死んでいること。
    姿を現す前に、立ち去っていること。
    二つの状態をあわせもつ猫とは、
    言葉の別名だ。

    ある夜、庭の暗闇からふいに現れた一匹の猫。
    壁を抜けて出現と消失を繰り返す猫は、
    パラレル・ワールドを自在に行き来しているのか。
    愛娘を失った痛みに対峙しつつ、量子力学と文学との
    接点を紡ぐ傑作。

    *****

    作品紹介を読むとSFっぽい印象を受けるけれど、SFではないし、いわゆる起承転結のある物語でもない(実際には起承転結はあるのだけれど)。小説と読んでいいのかどうか躊躇するけれど、こういう小説もありだよ、と言われれば「そうだな」と頷ける。だから小説なのだろうけれども、哲学書のようでもあり、詩的でもある。それら全体をオブラートのように量子力学で包み込んだような作品。

    最初の20~30頁を読んだところで「ああ、自分には難解すぎる」と思った。ちっとも面白くないし、なんだか訳の分からない衒学的な戯言を呟かれているようで、本当に居心地が悪かった。
    ところが、なんとか我慢して読み進めているうちに、どんどんこのユニークな世界に惹かれていき、気が付いてみるとまるで中毒患者のようにこの世界にどっぷりと浸かっていた。

    僕は以前、量子力学にちょっと興味を持って何冊か関連本を読んでいたので、量子力学のことはある程度知っていた。「量子力学って何?」と訊かれても、簡単な説明はなんとかできる。でも最終的には「結局量子力学とは全く理解できない世界」ということに落ち着く。

    この「シュレーディンガーの猫を追って」は特に量子力学のことを知らなくても、面白いと感じる方もいると思う。でも量子力学の基本的なことを知っていたほうが何倍も面白く感じられ、そして胸がしめつけられるような感情を抱くことができる。知らないのと知っているのとでは、面白さの感じ方に差が出ると思う。

    シュレーディンガーの猫とは、物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが提案した思考実験のことで、量子力学の「重ね合わせ状態」という概念をマクロの世界に拡張したもの。
    「重ね合わせ状態」とは、ミクロの世界、つまり粒子が複数の状態を同時に持っているように振舞う現象のことで、観測者によって観測されるまで、その粒子がどの状態にあるかは確定されず、すべての可能性が重ね合わせとして存在し、観測によって一つの状態に収束する、という概念のこと。例えば電子のスピンが「上向き」と「下向き」の両方の状態にあり、観測者が観測した時点で「上向き」になることもあれば、「下向き」になることもある、という状態。この「上向き/下向き」という状態が同時に存在するように振舞うという概念を極端に拡張すれば「存在する/存在しない」「生きている/死んでいる」という状態が同時に存在することになる。この「重ね合わせの状態」はミクロの世界で実験的に立証されており、量子コンピュータなどにも応用されている。ちなみに「観測されるまで確定されない」という概念は「コペンハーゲン解釈」といわれている。
    シュレーディンガーは、この「重ね合わせ状態」という概念がマクロの世界にまで適用されると、いかに奇妙な結果になるかを示すために「シュレーディンガーの猫」という思考実験を提案した。
    実験の方法は以下の通り。
    密閉された箱の中に、以下の装置を入れる。
    • 放射性物質(例:ラジウム)
    • 放射線検出器(ガイガーカウンター)
    • ハンマーと青酸ガス入りの瓶
    • 猫
    仕組みは、放射性物質が崩壊すると、検出器が反応し、ハンマーが瓶を割って青酸ガスが箱のなかに放出される。そして猫は死ぬ。
    ただし、放射性物質が崩壊しなければ猫は生きている。
    この時、「重ね合わせの状態」を適用するならば、「放射性物質が崩壊した状態」と「崩壊していない状態」が同時に発生していることになり、観測者が箱を開けるまで「猫が生きている状態」と「猫が死んでいる状態」の両方が同時に存在することになる。
    シュレーディンガーは、「量子力学の重ね合わせ状態をマクロな世界にそのまま適用すると、いかに奇妙で直感に反する結果になるか」を示すためにこの思考実験を提案した。これは、当時主流だったコペンハーゲン解釈に対する批判的な問いかけでもあり、「観測されるまで状態が確定しない」という考え方が、猫の生死のような明確な事象にまで及ぶことの不合理さを浮き彫りにするためのものであった。

    長々と量子力学の概説を述べてきたけれど、乱暴にまとめてしまえば「存在する/存在しない」「生きている/死んでいる」といった複数の可能性が、観測されるまで同時に重ね合わせとして存在している、というのが量子力学の基本的な考え方(コペンハーゲン解釈)になる。
    この前提を念頭に置いて本書を読むと、物語の曖昧さや詩的な飛躍が、単なる幻想ではなく、量子世界のリアリティとして立ち上がってくる。面白さも、胸に迫る感情も、何倍にも増すように思う。

    これらの量子力学の概念を踏まえた上で僕が最も胸を打たれたのは、著者が小説を書こうとした動機と量子力学、特にコペンハーゲン解釈がマッチしていると思われる場面。彼、フィリップ・フォレストが小説を書こうとした主な動機は、4歳で亡くなった娘との喪失体験を言語化し、向き合うためだった。フォレストは愛娘を小児がんで亡くしている。そのことは本書にも何回か登場する。そして本書の中には、そんな愛娘の遺品が収納されている多くの段ボール箱が登場する。本書の主人公(フィリップ本人だと思われる)はその箱を開けることができない。中を見るのが辛い、ということもあるのだろうけれど、コペンハーゲン解釈にこじつければ、箱を開けるまでは愛娘は「生きている」状態と「死んでいる」状態が「重ね合わせの状態」として存在している。開けてしまえば、つまり観測してしまえばどちらかに決定してしまう。これはミクロの考え方。ところがシュレーディンガーが疑問を呈し、「シュレーディンガーの猫」の思考実験で提案した概念によれば、マクロの世界ではこの「コペンハーゲン解釈」は不合理な概念になる。つまり愛娘は既に死んでいる、という事実に突き当たる。箱を開ける作業というのはその事実にきちんと向き合うことに相違ない。だから主人公は箱を開けること(ミクロで言えば生死を決定する、マクロで言えば死を事実として認める)ができないでいる。僕はそう解釈した。そしてそう解釈することは、とても深いところまで心情を揺さぶる悲しみに満ちることになった。

    いずれにしても、本書はとても実験的で(量子力学と文学の融合)、ユニークで感情を大きく揺さぶられる作品だった。難解と思われる方もいるかもしれないし(量子力学そのものが難解)、的を射ていないフワフワした中途半端な印象を持たれる方もいるかもしれない。かなり好き嫌いがはっきりする作品のように思えるが、それだけ独自性の強い作品だと思う。今のところ、今年(2025年)読んだ本の中で最も印象に残った一冊。

    0
    2025年11月09日
  • 彼女を見守る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ゴンクール賞。イタリアの20世紀前半激動史を背景に、軟骨無形成症の境遇で彫刻家への道を目指す主人公とパトロン家の少女とが、お互いの人生で交差する時間を大切に描いた作品。ミケランジェロ作品と並び賞されるピエタを頂点とする彫刻家パートがとても面白かった。彼女との接点での一番素敵なクライマックスは、フラ・アンジェリコの受胎告知を見せるシーン。2人の奇特な人生が絡み合う頂点の輝きを感じ取れた。もう一つの頂点は、彫刻家としての矜持を果たした授賞式のシーン。全体に反ファシズムへのメッセージが強く込められている佳品。

    0
    2025年10月22日
  • 彼女を見守る

    Posted by ブクログ

    主人公が彫ったピエタは素晴らしい。素晴らしいのだが、何故か皆、少し違和感を覚える。最後に解き明かされるその秘密。そこに至る数多くの伏線。作者のJ.B.アンドレアの構成の才能は素晴らしい。
    近代イタリアの歴史や事件を織り交ぜながら、文化遺産の解説までしてくれるので現地を旅しているようだ。権力者と貴族たちの謀略に抗う貧しき人々。目まぐるしい展開は、豊かに描写されている登場人物たちの動画のよう。読者は彼らのうちの誰かのファンにさせられてしまう。エンタメ&教養小説とも言えるが、ジェンダー問題など、現代的価値観もしっかり反映されている。

    翻訳は素晴らしく、とても読みやすい。
    惜しいのはタイトルが原題の直訳であること。もう一捻り欲しいところ。

    0
    2025年08月15日

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