作品一覧

  • 森の生活 (ウォールデン) 上
    3.9
    1~2巻1,001~1,100円 (税込)
    ソロー(一八一七―六二)は、ウォールデン湖畔の森の中に自らの手で小屋を建て、自給自足の生活を始めた。湖水と森の四季の佇まい、動植物の生態、読書と思索――自然と共に生きた著者の生活記録であると同時に「どう生きるべきか」という根本問題を探求した最も今日的・普遍的なアメリカ文学の古典。湖とその周辺の写真多数を収める新訳。

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ユーザーレビュー

  • 森の生活 (ウォールデン) 下

    Posted by ブクログ

    下巻は、「森の生活」というタイトルにふさわしく、森での日々の自然観察に多くのページが費やされ、その中で生まれてくる思索が見事に織り込まれていきます。上巻同様、時代も場所も国民性も違う現代日本の読者には、すんなりとは理解しがたい皮肉や暗喩や例え話がちりばめられているので、読みやすいとは言えませんが、じっくりと取り組んでみると、深い味わいがあります。ここで語られているような生き方をそのまま実行することは難しいし、その必要もないと思います(ソロー自身、この生活は一時的な、実験的なものでした)。ただ折に触れて読み返すことで、欲に目のかすんだ自分を引き戻すことができる、そんな書です。

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    2025年02月26日
  • 森の生活 (ウォールデン) 下

    Posted by ブクログ

    上巻ですでに深い感銘を受けていましたが、下巻(後半)はさらに感銘を受けました。特に最後の章「むすび」はそこだけでも人生指南書としての価値があります。ソローは悟りをひらいた人、物事の本質を掴んでいる人、仏教的にいうならば、彼岸の智慧を得た賢者と呼ぶにふさわしいでしょう。俗世間の名声や権力、お金は虚飾であり、真の幸福は別の所にある。彼はそれを「実在」と呼んでいますが、2年にわたる森の生活でソローは「実在」についての確信を得るわけです。
    「汝の視力を内部に向けよ。やがてそこには、いまだ発見されざる、千もの領域が見つかるだろう。その世界を経巡り、身近な宇宙地理学の最高権威者となれ」
    「もしひとが、みず

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    2023年05月02日
  • 森の生活 (ウォールデン) 上

    Posted by ブクログ

    いまから170年ほど前の米国マサチューセッツ州における著者の生活記録になります。まず感動したのが当時の写真が多数掲載されていること。ウォールデン湖、その周辺の森だけでなく、近くの町(コンコード)の当時の写真が掲載されていて、なんとものどかな雰囲気を漂わせています。そして著者のソローですが、ハーバード大学を卒業している「詩人博物学者」ということで、淡々と生活を記述するのではなく、ギリシャ神話の登場人物を持ってくるなどファンタジー小説のような味付けをしています。人間にとって本当の豊かさとはなにか、本当に必要なものはなにか、について考えさせられる本です。湖畔の山小屋で夜を明かし、早朝に小鳥の鳴き声や

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    2023年05月02日
  • 森の生活 (ウォールデン) 上

    Posted by ブクログ

    心にオアシスを持つための助けになる本.

    ほとんどの現代人は社会生活を営んでいるが,実は人間に最低限必要なものはほとんどない.食料や寝床があれば十分なはず.というアイデアを,そのまま実践してみた近代の哲学者のウィットに富んだ自然と人間の観察録.

    この本を読むたび,だいたいの悩みはどうでもよくなってくる.どうでも良いことは忘れて,自分にとって大事なことだけに集中すれば良い.「何がどうでもよく,何はどうでもよくないのか」を見極めるため,今なら森に篭もらなくても,この本を読めば助けになる.

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    2020年11月17日
  • 森の生活 (ウォールデン) 上

    Posted by ブクログ

    名著です。何か、『隠遁生活のススメ』みたいな捉え方をされている向きもありますが、ソロー自身が

    『僕が森に行ったのは、思慮深く生き、人生で最も大事なことだけに向き合い、人生が僕に教えようとするものを僕が学びとれるかどうか、また死に臨んだときに、自分が本当に生きたと言えるのかどうかを、確かめるためだった。』

    と、本書で述べており、決して厭世思想ではありません。積極的に生きるための哲学として読まれることをおすすめします。

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    2020年09月13日

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