舘野鴻の作品一覧
「舘野鴻」の「ファーブル昆虫記」「うんこ虫を追え」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「舘野鴻」の「ファーブル昆虫記」「うんこ虫を追え」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
舘野さんは昆虫を中心とした数々の素晴らしい絵本を出されており、もう今更新しいことをしなくても十分な地位を得られていると思うのだが、本気の生物系絵本作家は、飽くなき探究を行うものだということがよくわかった。
もう、初っ端から「これは素晴らしい本に間違いない!」という確信を持った。
子ども向けに、この生き物はこうですよ、みたいな本は多数あり、どれを見てもそんなに悪いものではないのだが、これを読んで、わかった。本当に素晴らしい本からは、著者のほとんどクレイジーとも言えるほどの熱意と探究心が伝わってくるのだ。
これはこうですよ、なんて断言しない。自分で問いをたて、悪戦苦闘して、もしかしてこうなんじゃないかという答えにたどりつけそうになる。しかし、覆される。これこそ研究者の姿勢。この本では、それが学べる。
上っ面だけの知識を披露するのではない。自ら泥とうんこにまみれてたどりつくのだ、生き物の(人間から見れば)尊いとしか言えない生き方に。
著者の師、熊田千佳慕や埴沙萌、甲斐信枝のような子どもの科学絵本に心血を注いだ先人たちの後に続く人がいたのだと熱い感動を覚えた。
小学生くらいで昆虫が好きな子どもには、是非とも出会って欲しい一冊。
Posted by ブクログ
『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』などの絵本で知られる、舘野鴻による初の童話集。
これまでの絵本での抑えに抑えた筆致と比べると、はるかに饒舌ながら、それでも硬質さを失わない文体が心地良い。
生き物であることをやめようとした蛙の伝説から始まり、無常の中で皆が滅んでいく蜻蛉たちのレース、戦争から逃れられない筬虫の部族の話など、穏やかな語り口の中に苦みを感じる話が多い。しかし、本書の最後に収録された『かえるのヨズ』で、今際の際の山椒魚が言ったように「こうやって這って歩いてると、ほら、おまえみたいなやつに会うだろ? それでいいってわかったのさ。何かに、だれかに出会う。それだけでもう十分。」ということになるのかもしれない。たとえそれが相手を食う、相手に食われるという出会いであっても、(または本書で一番甘くロマンチックなジャコウアゲハ同士の出逢いであっても、)生命が繋がり続けることの鮮やかさを、ひたすらに本書は描いているのだと思う。
ファンタジーとして書かれた本書でも、作者がこれまでは絵本で、昆虫たちのリアルな生態を通して描いてきた思想が一貫して表現されていて、その力強さを感じさせられる。