【感想・ネタバレ】ソロ沼のものがたりのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』などの絵本で知られる、舘野鴻による初の童話集。
これまでの絵本での抑えに抑えた筆致と比べると、はるかに饒舌ながら、それでも硬質さを失わない文体が心地良い。

生き物であることをやめようとした蛙の伝説から始まり、無常の中で皆が滅んでいく蜻蛉たちのレース、戦争から逃れられない筬虫の部族の話など、穏やかな語り口の中に苦みを感じる話が多い。しかし、本書の最後に収録された『かえるのヨズ』で、今際の際の山椒魚が言ったように「こうやって這って歩いてると、ほら、おまえみたいなやつに会うだろ? それでいいってわかったのさ。何かに、だれかに出会う。それだけでもう十分。」ということになるのかもしれない。たとえそれが相手を食う、相手に食われるという出会いであっても、(または本書で一番甘くロマンチックなジャコウアゲハ同士の出逢いであっても、)生命が繋がり続けることの鮮やかさを、ひたすらに本書は描いているのだと思う。
ファンタジーとして書かれた本書でも、作者がこれまでは絵本で、昆虫たちのリアルな生態を通して描いてきた思想が一貫して表現されていて、その力強さを感じさせられる。

0
2023年09月06日

Posted by ブクログ

なんて美しい作品なんだろう。
内容ももちろんだが、紙のあたたかさ、植物が丁寧に描かれた優しい色合いの挿絵と、文字の配置。すべてが考えられている。
何百年と続く自然の営み。生きて子孫を残し、いずれ死ぬ一連の流れ。虫や鳥などの思いで、伝えられる言葉が深い。

何度も読み返したくなる文章。
2回目は自然と、生き物の配置図を描きながら味わった。

人間も古来からの生き方として、自然の中にいるのが、一番落ち着く。

だから、この作品は良い。

0
2022年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おさむし戦争のロミオとジュリエット、ヨズの旅、オケラ先生の卒業式。絵がきれい。ひょいと梨木香歩を思い出したのはなんでだろう。

0
2022年07月23日

「児童書」ランキング