作品一覧

  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

    新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,100円 (税込)
    日本の社会運動に身を捧げた人々の夢と失敗、そのジレンマを描く! 荒畑寒村、山川均、大杉栄、丸山眞男等、思想史を代表する知識人が、マルクス、レーニン等の影響下、どのように社会活動を議論したのか。(講談社現代新書)
  • MMT現代貨幣理論入門

    MMT現代貨幣理論入門

    ビジネス・実用

    3.6
    1巻3,740円 (税込)
    第一人者による「バイブル」、待望の邦訳! アメリカで大論争、国会でも議論白熱。 いち早く日本に紹介した中野剛志氏と、「反緊縮の旗手」松尾匡氏によるダブル解説。 貨幣観を一新! MMTは、イデオロギーでもなく、願望でもなく、現実なのである。 【MMT(現代貨幣理論)の特徴】 ●日本や米国のように「通貨主権」を有する政府は、自国通貨建てで支出する能力に制約はなく、デフォルトを強いられるリスクもない。財政赤字や国債残高を気にするのは無意味である。 ●政府にとって、税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。政府が先に通貨を支出しない限り、民間部門は税金を納めることも、国債を購入することも論理的に不可能である。税金は所得、国債は金利にはたらきかけ、経済を適正水準に調整するための政策手段である。 ●政府は「最後の雇い手」として、希望する人々全員に、一定以上の賃金水準で就業する機会を約束することができる。この「就業保証プログラム」は、「完全雇用と物価安定」という公共目的に資する、強力な経済安定装置である。
  • 近代の復権 : マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション

    近代の復権 : マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マルクスの全体系が「疎外論」はじめ極少数の図式から構成されていることを明らかにし、そこから、近年の世界的市場化がマルクスの展望の百年ぶりの復活を意味するという、左翼的常識をくつがえす世界像を導く。そして現代における協同的代案の道を根拠づける。
  • 黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層

    黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻2,376円 (税込)
    この終わりなき悪夢の物語は2015年、債務の束縛に抵抗して立ち上がったギリシャの人びとの、半年間の反乱の実録である。おぞましく行使される欧州の権力。だが希望は傷つくことなく残っている。これは普遍的な、そしてまさに日本にとっての物語なのだ。
  • 経済の論点がこれ1冊でわかる 教養のための経済学 超ブックガイド88

    経済の論点がこれ1冊でわかる 教養のための経済学 超ブックガイド88

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    文系学生から、ビジネスマンまで。 ケーザイを学ぶ入口はここだ‼ リーダブルな必読入門書リストと共に、その概要を専門家たちがダイジェストで解説。 初心者のための至れり尽くせり、究極のアンチョコ本、ここに登場! 身近な12のトピックから、経済学の考え方が学べる! 「景気」「格差・貧困」「雇用・教育」「国際経済」「社会保障」「地域経済」「人口減少・高齢化」「環境問題」「先進技術」「統計」「経済学史」「経済理論」 【目次】 ・座談会  経済学入門、最初の一歩  飯田泰之×井上智洋×松尾匡 ・必読書88/ジャンル別要点まとめ  「景気」の読み方  飯田泰之  働く人のための「雇用」の経済学  北條雅一  「貧困・格差」問題への道案内  小田巻友子  「国際経済」から世界の趨勢を見る  佐藤綾野  経済学からみた「社会保障」の必要性  中田大悟  「人口減少・高齢化」問題の経済予想図  増田幹人  小さくても魅力あふれる「地域経済」の育て方  奥山雅之  「環境と経済」を考えるためのレッスン  朴勝俊  「先端技術と未来の経済」を予測する  井上智洋  「データ・統計」を用いて経済を把握する 矢野浩一  なぜ「経済学史」を学ぶのか  松尾匡  スタンダードな「経済理論」を学ぶ  飯田泰之
  • ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた

    ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻950円 (税込)
    公共事業や福祉のバラマキは巨額の財政赤字を生み出したと言われ、それに代わる新自由主義政策もグローバル資本主義の犠牲者を増やし続けている。右派も左派も行き詰まったいま、日本経済が進むべき道はどこにあるのか。本書では、ケインズやハイエクを筆頭に、経済学の巨人たちの論に共通する「ある視点」を提示する。それはすなわち「リスク・決定・責任の一致が必要だ」という示唆であり、「予想が経済を動かす」という真実である。気鋭の理論経済学者が1970年代から現在に及ぶ経済論争の潮流と矛盾をとき明かす、知的興奮にあふれた1冊!
  • これからのマルクス経済学入門

    これからのマルクス経済学入門

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,606円 (税込)
    搾取と貧困が深刻化する今、「階級」「疎外」「労働価値説」「唯物史観」といった、マルクス経済学の基礎概念を再検討し、現代的な意義を明らかにする、画期的な書!
  • コロナショック・ドクトリン

    コロナショック・ドクトリン

    小説・文芸

    -
    1巻1,980円 (税込)
    新型コロナウイルスの感染が爆発するなかで、安倍・菅政権が打ち出し、岸田政権に引き継がれた経済政策。それは、コロナ禍を利用し、貧しい人々や中小企業を切り捨てる、新自由主義の攻勢を宣言する内容のものだった。気鋭の経済学者がその実像を探る。
  • 左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

    左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

    小説・文芸

    -
    1巻1,100円 (税込)
    コロナ禍が日本社会に与えた影響は計り知れない。特に経済では消費税増税と重なり大不況となっている。日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れて良いと思っている現実。「高プロ」も愛国教育も、支配エリートの新「帝国主義」への布石だと喝破する松尾匡氏は日本のマルクス経済学者の白眉である。 松尾氏はこの悲惨な現実を読み解くにはマルクスの「疎外論」が重要だと説く。 本書では「生きているだけで価値がある」生身の具体的人間を主人公にして、制度や決まり事などの社会的なことが、その主人公からコントロールできなくなって一人歩きする事態を批判する。 ツールであったはずの制度や決まり事などの社会的なことが自己目的化し、生身の個人を手段化して踏みにじる、こうした事態を「疎外」と呼んで批判したのがマルクスの「疎外論」というわけです。 「支配階級」や「搾取」も「疎外論」から読み直すことを従来提唱してきた松尾氏は、生身の個々人のもとに経済のコントロールを取り戻すことが大切であり、社会全体で生身の個々人みんなの事情にマッチするように、社会全体の設備投資もコントロールする必要があると述べる。 まさにブレグジットの「コントロールを取り戻せ」です。 本書は、この考えのもと、レフト1・0、レフト2・0の思想を乗り越えレフト3・0の経済学の真髄を示す全く新しい社会変革の書である。
  • 資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~

    資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻1,012円 (税込)
    豊かな現代に生きるはずの私たちが将来への不安や焦りを感じている根源的な理由の一つは、人生そのものが大きな負債(借り)を返すために成り立っているからである、と言うことができる。(中略)私たちはこの本で、違う新たなストーリーを提示したい。(中略)つまり、ネガティブからポジティブへの反転である。(プロローグより)いま、私たちが発明すべき「新しいストーリー」とは? 経済学の論客2人と不安定ワーカーが問う。
  • 自由のジレンマを解く グローバル時代に守るべき価値とは何か

    自由のジレンマを解く

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻880円 (税込)
    人間関係が固定的で、個人の責任とは集団の中で与えられた役割を果たすこととみなされる「武士道型」の社会から、グローバル化によって人間関係が流動的な「商人道」型の社会に移行している現代においては、個人の責任は自らの自由な選択に対して課されるようになる。このような時代にフィットすると思われる思想はリバタリアンの自由至上主義であるが、リバタリアンは福祉政策にも景気対策にも公金を使わないことを主張することが多い。これらの政策はいかにして正当化されるのか。また、様々な文化的背景を持つ個々人の「自由」の対立は解決できるのか。かつてマルクスは、文化の相違をもたらす、人間のさまざまな「考え方」による抑圧を批判し、単純労働者による団結・調整により自由は現出すると考えたが、労働の異質化が進んだ現代ではその展望は実現しない。しかし、アマルティア・センの提案が大きなヒントになる――。俊英の理論経済学者が、現代の新たな自由論を構築する。
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

    そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ! 日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった! アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。 左派の最優先課題は「経済」である。 「誰もがきちんと経済について語ることができるようにするということは、善き社会の必須条件であり、真のデモクラシーの前提条件だ」 欧州の左派がいまこの前提条件を確立するために動いているのは、経世済民という政治のベーシックに戻り、豊かだったはずの時代の分け前に預かれなかった人々と共に立つことが、トランプや極右政党台頭の時代に対する左派からのたった一つの有効なアンサーであると確信するからだ。  ならば経済のデモクラシー度が欧州国と比べても非常に低い日本には、こうした左派の「気づき」がより切実に必要なはずだ。(ブレイディみかこ/本書より) 【目次】 第1章:下部構造を忘れた左翼 第2章:「古くて新しい」お金と階級の話 補論1:来るべきレフト3.0に向けて 第3章:左と右からの反緊縮の波 第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ! 補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ
  • 対話でわかる痛快明解 経済学史

    対話でわかる痛快明解 経済学史

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    「そうだ、『搾取』ならマルクス自身から、『一般均衡論』ならワルラス本人から、『流動性選好』ならケインズその人から聞けばいいではないか!!」 主人公は、数学のできない経済学部の女子大生。そのゼミの指導教官はひた すらバブルを懐かしむ女性教授。そこに、なぞの占い師のじいさんが登場し、 続々と大物の経済学者を降霊させることにーー。著名経済学者本人の口から明かされる自説の核心。勘所だけを、手早く、明解に、深くわかりたいあなたへ。 第1章 アダム・スミス 第2章 リカード 第3章 マルクス 第4章 ジェボンズ、メンガー、ワルラス 第5章 マーシャル 第6章 ケインズ 第7章 ヒックスからサミュエルソンへ 第8章 フリードマンと反ケインズ革命 終章 そして、経済学の現在へ

ユーザーレビュー

  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

    Posted by ブクログ

    この本で語られていることの重大さに、今更ながらに気づく、というか、刊行当時に読んでおくべきだったと強く思った。今現在も尚、不況にあえぐ日本にとって、どこか変換点だったのかがよく分かるし、左派に対して何が足りないのか、もっと言えば民主党政権時代に、何が圧倒的に欠如していたのかがよく理解できた。刊行から年数は経っているし、世界情勢は今まさに大きく変動している中、今の日本に必要な経済に対する考え方が詰まっている。左派はあまりに経済に対して無頓着であったかを自らを含めて痛感させられた。

    0
    2024年10月13日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

    Posted by ブクログ

    (2018/7/11)
    ブレイディみかこ
    松尾匡
    北田暁大

    左派による反緊縮政策を!がテーマの本。
    保守、リベラル、右派、左派という言葉の定義が、
    今の政治家の振る舞いの中で意味不明になりつつある。

    保守本流を名乗る安倍政権の金融緩和政策が実はリベラル的だったりしているのがその証左。
    と言って安倍さんにリベラルな気持ちなど全くなく、
    ただ、国民受けする政策をして支持率を上げて、悲願の憲法改正がしたいだけ。
    自民党のその他の有力者は皆財政均衡、消費税増税派。
    田中角栄時代の自民党はもうないのだ。

    だからこそこの本は問う。
    今こそ左派は反緊縮政策を掲げ、現政権を倒せと。

    政治は経済だ。
    私は、今は諸悪の根源のように語られることの多いミルトン・フリードマンの理論の信仰者。
    彼の理論を「新自由主義」とすることには違和感はある。
    大きな政府、国民から税金を集め恣意的に使う、というやり方に反対、
    というのは正論だと思う。今でも思う。
    そんな大金の投資先を、正しい判断が出来る人なんていないだろうと。

    その点、消費税増税はある意味大きな政府につながるわけで、
    フリードマンがたたかれるのもそういうことか?

    ベーシックインカムはありだと思う。
    よくよく考えれば、民主党の子供手当は、ある意味子供へのベーシックインカムだったのではないか。
    これを国民全員に広げる。
    財源は?
    日銀が刷る。
    それで行けるのではないか。
    ハイパーインフレが怖い?
    貯金している人が怖いだけ。持たない人は怖くない。

    そもそも今の財政不均衡とやらも、実は不均衡ではないのだ。
    金持ちの貯金が銀行を経由して国債となって日銀に買われているのだから。
    貯金という生きていないお金が借金の形を取って生きるのだ。

    そもそも経済でこれが正しい、なんてことはない。
    昔は金本位制が正だった。今誰もそんなこと言わない。
    今や国の保証さえいらない、という仮想通貨が出回っている。
    要はものが、役務が動けばいいのだ。

    老人が老後の心配にとっておいている金を市場にださせればいい、と「心理経済学」で
    大前研一氏が言っていたが、まさにそうだ。
    お金、なんてなんでもないのだ。

    皆が人の役に立てば、世の中は回る。
    そういう世の中を作らなきゃ。

    老人が自分の財産にしがみついて若者を犠牲にする社会に未来はない。
    老後の備えの財産が1800兆?国民一人当たり1500万?
    信じられん。


    第1章:下部構造を忘れた左翼
    第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
    補論1:来るべきレフト3.0に向けて
    第3章:左と右からの反緊縮の波
    第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
    補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ

    0
    2024年06月27日
  • 黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層

    Posted by ブクログ

    財政関係の本にしては文章が小説のようでとても読みやすかったのですが、馴染みのない固有名詞が乱発するので、いちいち調べたり確認をしたりしながらの読書となり、かなり時間がかかりました。
    政治における新興勢力が様々な工作により分断させられていく様子に無力感を覚えますが、これを一つのケーススタディとして活かすこともできるのではないかとも思いました。

    0
    2024年01月22日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

    Posted by ブクログ

    「左派」論者3名による経済政策論かつリベラル批判の対談書。日本のリベラル派を、経済成長政策を疎かにしてきたと批判し、文化的・制度的な面での公正性を重んじるだけでなく、「明日どうやって飯を食っていくか」に直結する経済政策もちゃんと考えろと指摘している。この本を読むことで、リベラルを自称し人権を重視し・・・と考えている人が、自分の視野の狭さに気付かされるかもしれない。僕はそうだった。

    対談の著者は三名。①『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で有名なイギリス在住の文筆家、ブレイディみかこ。②マルクス経済学を専門にする立命館大学の経済学教授、松尾匡。③理論社会学でメディア史を専門にする東大大学院教授、北田暁大。戦後史、経済理論史、時事問題(ブレグジット、ギリシャ危機など)を幅広く取り上げつつ丁寧に説明しており、我々はどこからきて、今どこにいるのか、そして今後どこへゆくのかの文脈について、整理することができる。面白い。

    また、この本を読んで感じたのは、経済政策を評価(立案・投票などすべて)するとき、私たちはどんな社会(国)作りがしたいのかをそもそも考える必要があるということ。
    税金の使い道についても、税の累進性の政策の是非についても、結局何がしたいのかの目的に紐づけて、メリデメを評価する必要がある。
    ついては、日本にそういった明確なビジョンがあるだろうかと思うと、色んな政治家がビジョンを出していることにようやく気づく。また様々な政策研究会議においてビジョンらしきものが提示されている。
    「株式会社ニッポン」があるとしたら、世界市場でどんなポジションで、どういうミッション・ビジョン・バリューを持ってやっていこうとしているのか、もっと明確に理解していきたい、、、

    本書が重要だと思えるのは、現実主義的な語り口だからだ。ライツ・トーク(rights talk)と呼ばれる、人権をベースとするリベラリズムの考え方(とくに、rights as a trump *人権の切り札性)の理想主義的な部分を認め、それだけで物事を判断しきれない、また政策として不十分な部分を解消するために、適切な経済成長や、適切な財政出動を推奨しているからだ。

    一方で政策論はそれとして、その政策を実現するためには民意を動かしていく必要があるが、その民意が分断されている(=ソーシャルアパルトヘイトの)現状で、どう人々が交わっていくかについては、この本のスコープではカバーされていない。「リベラル」な自分が本当のところ「左派」になれないのは、この分断を作っている一員だからだと感じるが、これを乗り越えるために何ができるのか、強い課題意識を持った。

    0
    2022年04月03日
  • 黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層

    Posted by ブクログ

    「黒い匣(はこ)」とは、管理者側もその全容を理解できないほど巨大で多くの人に影響を多大に与える重要なシステムのこと。

    金融工学者が複雑化し続けるデリバティブを隅々まで把握できないことや、グローバル銀行、グローバル企業のCEOが自身の所属組織の全容と影響力を把握しきれないなどが”「黒い匣」と権力者の関係”にあたる。

    「陰謀論」では「黒い匣」の中で権力者らが「お主も悪よのぉ」と不敵な笑みを浮かべながら公共善と弱者搾取のための悪巧みをしていると語られがちだが、政府関係者やIMF高級官僚たち、グローバル企業の幹部たちの多くは職務に真面目に取り組んでいるし、結果的に公共善を毀損し弱者搾取になっていたとしても自分たちがそれに加担しているという自覚がないのが現実だ。日本人の多くがペットボトル飲料を飲んで捨てることが中国やマレーシアにプラゴミの山を生んで環境破壊に拍車をかけているのを知らないのと同様だ。

    ただ、「黒い匣」の中の人々は、インサイダーの一員である自覚はある。例えば政治家から偏向記事を依頼されたジャーナリストであれば、その仕事を拒否すればその政治家とのパイプが切れて「黒い匣」から追い出されてしまうことを知っている。こうして「踏み絵」や「毒まんじゅう」などでインサイダーかアウトサイダーかを常にテストされ、インサイダーとして認められる術も心得ている。一度アウトサイダーとして追い出されると、裏切り者としてインサイダーからの総攻撃のリスクにさらされることも知っている。

    本書は、2013年のギリシャ金融危機の時に財務大臣を務めたヤニス・バルファキスが、インサイダー側のEUやIMF、欧州中央銀行、独仏政府を相手に、ギリシャ国民を守るためにアウトサイダー側に立って戦い抜いた回顧録だ。

    一方こういう告発に対して、インサイダー側からはヤニス・バルファキス個人やギリシャの怠惰な国民性、当時の政権へのスキャンダラスな叩き記事で感情論に訴えて、彼らは信用に足りない、との印象操作が怒涛のごとく連打されることもコンテンツ消費者としては留意しておきたい。つまり、政治に関係のないスキャンダルや証明できない情緒的な叩き記事などで騒がれている政治家は、インサイダー側から総攻撃を受けるほど「仕事をしている(既得権益と戦っている)」というシグナルなのである。

    1
    2021年09月12日

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