萬田緑平の作品一覧
「萬田緑平」の「棺桶まで歩こう」「自宅で迎える本当に幸せな最期のとき 在宅緩和ケア医が看取った「ハッピーエンド」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
歩くスピードや歩幅で、その人の余命はほぼわかる。スタスタと歩ける人は、おおむね10年以上生きられるでしょう。イスから腕の力を使わずに立ち上がれる方なら、余命1年以上。立ち上がれない方は余命半年以内。ちょこちょことしか歩けない人は、余命数カ月、歩けない人は余命1カ月以内、というところです。
著者が見た患者の中には、体重30キロでもスタスタ歩いてた人がいた。ほとんど食べられず、栄養ドリンクを1日500cc飲むくらいで半年後、さらに25キロくらいまで痩せましたが、歩けていた。
歩くために必要な力は、実は「根性」と「気力」です。「がんばれる」ということは気力があること、つまり脳が若いということ。
「心がではなく、医学的に、科学的に『疲れる』とは、寝転びたい。立っていられない、自分の体をささえていられない状況。すなわち体幹の持久力が限界にきた状態です。30分間、背筋を伸ばして座っていられる人は、30分歩けます。3分しか背筋を伸ばして座っていられない人は、3分しか歩けない。
「食べられないから歩けない」と嘆く人が多いけれど、点滴で栄養を入れているから永久に歩けるわけではない。食事というのは栄養をとるためであるのと同時に、楽しむものでもあります。「楽しむ」のであれば、食べたいものを食べて吐いてもいい。タイヤがパンクしているのに、または、ガソリンをエンジンに送るパイプが詰まっているのに、いくらガソリンを入れても走りません。自動車ならその道理がわかるのに、対人間になると、「栄養、栄養」が始まる。
呼吸筋が弱ると、胸郭が大きくも小さくもなりにくい、つまり肺活量が下がるため、呼吸が浅くなり、息を吐き出す力が衰えてしまいます。大きく吸って、大きく吐く、それを短時間で一気にするのが咳です。呼吸筋が弱ると、弱い咳しかできなくなり、痰を吐き出すことができません。一般的にはこの状態を「誤嚥性肺炎」と呼びますが、「誤嚥性肺炎」は病気ではなく、死ぬ一歩手前の状態に名前をつけただけ。
もちろんすべてではありませんが、成功した人、裕福な人ほど寂しい亡くなり方をすることが多い気がします。女性で、こうした「成功者タイプ」だと、子どもが大人になっても何かと命令し、孫の育て方にまで口を出すというパターンがあります。子どもにとっては「いいかげん、もう関わらないで」と言いたくなる。高齢になって、子どもから絶縁された母親もたくさん見てきました。
なぜ、延命治療は患者を苦しめることになるのでしょうか。飛行機の例で説明します。そして飛行機がゆっくり燃料を使い切って軽くなって降りて着地するように、人間も食べ物をとらなくなりゆっくり着地、つまり死んでいくのです。それが自然ですし、つらくないのです。でもこういう「着地」は、多くの場合、日本では認められません。飛行機が、徐々に高度が下がってきてしまったとします。すると「危ない、これは燃料が足りないからだ」という理屈で、落下しないようヘリに吊られて、空中給油が始まる。「ヘリー機じゃダメだ。もう1機、もう1機」と、3機、4機、5機もつなげて吊られ、なんとか飛行機の高度を保つ。自分で飛ぶ力がもはやないのに、引っ張り上げられるからとても怖い。ついには翼がもげて墜落。たくさん給油していたので燃料は十分あり、よく燃えます。機体が熱い、苦しいとなって燃えていく。
死期が近づくと、患者は食べられなくなります。食べなくても3週間から1カ月くらい生きる人は多いですし、水も飲まずに3週間生きた患者さんも見たことがあります。もちろんトイレにも行かず、ずっと寝ているだけです。そうやって、穏やかに逝きました。多くの病院の医師は、患者が食べられなくなったら「点滴したほうがいい」と思っています。医師が思っているのですから、一般の人たちもそう言うでしょう。点滴して水分を入れると肺がむくみます。肺がむくむということは呼吸不全の状態になり、咳や表が出てくる。そして呼吸が「ゼロゼロ」してくると、「誤臙性肺炎です」と診断されます。レントゲン上は、肺が白くなります。こうして「誤職性肺炎」と診断された患者の家族には、時々「だったらせめて家で看取りたい」と考える方がいます。そして家に帰ると、8割くらいは肺炎が治ります。なぜなら肺炎ではなく、肺がむくんでいただけだからです。点滴をしなくなるから肺のむくみがなくなり、呼吸が楽になるのです。病院で内視鏡を見て「もう飲み食いはできません」「何か飲ませたら死ぬ」と言われた人でも、家に帰ると意識がよくなり、かなりの確率で飲み食いできるようになります。その後、なんと年単位でよみがえった方もいます。
内容の濃い、奥行きのある本だったと思う。2回読み返した。
Posted by ブクログ
タイトルに「棺桶」と「歩こう」
ウォーキングがメインなのか、死がメインなのかわからず読み始めた。
読み終えて、著者に共感。
抗がん剤で弱って苦しんで死ぬのではなく、
ガンが大きくなっても、ろくに食べられなくなって体重が減っても、
人は歩ける限りは死なない。
歩くために必要なのは筋力ではない。気力だ。
なので、病院で抗がん剤と点滴で死を待つのではなく、
家族に見守られて励まされて、最後まで歩いて、死のう。
乱暴に言えばそういう内容の本。大いに共感する。
病院は生かすのがミッション。転ばれても困る。だから動けなくなる。
栄養は与え続ける。どんどん具合が悪くなる。
そうではなく、最後まで自分で歩いてトイレにも行って、
歩けなくなった時が死ぬとき、でいいではないか、と。
死なせないよりよく生きる、だ。
同感、納得。
前橋の先生だった。
第一章 歩ける人は死なない(病院で大往生はできません;新米外科医には「看取り」はつらすぎました ほか)
第二章 がんばって背筋を伸ばそう(ほめてあげよう、ありがとうと言おう;歩くのに必要なのは食事や栄養ではありません ほか)
第三章 人は病気ではなく、老化して死ぬ(「80歳の壁」を超えるなんて恐ろしい;成功者、金持ちほど寂しく死ぬ? ほか)
第四章 がんと闘うな、はほんとうか?(「心臓マッサージはしない」「胃ろうはしない」など細かく言い残す;「穏やかな死」をじゃまするのは、実は家族が多い ほか)
第五章 一人でも、いや一人のほうが大往生できます(一人暮らしのほうがむしろハッピーに死ねます;「孤独死」ではありません、「孤高死」です ほか)
Posted by ブクログ
人はがんが大きくなって死ぬのではなくて、癌に栄養を吸い取られて、老いて、弱って死ぬ。一番大事な糖を使っているのが、脳と心臓。筋力は、重いダンベルを3回のほおが良い。軽いダンベル100回は持久力をつける。大股てゆっくり、理想は早く歩く。長生きするのは日数の長さではない。いつ死んでも悔いがない生き方。身体にいいことより、心にいいことをした方が長く生きられる。人は病気で死ぬのではなくて、老化で死ぬ。病気は老化の段階に名前を付けているだけ。平均寿命は
女性87.2歳、男性は81.7歳。健康寿命は、女性75.2歳、男性72.2歳。制限のある生活は、女性11.6年、男性8.5年もある。、ビンビンコロリは、ゆくゆくは認知症になる。せん妄とは、入院すると確率が高くなる。分のやからないところに連れて行かれる、怖くて精神がおかしくなる。これは高齢者の入院によるせん妄は認知症の道。がんを治療しなければ、身体は老化して行き、枯れるように死んで行ける。リビングウィルとは、生前の意思。生前遺言書、と訳される。生まれた時は、おめでとう。死ぬ時はありがとう。棺桶に歩いて入る!これが最後まで目一杯生きること。