作品一覧

  • ヤマケイ新書 クマ問題を考える 野生動物生息域拡大期のリテラシー
    4.0
    1巻774円 (税込)
    21世紀日本の重要課題!深刻化する野生動物と人間の遭遇。保護か、捕獲か、駆除か。解決の糸口はあるのか?第一人者による、まったなしの緊急出版! 保護の対象とされている野生動物たち。そのなかでもツキノワグマの存在が、現代の人間にとって深刻な脅威になると、かつて予測できただろうか。今後さらに顕在化する困難な課題として、早くから注視してきた研究者による考察。 はじめに 第1章 平成のシシ荒れ 動き出した動物たち/受け身なクマ/自然変容説から環境適応説へ 第2章 生息域拡大期の現実 1 人喰いグマはいるのか ヒグマとツキノワグマ/肉食するクマ 2 被害の二重構造 2-1 春期 個体間の距離/クマの子殺し行動/行動の同調性/春期の人里出没/繁殖期の出来事/目撃情報の表と裏 2-2 秋期 採食行動の拡散/秋期の人里出没/沈静化する夏 3 むき出しの都市 河川を移動するクマ/痺れる現場/都市という名のフロンティア/人里に依存するクマ 第3章 近世の相克 「シシ荒れ」森の消長と野生動物 1 生きるための闘い 2 旧弘前藩領での出来事 3 動く森の片隅で シシ垣のある風景/近世における鳥獣害対策/村に雇われた猟師/近世から近代へ/山の消長とイノシシの動き/猪鹿害の再発/里山の奥山化 第4章 狩猟の公共性 1 接近する被害現場 ─バリア・リーフ構造の崩壊─ 2 狩猟と農耕 狩猟と駆除、そして個体数調整/狩猟と農耕 3 狩猟の公共性 第5章 クマと向き合う 捕獲と威嚇のメッセージ性/規則性と不規則性/ゾーンディフェンスとオフェンシブなアクション/遭遇しないために あとがき
  • ヤマケイ文庫 新編 越後三面山人記
    4.5
    日本の狩猟文化研究の第一人者、東北芸術工科大学教授兼狩猟文化研究所所長・田口洋美氏の若き日の意欲作、隠れたロングセラーを文庫化。 朝日連峰の山懐、新潟県の三面川(みおもてがわ)中流の深い谷間にあった三面集落。 今は三面ダムの底に沈んだこの山里の狩猟文化・山村習俗を、四季折々の山の民の暮らしを追うかたちで詳細に記録した、著者若き日の意欲作。 第一章 狩りの日の出来事 第二章 降りしきる雪の中で-冬- 第三章 山の鼓動とともに-春- 第四章 むせるような緑に抱かれて-夏- 第五章 時雨れる雲ノ下で-秋- 第六章 山人の自然学 ※農山漁村文化協会刊行の単行本を文庫化しました。

ユーザーレビュー

  • ヤマケイ文庫 新編 越後三面山人記

    Posted by ブクログ

    田口洋美『新編 越後三面山人記 マタギの自然観に習う』ヤマケイ文庫。

    人間が自然界と調和を保ちながら、人間らしく生きるための知恵とヒントがびっしり詰まったルポルタージュ。モノと情報と娯楽に満ち溢れた自分の今の生活に疑問を感じると共に恥ずかしさを覚えた。

    今から32年前にダムの底に沈んでしまった朝日連峰山中の新潟県三面集落の狩猟文化、山村習俗を四季折々の人びとの暮らしを詳細に取材した記録である。

    0
    2017年01月26日
  • ヤマケイ新書 クマ問題を考える 野生動物生息域拡大期のリテラシー

    Posted by ブクログ

    勉強になった

    東北在住でクマがちょくちょく街なかまで出現しているので、タイトルにひかれて手にした本書。

    戦前や高度経済成長期など、時代を遡ってクマと人間の生活圏や農業林業の経済活動、狩猟の実態など、様々なアプローチでクマの活動範囲に迫って参考になった。

    まとめで、都市と山との緩衝帯の設定や熊が街にいる時の人間の対応、また、犬が熊対策に有効など知った。

    0
    2025年04月19日
  • ヤマケイ文庫 新編 越後三面山人記

    Posted by ブクログ

    今はもうダムの底になってしまった集落のくらし。狩猟採集、農耕など山とともに生きる人々の生業を描く。山菜や木の実などを採って加工する暮らしは、都会育ちから見ると、豊かだなぁと一種の憧れを抱いてしまうが私たちが当たり前に消費してるものこそが、当時から見ると豊かさそのものだったのだろう。映画のリトル・フォレスト(韓国版しか観てない)みたいに自然のなかで生きることで取り戻せる感覚はあると思っていて、勿論厳しさもあるから簡単に残そうとか受け継ごうとか言えないけれど、こうした暮らしの丁寧な記録が残っていることに感謝。

    0
    2021年04月03日
  • ヤマケイ新書 クマ問題を考える 野生動物生息域拡大期のリテラシー

    Posted by ブクログ

    田口洋美『クマ問題を考える 野生動物生息域拡大期のリテラシー』ヤマケイ新書。

    クマ問題を通じて、自然環境や人間の生活の多様化、変化などに伴う様々な課題について考えさせられる書籍である。

    近年、野生動物による被害が増加しているが、その中でも特にツキノワグマによる被害が増加している。かつてはっきりとしていたツキノワグマと人間の生活域が混じわりつつある。

    本書の中でも紹介されている2016年に発生した秋田県鹿角市のツキノワグマによる連続人身事故は衝撃的であった。また、近年では人間の生活区域内でクマが相次いで目撃されている。確かにここ数年、身近にクマの存在を感じるようになった。

    自分の暮らす地

    0
    2017年05月27日

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