桜井俊彰の作品一覧
「桜井俊彰」の「消えたイングランド王国」「スコットランド全史 「運命の石」とナショナリズム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
大⭐︎興⭐︎奮!!
正直なところアングロサクソン七王国時代の詳しい事って全くと言っていい程知らなかったが、こんなにも熱く魅力的な時代だったとは!
何と言っても桜井俊彰先生の語りが凄く読み心地が良くて、失礼ながら、まるで居酒屋でビールを酌み交わしつ歴史に詳しい友達の話を聴いている感じのわかりやすさと親しみやすさ。
七王国時代は史料も散逸しているケースが多く未解明な部分も多いのだがそれだけに想像や妄想が入り込む余地があるとも言える、ロマンとパッション溢れる歴史がブリテン島に於いて繰り広げられる。
ちなみに本書の「後編」にあたる書籍『消えたイングランド王国』(9784087208146)が同じく集英社新書より先んじて刊行されている。読みたい。
以下、色々とメモなど。
●七王国最初のキリスト教国王となったケント王・エゼルベルト。非常に厳格だったゲルマン人社会の変容とキリスト教的「許し」の教えの浸透。
●「サトン・フーの船塚」(p77)の歴史的意義。『ベーオウルフ』の世界が実際にあったという証。
●「アイドル川の戦い」(p71)熱い。イーストアングリアの腰抜け?王・エドワルドと獰猛なバーニシア王・エゼルフリッドの戦い。このⅡ章はオチまで面白い。
●「雀の話」(p97)やっぱりゲルマン人社会は厳しかった。心の、魂の拠り所を求めた人々。
●ケルト系キリスト教とカソリックの違い(p131)。修道院と教会。「ケルト系は前頭部を剃り、カソリックは頭頂を剃髪する。」(同上)。そうなのか!
●イングランドの由来。「これはアングル人の国を意味するAngle Landが由来」(p144)。
●Ⅳ章のセント・エドモンド王の話はめちゃくちゃ面白い。これまでのブリテン島内部の抗争から、新勢力・デーン人との戦いへと図式は変わっていく。「大異教徒軍団」(p184)来襲という大事件。喋り出す生首、それを守る灰色狼。うーんファンタジック。
●「モルドンの戦い」(p189)読みたい。ビュルフトノースの勇戦。
●ロリコン親父・エゼルウルフ王(p213)。12歳はすごいな…。
●パンを焦がして怒られるアルフレッド大王(p222)。落ちぶれていたけど急浮上!どこから兵が湧いたのか??
●デーン人の強さは「船という機動力で常に有利な奇襲戦を展開できたから」(p240)。これに対抗してアルフレッド大王は水軍を創設、「英国海軍の創立者」(p230)といわれる。
すっかり桜井先生のファンになりました。
こういう新書を読みたいんだ!
1刷
2024.4.28
Posted by ブクログ
文久三年(1863年)危険を冒して渡英した5人の若き長州藩士たち。近代日本の礎を築いたサムライたちの生涯を描いた感動作。
新書としては珍しく筆者の思い入れが文章に滲み出ており楽しく読めた。筆者は5名の若者のいわば後輩。同じUCL(ロンドン大学)で学んでいる。
長州ファイブ。井上馨、伊藤博文、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三。早々と帰国し維新に間に合い政治の道を進んだ2人と国家のためイギリスに残り技術を身につけ鉄道、造幣、造船で近代国家ニッポンの基礎を作った3人。攘夷に燃える長州藩、正に下関戦争の前日にイギリスに向かう歴史ドラマ。
中公新書でも同じテーマの「明治の技術官僚」という本がある。こちらも読んでみたい。たぶん、「長州ファイブ」の方が読み
やすいだろう。
筆者の主観が多く出てくる点で新書としては異色、良い意味で裏切られました。満足の一冊。