本作は野球が出てくるが、どちらかというと野球によって起こる人間関係にスポットを当てた作品である。
主人公の修二と修二の従弟の空、この二人がメインでいろんな人物が絡むことでドロドロとしたややこしさが出てくる。
リトルリーグ時代に空に対する嫉妬や焦りから裏工作をし試合で投手の座をつかむがそれがばれて
...続きを読む野球をやめてしまう。
高校で再び空に出会うが体の小さい彼を見て彼に対する焦りは感じず、むしろ優越感を感じ、再び野球をやることになる。
体格が劣る空はかつてと同じようなプレーができないだろうと見くびるが空はメキメキと成長していた。
その実力を目の当たりにした修二は結局昔と同じように彼に投手の座を明け渡してしまう上に監督に捕手を命じられてしまう。
投手をやりたい修二は望むポジションに空が入り自分がやりたくないポジションに収まることにかつて感じた劣等感が再び出てくることになる。
やはり野球はあくまできっかけでこの話のキーポイントは自分と相手、そして相手に対する劣等感である。
それをかつては逃げて克服できなかった修二。
ただ空にもなにかしらの事情があるもよう。
読んでいてつらくなってくるような展開が多いが読み進めてしまう。それだけに打ち切りに近い終わり方はとても残念だった。
魅力的なサブキャラも多いのでいつか再開してほしい。