佐野雅昭の作品一覧
「佐野雅昭」の「日本漁業の不都合な真実(新潮新書)」「日本人が知らない漁業の大問題」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
世界全体で進みつつある食料不足は、今後確実に深刻化します。今や食料問題は重大な安全保障問題です。今の日本を攻撃するのにミサイルや戦車は必要ありません。軍事攻撃や領土の侵害といった、仕掛ける側が国際的に孤立しかねない行動を取らずとも、 日本に肥料や種子や飼料を売らなければいいのです。これなら軍事同盟である日米安全保障条約も発動しません。肥料や種子の輸入が止められれば日本の農業は1年と持たずに崩壊し、国民は飢え、日本の社会は内部崩壊するでしょう。軍事的侵略行動より食料貿易における禁輸措置のほうがはるかに実行へのハードルが低いと思われます。
筆者の研究室には毎年、欧州諸国から留学生がやってきます。2024年にはドイツとノルウェーから3名の留学生を受け入れました。ドイツ人留学生はベジタリアンで、「畜肉の消費は環境に良くないから」というのが理由でした。また同時期に逆にドイツに留学した日本人学生もいたのですが、ドイツの大学食堂で肉料理を食べていると冷ややかな視線を浴びることが多く、否応なしにベジタリアンになってしまったといいます。 ドイツの統計では、ベジタリアンやヴィーガンなど環境に配慮して食生活に制限をかけている人が人口の1割以上いるそうです。そこまで行かなくても、畜肉を食べることが環境に負荷をかけるのはすでに常識で、多くの若者が意識して畜肉の消費量を落としているといいます。
同じ畜肉でも、牛肉と豚肉、鶏肉では地球環境への負荷がかなり違います。国立研究開発法人である農研機構の調査によれば、牛肉の生産時に排出される温室効果ガスは、 同じ重量の豚肉の4倍、鶏肉の10倍以上です。焼き肉を月一回我慢してその代わりに焼き鳥を食べるだけでも地球温暖化対策に貢献できるのです。これなら負担感もなく、簡単で効果のある取り組みだと思います。