作品一覧

  • サーキュラーエコノミーの地政学

    サーキュラーエコノミーの地政学

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻3,080円 (税込)
    【資源循環をめぐる知られざる大競争】 「資源小国」にもかかわらず国内で日々大量の廃棄物を生み出し、蓄積している日本。サーキュラーエコノミーに対応し国内の廃棄物を資源として再生利用すれば、資源国になれるチャンスが巡ってきたが、対応に失敗すればリサイクル資源にも乏しい国になり下がってしまう。本書は、大競争時代に突入した米中欧のサーキュラーエコノミー覇権争いと日本に残された選択肢を明らかにするかつてない解説書。“日本流”サーキュラーエコノミー実現のための大胆な提言を示す。 【“日本流”サーキュラーエコノミー実現のための提言】 提言1:日本の国産資源を優先して開発、活用、循環させる「国産資源活用基本法」を制定せよ 提言2:国民的議論で日本の国産資源の棚卸をせよ 提言3:日本版メガリサイクラーを創設せよ 提言4:あらゆる国産資源を活用・循環させるモデル地域を創設せよ 提言5:“日本流”サーキュラーエコノミーを人口減少下の持続可能な社会づくりの柱とせよ 提言6:サーキュラーエコノミーに経済合理性をもたらすカーボンプライシングを導入せよ 【目次】  I サーキュラーエコノミーに対応できないと日本は途上国化する 1. 「エコのため」だけではない世界の狙い 2. 日本企業の生き残りを左右 3. 国家の浮沈にも関わる  II サーキュラーエコノミーの覇権争い 1. <欧州>組織力でサーキュラーエコノミーを強力に先導 2. <中国>国家権力でリープフロッグ 3. <アメリカ>多様なプレイヤーが活躍  III 周回遅れの日本 1. 遅れている日本の実態 2. 対応に苦慮する日本企業 3. レアアースショックから学ばなかった日本  IV 国産資源を無駄にしてきた日本 1. 過小評価されてきた再生可能エネルギー 2. 開発されない都市鉱山 3. 夢物語からの卒業が必要な海洋資源 4. 無駄にされた日本の優れた技術資源の数々  V 目指すべきは“日本流”サーキュラーエコノミーの構築 1. 問題は国産資源の価値を正しく認識してこなかったこと 2. 日本の資源を総動員する“日本流”サーキュラーエコノミーを目指せ 3. 逆転の勝機は日本の技術資源の再評価にあり  VI “日本流”サーキュラーエコノミーを実現させる6つの提言  おわりに “日本流”サーキュラーエコノミーで失われた30年を取り戻せ
  • 資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー

    資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー

    ビジネス・実用

    4.4
    1巻2,750円 (税込)
    人類は資源をめぐり争奪・競争・開発の歴史を繰り返してきました。資源なき日本とドイツが資源覇権国のアメリカ、イギリスに挑んだのが第二次世界大戦です。また、資源は固定化されたものではなく、石炭、石油、レアアース、再生可能エネルギーと変遷してきました。カーボンニュートラルへの挑戦もこの文脈で理解すべきです。  そして、資源の変遷の陰には常に技術の存在があります。これまで人類は、ある自然物に対して技術をもって働きかけることで、価値のなかった自然物に人間にとっての利便性という価値を与え、単なる自然物を資源へと転換してきました。そして、さらなる利便性や豊かさ、または力を求めて様々な自然物の囲い込みとそれを活用する技術開発の競争を繰り広げてきました。中国がレアアースを利用するのはその現れです。  そして現代、これまでを覆す新しい歴史の流れとして、社会の仕組みと技術により自然物ではないものに資源の価値を与えていくという、エネルギー転換(Energy Transition)ならぬ資源転換(Resource Transition) ともいえる兆しも見えてきています。これは世界のパワーバランスを大きく揺さぶり、新たな競争をもたらす可能性があります。  世界の資源エネルギーは今後どのような方向に向かうのか、そしてそれはどのような争奪戦や競争を引き起こすのか、資源エネルギーの歴史を紐解くことで未来をも展望するスケールの大きな新しい世界史の登場です。
  • 異次元エネルギーショック 2050年への日本生き残り戦略

    異次元エネルギーショック 2050年への日本生き残り戦略

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻2,640円 (税込)
    橘川武郎、高村ゆかり、瀬川浩司、平沼光、田辺新一、杉本康太、黒﨑美穂――。 第一人者が集結し、政策を大胆に見直す。 気候変動問題への対応、コロナ禍からの復興、地政学的なエネルギー安全保障への対応、そして、脱炭素経営の必要性など、様々な要素が複雑に絡み合い、我々はこれまでにない異次元のエネルギー危機に直面しています。国産エネルギーの積極活用、再生可能エネルギー政策の注目点、エネルギー高騰時代のクリーンエネルギー技術、住宅・建築分野での徹底した省エネ、投資家・金融家視点でのエネルギー政策など、各分野の第一人者が大胆な改革を提示します。
  • 2040年のエネルギー覇権 ガラパゴス化する日本

    2040年のエネルギー覇権 ガラパゴス化する日本

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    再生可能エネルギーへの大転換は世界の産業、経済、そしてライフスタイルにまで影響を及ぼします。そこでは、新たな市場とステイクホルダー、そして国際的な規範が作られ、従来型の市場とステイクホルダーは衰退し敗者となりかねません。 既に世界ではエネルギー転換に対応するため、従来の原子力・化石燃料を中心とした大規模集中型のエネルギー需給構造から脱却し、分散・高効率型のエネルギー需給構造を構築する動きが加速化しています。一方、日本は未だ従来型の需給構造から抜け出せず世界の動きから大きく外れ、エネルギー小国ならぬエネルギーガラパゴス国に成り果てる危機を迎えています。 本書は、エネルギー転換と呼ばれるかつてない動きと誰が勝者になろうとしているのかを明らかにします。日本がガラパゴス化せず生き残るためには何が必要なのかも提示します。 ロングセラーとなっている、『日本は世界1位の金属資源大国』の著者である平沼氏は、エネルギービジネスのカギを握る自動車産業を熟知しているエネルギー研究者。EVの爆発的普及がもたらすレアアースの圧倒的な不足などこれから20年のエネルギー転換がもたらすあらゆる衝撃を明らかにします。
  • 日本は世界一の環境エネルギー大国

    日本は世界一の環境エネルギー大国

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻921円 (税込)
    福島第一原発事故後の日本――今こそその資源ポテンシャルに本気で向き合う時。変化に富んだ自然環境がもたらす様々な再生可能エネルギー、世界に先駆けて開発が進む非在来型天然ガスのメタンハイドレート、日本の英知を駆使して開発が始まった宇宙エネルギー。そして「もったいない」という言葉に表される日本人の感性という無限無形の資源。世界一の資源ポテンシャルに光を当て、近未来にエネルギー大国になる必然性を徹底解説!
  • 環境革命の虚実

    環境革命の虚実

    ビジネス・実用

    -
    1巻330円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●環境大臣インタビュー 再生可能エネルギーとEV抜きに日本の将来は描けない 小泉進次郎 ●感染症戦線と「3・11」後の原子力 村上陽一郎 ●〔対談〕SDGs、ESG投資から脱炭素への潮流 「グリーン経済成長」に向けて企業と国がなすべきこと 沖 大幹×高村ゆかり ●EU、中国に伍し、日本が「資源大国」になる好機 資源エネルギー覇権競争の大転換が始まった 平沼 光 ●国内自動車メーカーは生き残れるか 高橋 徹×山本貴徳 ●脱炭素社会がもたらす「電費」を競う時代 中西孝樹 ●人類が生き延びるための生物多様性 五箇公一 ●〔ルポ〕JR東海と静岡県のリニア開発議論 対立の深層 「生態系劣化」抑止の国際潮流に、開発事業は対応できるか 河野博子 ●リニア、電力……コロナ後を展望する 「受け身の発想」から新たな技術と価値の創出へ 入山章栄 ●〔対談〕資本主義のオルタナティヴ 農に第三の道あり 藤原辰史×斎藤幸平
  • 宇宙・深海・地底

    宇宙・深海・地底

    ビジネス・実用

    -
    1巻220円 (税込)
    宇宙や深海、地底がサイエンスの対象からビジネスに広がっている。今ホットな分野はどこか。宇宙や深海のビジネス最前線を追った。  本書は、週刊エコノミスト2月24日号の特集「宇宙・深海・地底」を電子書籍化した。 宇宙・深海・地底 ・衛星の低価格化が進行 宇宙からの情報で広がる商機 ・Q&A 意外と知らない 「宇宙とおカネ」五つの疑問 Part1 宇宙 ・宇宙産業 5兆円市場を主導する有力企業 ・注目の宇宙関連40銘柄 ・インタビュー 安達昌紀・NEC宇宙システム事業部長 ・日本版GPS 「みちびき」で加速する自動運転 ・H2Aロケット 初の商業打ち上げ 課題は立地と価格競争力 ・米国ベンチャー グーグル、スペースX参入で「宇宙ビジネス・ビッグバン」 ・宇宙産業を引っ張るイーロン・マスク ・インタビュー 堀江貴文・SNSファウンダー〈創業者〉、ライブドア元社長 ・インド驚異の宇宙開発技術力 Part2 深海・地底 ・海洋資源ビジネス 日本企業に商機 ・海底油田 意外と低い採算コスト ブラジルは1バレル40ドル台 ・メタンハイドレート 課題あるも米・印が日本に熱視線 ・CCS 二酸化炭素削減へ 産業化の将来性 ・深海・海洋調査銘柄一覧 ・CCS銘柄一覧
  • とことん分かる原油安

    とことん分かる原油安

    ビジネス・実用

    -
    1巻220円 (税込)
    原油価格の下落が世界の金融市場をはじめ国際政治やエネルギーの実需にも大きな影響を及ぼしている。原油安で世界はどう変わるのか。背景で何が起きているのか。さまざまな問いを立てて展望しています。  本書は週刊エコノミスト2015年2月3日号で掲載された特集「とことん分かる原油安」の記事を電子書籍にしたものです。 ・金融市場の動揺の基点に不安の連鎖を招く原油安 ・Q.世界のマネーフローは? ロシア国債のCDS急上昇 ・Q.オイルマネーはどこへ? 政府系ファンドは号国、インドへシフト ・基礎知識1 原油価格の決まり方 WTI、ブレント先物が指標に ・Q.サウジの力は弱まった? 唯一不変の「マーケットメーカー」 ・基礎知識2 埋蔵量とは? 経済的に採掘可能な分量で年々増加 ・Q.経済にプラス?マイナス? 原油輸出国には大きな打撃 ・基礎知識3 原油の歴史 技術革新でエネルギーの主役 ・Q.原油急落の真相は? シェール革命で需給緩和+米金融緩和終了で売り圧力 ・基礎知識4 ガソリン価格 4割を税金が占める日本は米国並みの急落なし ・Q.新エネルギーはどうなる? 競争力低下で開発停滞 ・基礎知識5 日本の中東依存が高い理由 タンカーの輸送日数が最短 ・Q.石油火力はどうなる? コスト競争力上昇も二酸化炭素排出に課題 ・Q.関連投信の動向は? 基準価額が軒並み下落

ユーザーレビュー

  • 資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー

    Posted by ブクログ

    先日ネットで見つけたのですが興味を持って読みました、調べたところその本の著者である平沼氏が今年(2021)5月に本を書かれていたので早速読んでみました。歴史の好きな私には最適なタイトルでした、覇権国が変遷してきたのを資源争奪の観点から見るのも面白いですね。

    イギリスの場合は石炭と蒸気機関、アメリカの場合は石油と内燃機関は知っていましたが、第一章の大公開時代がなぜ始まったかの内容は始めて知りました。西洋が東洋に打ち勝った原点について理解できたような気がしました。

    この本で書かれているように、内燃機関の次は、電気自動車に代表されるようにモータになると覇権国はどこになるのでしょうか。この本を読んでその様な考え方ができるようになったと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・350種類以上あるスパイスのうちで、胡椒・クローブ・ナツメグ・シナモンは、世界の歴史を動かした四大スパイスと言われる。スパイスの王様は、インド南西部のアラビア海に面するマルバラ海岸が原産地で、長い間通貨と同等に扱われてきた。胡椒には、黒胡椒、白胡椒、緑胡椒などがあるが、すべ同じ実を時期を変えて収穫したものである。今でもマルバラ海岸産の黒胡椒は最高級品とされている(p18)

    ・ナツメグはナツメグの実の種子の部分であるが、種子の周りの網目状の赤い皮の部分はメースと呼ばれるスパイスとなり、2種類のスパイスが取れる。メースはナツメグの10分の1しか取れないことから高級品とされる。ナツメグは漢方でニクズクと呼ばれ胃腸薬として知られる(p19)

    ・バスコ・ダ・ガマは、アフリカ大陸最南端の喜望峰を回航し、1498年についにインド西海岸のカリカット(現在、コーチン)に到達した、東方見聞録に胡椒海岸と記されたマルバル海岸の探索を実現し、船を満杯にするほどのスパイスを持ち帰ることに成功した、これによりイスラム商人に独占されてきた利権を打破し、胡椒・シナモンを安価に手に入れる海のスパイスロードと開拓した、これにより、中継地として栄えていた、アラビア・ペルシア・ベニスは衰退した(p22)

    ・マゼランはインド沿岸やマラッカの制圧で活躍したが、その功績は母国ポルトガルでは評価されなかったので、スペイン市民権を得て世界終航計画をスペイン王室に持ち込んで、1519年に5隻、265名からなるマゼラン船団で出発した、マゼランはセブ島で非業のしを遂げるが、1522年9月に1隻となったヴィクトリア号(18名)が帰国した、この航路はスパイスを奪い合うスパイス戦争へと向かわせた(p24)

    ・モルッカ諸島の各島には国王や有力者がおり、互いが常に争っている状況であった、なかでもテルナテ島とティドレ島は二大勢力であった、先行してモルッカ諸島の占有を進めていたポルトガルは、テルナテ島と結びつき、後からきたスペインはティドレ島に与して、モルッカ諸島における覇権を争う戦闘を繰り返すことになった。ポルトガルはマラッカなどの要衝を押さえ補給基地としていたが、スペインは持たなかったので次第に疲弊していった。またスペインは補給部隊を派遣することも難しかった。そうした中、ポルトガルとスペイン本国同士が条約を締結して争いの終止符が打たれた。1526年、お互いの王室が結婚して両王家が親戚関係となった。1529年のサラゴサ条約にやり、スペインは一切の権限をポルトガルに売却することで決着がついた(p29)

    ・1770年、アフリカ西海岸でポルトガル船を略奪していたが、マダガスカル東にあるモーリシャス島のフランス人提督が、監督管下にある島にクローブとナツメグの苗をこっそり持ち込み移植することに成功した、またイギリスがクローブやナツメグをマレー半島のペナン島に移植するなど原産地以外の栽培地が広がり、原産地よりも生産量が増す様になりスパイス戦争は自然消滅した(p36)

    ・石炭で鉄の精錬を行なった場合、石炭に含まれる硫黄分により鉄が脆くなってしまっていた、1709年このデメリットを解消したのが、エイブラハム・ダービーによる石炭を蒸し焼き(乾留)することで抽出される硫黄分の低いコークスを用いた製鉄技術である(p43)

    ・今日の石油の主な用途となるガソリン車を世に送り出したのは、フォードではなく、カール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーである(p72)第一次世界大戦後には、旧オスマン帝国の領土は、ペルシア(イラン)とクウェートを除く中東の重要地帯全てとされ、赤線協定と呼ばれた(p78)

    ・日本は戦前に遼河油田(30万バレル/日)から東に山一つ超えた地点で石油炭鉱を行った経緯がある、当時は発見できなかったがもし見つかっていれば、当時の日本の石油輸入量(7.3万バレル/日)、消費量(5.8万)を考慮すると、第二次世界大戦の行方も変わっていたかもしれない(p82)

    ・第二次世界大戦後の石油産業の大きな変化として、それまで世界最大の石油輸出国であったアメリカが輸入国になったこと、1948年に石油生産量の59%を占めていたが、1955年には44%となり、石油の純輸入国となっている、そしてアメリカは中東の石油確保に乗り出すことになる(p85)しかしアメリカは2018年についに45年ぶりに生産量世界一位となった(p111)

    ・メキシコ湾岸からアジアへは、LNG船はパナマ運河を通れなかったのでスエズ運河経由で42日間、マゼラン海峡経由で50日もかかったが、2016年のパナマ運河の新運河開通により、2017年1月から25日間で日本に到着可能となった(p102)

    ・再生可能エネルギーの天候などによる変動性という技術的課題が、第4次産業革命により登場した、IOT(インターネットオブシング)・ビックデータ・人工知能という3種の技術革新の登場により克服されることになった。この3つを活用した革新的エネルギーシステムは、インターネット・オブ・エネジー(IOE)と呼ばれる、これでは、各発電所や需要者をIOTで繋ぎ、発電データと需要データ、さらには気象予測データをIOTで集めてビックデータ化し、そのデータをAIで解析することで、いつどこの発電所で、どれだけ発電を行うのが最適化を導き出し、それを実行する、余剰電力が発生した場合には、送電網に接続された定置型蓄電池、充電中の電気自動車に蓄電する(p145)

    ・1995年に発効した世界貿易機関(WTO)のTBT協定では、WTO加盟国は強制・任意規格を必要とする場合において、関連する国際規格が存在する場合は、その国際規格を自国の強制・任意規格の基礎として用いらなければならないとしている(p148)

    ・これまではいくら再生可能エネルギー発電を行なっても、送電網に電気が送られてしまえば化石燃料で発電した電気を混ざってしまい末端の需要者に届く電気は何で発電されたかわかないとされていたが、ブロックチェーンの技術を活用することで、需要者に届く電力の原産を証明できる様になった。パリ協定が採択からわずか1年で発行されたのは、IOEという再生可能エネルギーの導入拡大を可能にするエネルギー技術の革新があっただけでなく、必要なエネルギー変換が巨大なクリーンエネルギー市場を生み出す点もある(p155)2013年の40兆円から2030年には160兆円とされている(p156)

    ・再生可能エネルギーが他のエネルギー源と大きく違うのは、限界費用がゼロであること、限界費用とは生産量の増加分1単位あたりの総費用の増加分で、簡単にいうと、ある生産量を1つ増やした時にかかる費用の増加分である。発電であれば、石炭・石油・天然ガスなどの燃料費となる。それを順番に並べると、限界費用ゼロの再生可能エネルギー(風力・太陽光・地熱など)→原子力→石炭→天然ガス→石油となるので、安い順番に買われていくことになる(p171)

    ・ロックフェラー家の資産を運用するロックフェラー・ファミリー・ファンドは、2016年3/23に、エクソンモービルの株式を売却すると発表した(p176)化石燃料から脱却する動きは、石油メジャー各社(エクイノール、シェルなど)にも広がっている(p177)

    ・太陽光発電や風力発電は昼夜の差や天候によって発電が左右されるが、海洋温度差発電であればその様な変動はない、また季節変動が予測可能で通年して安定して発電可能なので、ベース電源として使える。またCO2排出がゼロであり海水は無尽蔵でタダという優れた特徴を持つ。(p201)

    ・再生可能エネルギー発電の需給コントロールを行うには大型蓄電池を置くことも有効だが、高性能な蓄電池を搭載した電気自動車に充電して必要な時には放電して活用する(V2G:Vehicle to Grid)の活用が始まっている(p208)

    ・国際標準化を勝ち取ったチャデモ(トヨタ、日産、三菱、富士、東京電力が2010年3月に設立)充電ポイントは2020.9時点で3万箇所を超えて世界で最も充電地点の多い急速充電規格となった、中国の中国電力企業連合会と共同開発することも発表l、中国側の規格発行は2021年内に完了予定でそれに基づいたEV車両が大型車両を皮切りに2021年にも可能となる見通しである(p215)

    ・余剰電力を貯めて使うもう一つの方法として、電力を水素にする(=P2G)がある、余剰電力を使って水を電気分解して水素を生成するものである。蓄電池にためた電気は時間と共に消耗するが、水素に転換しておけば目減りすることもない、水素ガスや液体水素といった形で運ぶことも可能(p219)

    ・捨てられた廃棄物を都市鉱山として位置付けるなら、日本は紛れもない資源国である、金は6800トンあり、世界一位埋蔵量の南アフリカ(6000)、オーストラリア(5000t)を超える、同様に、銀・鉛・インジウムも世界一位、銅は世界2位、白金・タンタルは3位となる(p282)

    2021年10月16日作成

    0
    2021年10月17日
  • 資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー

    Posted by ブクログ

    日本の基礎研究は海外のイノベーションで活用されていることや環境に対する取り組みはコロナが始まる前から世界で始まっていた。世界的の潮流が分かりやすく描かれていた。2014年の都知事選で小泉純一郎と細川護熙タッグでいまこそ脱原発し、自然エネルギーに転換すべきと訴えていたのが記憶によみがえった。

    0
    2021年06月27日
  • 資源争奪の世界史 スパイス、石油、サーキュラーエコノミー

    Posted by ブクログ

    「資源争奪の世界史」と銘打っているものの、世界史として網羅的な歴史を語ることが目的というより、現代の資源争奪の潮流や資源獲得を目的とした各国の力学を説明するための過去事例を歴史から説明し、現状の日本の立ち位置や取るべき戦略、方向性を検討することに注力している書籍である。
    特に「サーキュラーエコノミー」について詳しく検討しており、サーキュラーエコノミーによって各国の資源の捉え方が変わってきていること、および、日本の政策としてエネルギー基本計画の中に明確に組み込むべきというのが、当書籍の一番強いメッセージと感じた。
    私個人としてこの言葉自体は初めてこの書籍で知り、資源獲得に向けたこの書籍の主張は妥当だと感じたが、エネルギー施策についての再生可能エネルギーについては、電力の安定供給の観点から「本当にそうなのか」と疑問に感じる点もあった。

    0
    2026年06月22日
  • サーキュラーエコノミーの地政学

    Posted by ブクログ

    東京財団の研究会での議論をベースに政策提言を書籍としてまとめたもの。サーキュラーエコノミーの に係る歴史を概観した上で、特に地球温暖化対策や資源・経済安全保障の観点から何故必要かを説き、日本が技術を持っていたのにも関わらず、政策的な取り組みが遅く、米欧中よりも劣後する現状と打開のための6つの政策提言を行なっている。

    まず、サーキュラーエコノミーというワードを存じ上げなかった。必要性として地球温暖化対策と経済安全保障があるが、前者は眉唾のように思う人(トランプ政権)もあるが、後者は事実であり、理解も得られやすいだろう。

    本書でも紹介されているが、COPの文脈で2030年の再生可能エネルギーの率で経産省と環境省が争い、環境省の水準を経済不合理と見た経産省の水準が勝ったが、結果としてみれば環境省の水準がグローバルには正しかった。しかし、環境問題としてやらされる(やらなければならない)というロジックよりも、安全保障や成長のために必要というロジックの方が通りが良かったと思う。

    実際に高市発言を受けて中国のレアアース輸出規制に至り、経済安全保障上の問題となっている。この意味でいわゆる都市鉱山や南鳥島のレアアースの資源化などが重要となる。

    また人口減少社会となる中で成長の原動力として再生可能エネルギー、V2Gによって燃料電池用の水素を生成するといった取り組みはとても重要。

    成長と経済安全保障の視点から本問題に取り組み、高市政権が標榜する成長投資や危機管理投資の一環として提言にあるような施策に取り組んでいけば良いのではないか。

    0
    2026年01月19日
  • 2040年のエネルギー覇権 ガラパゴス化する日本

    Posted by ブクログ

    今年(2024)のGWの大掃除で発掘された本のレビューは大方終わりましたが、その前に娘夫婦が宿泊した時に大慌てでスースケースにしまい込んだ本があり、それらの本のレビュー書きを終了させたく思っています。

    記録によれば今から2年半ほど前(2021.10)に読み終えた本です、本の内容はレビューを書きながら復習しようと思いますが、表紙に書いてある文言から思うに、携帯電話やワープロでガラパゴス化した歴史を知っている私は、車の世界でも現在上手く行っているハイブリット車がガラパゴス化しないことを祈っています。

    原子力を推進してきた日本ですが、東日本大震災等によりエネルギー政策を見直すことになった日本は今後どのように進むのでしょうか、タイトルにあるように2040年のエネルギーはどうなっているのか、注目していきたいです。

    以下は気になったポイントです。

    ・2015年3月に筆者が駐日ドイツ大使館からの誘いで参加した、ドイツ政府主催の国際会議(ベルリンエネルギー転換対話)で聞いた話、将来、我々が使うエネルギーは限界費用ゼロで生み出され、その価格は今後数十年でタダに近いものになるだろう。限界費用とは、ある生産物の生産量を一つ増やしたときにかかる費用の増加分のこと。(p3)今までの産業革命では、石炭(蒸気機関)石油(ガソリンエンジン普及と電気化)であったが、21世紀の現代、気候変動という人類存亡がかかった問題に対処するため、再び資源エネルギーの転換を図ることが必要な時代に突入している(p5)

    ・EVは今後も普及が拡大する見通しにあり、各国ともその普及を促進していく方針を打ち立てている状況にある。2017年6月には、クリーンエネルギー閣僚会合にて「EV30@30キャンペーン」というイニシアティブが打ち出されている。これは2030年までに全ての自動車(バストラック含む)の割合を参加国全体で30%以上を目指すもの、2017年6月現在、カナダ・中国・フィンランド・フランス・インド・日本・メキシコ・オランダ・ノルウェー・スウェーデンの10カ国が参加している(p28)

    ・車載蓄電池と燃料電池を併用するハイブリッド車の開発も進んでいる、車載電池に蓄電した電気でモータを駆動させて走るという通常のEVシステムに、小型の燃料電池を発電機として搭載するもの。通常の燃料電池車では燃料電池がEVの蓄電池の役割をするのに対して、このシステムは、EVの蓄電池をサポートする発電機として燃料電池が搭載される。車載電池の蓄電残量が少なくなると、発電機として搭載した燃料電池が発電を行い車載電池に充電を行うシステムで、わざわざ充電スタンドで充電しなくても良い(p31)

    ・気候変動問題への主な対処策は、1)再生可能エネルギーの普及拡大、2)二酸化炭素回収貯蓄留(CCS)を含めた省エネ・高効率化の促進、3)原発の利用(原発の構成比は現状維持)(p41)

    ・京都議定書当時は、天候によって発電が左右される再生可能エネルギーはコントロールが難しく、電力系統に統合するのは困難であるとされてきたが、近年の技術開発(アナログメータに代わり、導入が進むスマートメータ)は、そのコントロールを可能にしつつある。電力供給がわである電力会社と電力需要側を双方向通信で結び、需要側の電力消費量の測定や電力供給量の制御を可能にした(p46)

    ・限界費用のかからない太陽光、風力などの再生可能エネルギー発電で可能な限り需要を満たし、それでも追いつかない場合に、原子力→石炭火力→天然ガス→石油火力という順番で供給を行う、これがメリットオーダー(限界費用の安い順)の考え方である(p49)

    ・米国を代表する資産家、ロックフェラー家が関連する基金、ロックフェラー・ファミリー・ファンドは、2016年3月23日、米石油メジャーのエクソンモービルの株式を売却すると発表した。まさにエネルギー・ゲームチェンジを物語っている(p65)

    ・これまで困難とされてきたことが、IoT、ビックデータ、AIを活用することによって実現可能になる第四次産業革命の動きが、エネルギー分野にも広がっている。それは、普及率50%以上という再生可能エネルギーの大幅普及を実現し、エネルギー需給構造を劇的に変える大木は可能性を生み出している(p76)

    ・再生可能エネルギーの普及拡大には、EVをはじめとする車載用蓄電池を搭載した車が、電力系統に統合されることが重要である。再生可能エネルギーは、最終処分ができない使用済み核燃料を排出しながら作った電気で走行しても意味がない、EVにとって、エミッションフリーでクリーンな電力が必要である(p99)

    ・自動運転が進展した社会では、自動車を個人が所有するだけでなく、リースやシェアリングという形での利用が一般的になる。自動運転が基本となるため、リースやシェアリングの車の多くがEVとなる。一つのビジネスモデルとして、自動車の販売会社は、自動車を売るビジネスをやめて、携帯電話のように自動車利用プランの契約販売と、自社のEVを自動運転により顧客に配車する自動車プラン契約、配車店になるだろう(p109)

    ・海洋温度差発電は、海面の暖かい表層水と深海の冷たい海洋深層水の温度差を利用して、沸点の低いアンモニアなどを介して発電を行うもの(p124)この発電方法であれば、太陽光発電のように昼は発電できるが夜はできないという昼夜の変動がなく、また風の状況にも左右されない。季節変動が予測可能で安定しているので、従来の火力発電のようなベース電源として使える、CO2の排出はゼロであり、利用する海水は無尽蔵でタダ(p125)

    ・再生可能エネルギーの導入が広がれば広がるほど、余剰電力を蓄電・放電するための蓄電池の役割が重要になってくる、この方法として、電力を水素に転換する、P2G(パワー・トゥ・ガス)がある、蓄電池にためた電気は時間と共に消耗するが、水素に転換しておけば、目減りすることはない。水素であれば、水素ガスや液体水素といった形で運ぶことが可能(p130)

    ・アメリカ州政府の権限は、1971年に成立した合衆国憲法修正10条により、「この憲法が合衆国に委任していない権限、または州に対して禁止していない権限は、各々の州、または国民に留保される」とされ、憲法上に列挙された連邦政府の権限以外は、全て州政府が権限を有する。(p174)2017年6月にトランプ大統領がパリ協定離脱したが、その直後に、パリ協定を域内で遵守することをコミットした州のグループ(米国機構同盟)が結成されている、2018年9月現在、その参加州は、17周あり米国の人口40%以上、GDPでは9兆ドル以上を占める(p176)

    ・第四次産業革命の三種の神器と言える、ItoT、ビックデータ、AIは、産業経済の構造を革新する要素として世界中で注目されているが、なぜか日本の意識は諸外国と比べて低い。インターネット・オブ・エナジー(IoE)は、天候や気象条件により発電が左右される再生可能エネルギーを、各発電所と各需要者・電気機器をインターネットで接続(IoT)し、その需給データを蓄積することでビックデータ化し、気象データと共に人工知能(AI)に解析させて、再びインターネットを通じて最適な需給指令を再生可能エネルギー以外の大規模集中型発電を含めた、各発電所と各需要者・電気機器に送りコントロールする、革新的なエネギーマネジメント技術である(p191)

    2021年10月9日読破
    2024年6月24日作成

    0
    2024年06月24日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET