石田勇治の作品一覧
「石田勇治」の「ナチスの「手口」と緊急事態条項」「ヒトラー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「石田勇治」の「ナチスの「手口」と緊急事態条項」「ヒトラー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
なぜドイツ人がヒトラーを総統にしてしまったのか
時系列でわかってかなり面白かった。
好んで選んでいたのは本当に1部であった。
隙をつかれると全てが崩れる。
助走の段階はかなり緩やかに進んでいった、
重ねる度に戻れなくなるだけだった。
日本のとある政党がナチ党に似ていると批判されていたから興味を持ったが、
国民の危機感のうすさには通ずるものがある。
全てが似ているとは思わないが、
差別主義や権力が偏りすぎるものは良くない。
敵を作って問題を単純化し、強い言葉を使って
インターネットでのインプレッションを稼ぐなど
もってのほかではないか。
現代社会、資本主義を批判するものも多いが、
メリットデメリットの両面を見るべきだなと。
権力が偏ってしまった時、
それを止められる構造が好ましい。
そして、障害者の安楽死を実行した人を
ホロコーストの実行者として起用するのは、
かなり効率的で恐ろしかった。
人権を奪うその瞬間まで
合理的に判断を下すことのできる冷酷さ。
人間を対象化し、自分の正義で倫理を上書き出来る
歪んだ自己陶酔。
そして遺書、死ぬ間際まで彼は
自分だけが正しかったのだろう。
人間は半径1キロの幸せしか見えていない
という言葉を聞いたことがある、
ヒトラーは多数派のそれに関与できたのだろう。
代償である遠いコストは複雑で、巧妙に隠された。
次のナチスはナチスを批判しながら現れる。
その時に備えて、大衆は多くを見る多角的な視野と
複雑さに耐える頭を持つべきではないだろうか。
Posted by ブクログ
ヴァイマル共和国 ←女性参政権を認めた最先端の民主制国家。ただしボロボロの敗戦国で周辺諸国に収奪されている。
首相 ← 議会嫌いのヒトラー
大統領←帝政万歳のヒンデンブルク
そりゃ全権委任法も通るわという感想。
それまでの積み上げもあって、国会議事堂炎上事件を契機とした共産党の弾圧や、そもそものヴァイマル共和国の混乱と強制的な軍縮も背景にある。
ヒトラーの独裁とは、「全権委任法」による三権分立の破壊であった。すなわち首相が国会の決議によらず法律を制定し、かつそれを自分(自党)で執行できるという、現代の民主主義から見れば仰天の法律である。これをありえないと思えるのは義務教育の賜物だろう。
その基礎には「ヒトラーならこの閉塞感を打破してくれるのでは」という民衆の期待があったように思う。実際、失業者を減らしていく経緯は論理的かつ思い切った打ち手だと感じる。副作用は指摘できるが、政治はリソース争奪のゲームなので、何かを推進する時に誰かが割を食うのはどこの時代のどんな国でも同じ。
ただし、三権分立は機能していないし、国民に基本的人権は無いことに留意しなければならない。つまり国民の合意形成や、コミュニケーションを経た妥協の結果ではない。逆に、世界恐慌の中では、そこまでの独裁でなければ失業者問題は解決できなかったという見方もできる。
そこまで厚い本ではないが、他にも論点が多い。
今回は2周目だが、さらに再読する価値がある。
Posted by ブクログ
ヒトラーやナチスのことはちゃんと知っておかなければいけないと思っている。これらほど知っておかないといけないのに敬遠・忌避されているものも珍しいんじゃなかろうかと思うから。なぜヒトラーが、ナチスが、ドイツがあのような道を歩んでしまったのかを知るためには、まずヒトラーについてしっかり知識をもっておくことも大切。この本は、ナチスが台頭するまでのヒトラーの歩みをかなり丁寧に追っていてためになった。ナチス台頭後の紙幅は薄めな感じもするが、それについてはほかにもいろんな記録があるからひとまずよしとしよう。
読んでみてヒトラーのひととおりのことを知り、いかに簡単に世のなかが後世からすれば誤った方向に行ってしまうことかと思ったし、知らず知らずポイント・オブ・ノーリターンを越えてしまうことかと思った。ヒトラーやナチスだけが悪いのでなく積極的にせよ消極的にせよ彼らを支持した人々(国民)がいたことも事実なわけで、一歩間違えばいまの日本だって、政治の方向性や他国出身の人を嫌う人々、政治に無関心で寄らば大樹の影志向の人々が少なくないことを思うと、ヒトラーやナチスの轍を踏みかねないと思わされた。
ヒトラーの政治思想にオリジナリティはほとんどないという。「ドイツの政治学者クルト・ゾントハイマーはいうように、思想的に見ればヒトラーは「純粋な亜流」だった。当時の反民主主義思想に「何ひとつ独自の貢献」をしていない」(p.72)とのこと。それなのに、口のうまさや勢いでのし上がってしまう、人々が支持してしまうということであり、恐ろしいこと。そして流れができてしまえば、それに逆らえる人の少ないこと。