石田勇治のレビュー一覧

  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    国の調子がよくないときにあらわれて、わかりやすい言葉で明確な敵を示すやばい人間に、一瞬でも隙をあたえるとこんなことになってしまうのだ、と思い知れる

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    2025年11月09日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ヒトラーやナチスのことはちゃんと知っておかなければいけないと思っている。これらほど知っておかないといけないのに敬遠・忌避されているものも珍しいんじゃなかろうかと思うから。なぜヒトラーが、ナチスが、ドイツがあのような道を歩んでしまったのかを知るためには、まずヒトラーについてしっかり知識をもっておくことも大切。この本は、ナチスが台頭するまでのヒトラーの歩みをかなり丁寧に追っていてためになった。ナチス台頭後の紙幅は薄めな感じもするが、それについてはほかにもいろんな記録があるからひとまずよしとしよう。
    読んでみてヒトラーのひととおりのことを知り、いかに簡単に世のなかが後世からすれば誤った方向に行ってし

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    2025年10月12日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    第一次大戦の敗戦理由を、事実ではない、でもそれらしく演説して支持を得ていくナチ党、ヒトラー。
    自分から基本的人権を捨ててナチ党を選ぶドイツ国民。
    政治的支持を得るには真実よりも、それらしい民衆が望んでいる嘘を大声で唱える方が効果的だということがよくわかる。
    ボリュームがすごいので、時間を置いてまた読みたい。

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    2025年08月17日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    今まで歴史書を読む機会がなかった。今回何を思ったかヒトラーについて知りたくなった。独裁政治について知りたくなった。ヒトラーは消して強気で何でもできる人ではなく、雄弁でカリスマ性のある言葉、巧みな人物であることがわかった。めんどくさがりだし、物事から逃げる性格も見てとれた。ナチ党を率いて独裁政治を行い、フランスと戦い、イギリスに負け、アメリカに負けた。ヒトラーで有名なことはユダヤ人迫害。主にポーランドのユダヤ人は虐殺された。ガスが主だったようだ。ドイツ人一強主義とは言うが、それだけの理由でユダヤ人を迫害するのはなぜだったのだろう

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    2024年11月17日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ヒトラーとナチ・ドイツ
    著:石田 勇治
    講談社現代新書 2318

    本書は、ナチとは、ヒトラー(1889.04.20-1945.04.30)とはどういうものであったのかを主眼として語っている

    ナチ党:国民社会主義ドイツ労働者党 は、実は、極右組織である
    アドルフ・ヒトラーが政権にあった 1933-1945 をドイツでは「ナチス時代」という

    ワイマール体制下で、消沈していたドイツ国民は、ヒトラーに魅せられ、高い人気があった
    ヒトラーは、マックス・ウェーバの云う、カリスマ的指導者であった

    本書は大きく3つに分かれる
     ヒトラーの誕生から、ナチ党の発足まで
     ナチ党の台頭から、ヒトラー政権の誕

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    2024年07月28日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ヒトラーがホロコーストをしたことは一般に知られていると思うが、いかにして権力を手に入れ、どの過程でホロコーストに踏み切ったかを詳しく理解することができた。戦争中心の本が多いが、この本はナチ党とヒトラーを中心に話を進めている点が良かった。

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    2024年07月13日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    石田 勇治
    1957年、京都市生まれ。東京外国語大学卒業、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了、マールブルク大学社会科学哲学部博士課程修了、Ph.D. 取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)教授。専門は、ドイツ近現代史、ジェノサイド研究。著書に『過去の克服――ヒトラー後のドイツ』『20世紀ドイツ史』(ともに白水社)、『図説 ドイツの歴史』(編著、河出書房新社)、『ジェノサイドと現代世界』(共編、勉誠出版)などがある。


    ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)
    by 石田勇治
    そんななかでナチ党の党首、ヒトラーは異色の存在だった。  たしか

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    2024年06月04日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    たいへん読みやすいながら、情報量も適度でナチ政権成立過程がとても分かり易い。
    この手の本の中ではイチオシにしたい。

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    2023年03月13日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    本書では、1933年のヒトラー内閣成立から1945年のドイツ敗戦までの「ナチ時代」が扱われている。冒頭にて、ナチ体制とは、「民族共同体」という情緒的な概念で絆を作り、それは暴力による一方的なドイツ国民の支配体制でなく、当時の国民を受益者、積極的な担い手とする「合意独裁」であったと要約されている。

    第1章から第5章はナチ体制の成立からナチス政権下の内政と外政、第6章と第7章はレイシズムと反ユダヤ主義、ホロコーストが取り扱われている。ナチスに関する書籍としては、比較的新しい本であり、最新の研究成果をふんだんに取り込んで書かれているのが特徴だ。

    第5章の「ナチ体制下の内政と外交」では、ナチスに関

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    2022年05月11日
  • ヒトラー 上:1889-1936 傲慢

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    ヒトラーが名もなき学生で、世間と隔絶した性格の持ち主で、うだつの上がらない学生時代を過ごし、その後弁舌の才に気づき、幸運と時代の流れに後押しされ、権力を獲得する様が丁寧に綴られています。傍聴していく風船のように権力や自意識は膨れ、もはや自惚れで、周りが見えなくなっている。下巻が楽しみです。

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    2022年05月01日
  • ヒトラー 上:1889-1936 傲慢

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    ヒトラーの伝記であり、研究書でもある。
    今まで歴史上の謎とされたことが明らかになっていたり、今回解明された新たな事実もある。
    研究書でありながら描写が小説のような迫力に満ちており、格調高い文章で素晴らしい。

    ヒトラーを演じたチャップリンは「一人を殺せば殺人者だが100万人を殺せば英雄だ」と言っている。4000万人殺したと言われるチンギスハンはモンゴルでは英雄であり、同じ数を虐殺した毛沢東は天安門広場には肖像画が今も掲げられている。しかしヒットラーのことを英雄視する者はいない。近現代の戦争が起きるのは複数の要因から生まれるものだが、6600万人死亡した2次大戦だけは戦争を起こした原因も一つしか

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    2022年03月07日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ヒトラーがどのような人物だったのか。
    当時の社会的情勢はどのようだったのか。
    当時の人々はなぜヒトラーを受け入れたのか。
    など、丁寧に説明されており、入門書としてとても良いと思う。
    ホロコーストについても、どのような経緯で行われるようになったのか、書かれており、歴史とは単純なものではないと思う。
    よくよく思想や社会の様子などを知らないと、歴史認識を間違う可能性があると感じた。
    しっかりと学習し続ける必要を感じた。

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    2022年02月05日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    なぜ、なぜ、なぜ。
    議会や民主主義がなぜ葬られたのか。なぜホロコーストは始まってしまったのか。人類の闇に向き合える一冊。

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    2021年12月27日
  • ナチスの「手口」と緊急事態条項

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    1:緊急事態条項を利用したナチスの手口
    ・ナチスは国民の圧倒的支持ではない。少数派政党。
    ・第一次世界大戦の敗戦と世界恐慌で政治が混乱し、ヒンデンブルク大統領が大統領緊急令を多用した。議会制民主主義に国民が絶望していた。
    ・ナチスは突撃隊という暴力装置を持っていた。その組織がイチャモンを付けて逮捕していった。議事堂炎上もナチスの自作自演。

    2:なぜドイツ国民はナチスを支持したか
    ・敗戦と世界恐慌で、失業率30%。ワイマール帝国は見放されていた。共産党とナチが受け皿だった。
    ・第一次世界大戦で旧ロシアから、東方ユダヤ人が難民のようにドイツに来ていて、独特の存在だった。民衆は風変わりさに恐れてい

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    2021年12月07日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ヒトラーがどのようにしてワイマール共和国のような議会民主制を帯びていた近代国家を、専制国家に仕立て上げ第二次世界大戦を起こしてしまうまでになったのかを仔細に説明してくれています。ナチ党が国会第一党まで上り詰める過程や、ヒンデンブルク大統領からの授権法を採択された後の急進化は、何となくヒトラーがクーデターを起こしてドイツを支配したのでは?という先入観があった私としては、制度に沿った形で独裁政権を樹立したのだという驚きは改めてありましたね。

    もう一つの大テーマとしてのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)はなぜ起こってしまったのか。極端なレイシズムや当時の優勢人種学が学問として成り立ってしまっている事態

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    2021年11月23日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    この本を読んだ。前にヒトラー系の映画、シンドラーのリストもまあそうか。ホロコーストの本もいくつか読んでいたので「どうして独裁政権が誕生したのか」というポイントにいて興味を持って読んでいた。就業率の改善のために女性を家庭に押し込める。それによって出産率も上げる。優性遺伝の。そこにあるのは、なんかよくなるんじゃないかという希望。
     これってほんとうに偶然だよな。そのときそのときの力関係で、周りの国も大事な人権的なことに及び腰になったり、無視したり、他国頼りになったり。それが結果としてユダヤ人を置いておく場所がなくなってきたら殲滅するということになる。ソ蓮がもうちょっと弱かったら、イギリスがそれほど

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    2021年11月08日
  • ナチスの「手口」と緊急事態条項

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    緊急事態条項の歴史的な危うさについて、ひとまづ簡単に飲み込むための入門編、みたいな本だった。大変読みやすく、そしてわかりやすかった。

    220頁
    <一九七〇年五月八日、終戦二五周年記念式典でのブラント首相の演説>
     今から二五年前のあのときに、多くのドイツ人が個人的あるいは国民的な苦しみと感じていたことは、他の民族にとってみれば外国への隷従、テロ、不安からの解放でした。……民族には、自らの歴史を冷静に見つめる用意がなければなりません。なぜなら、過去に何があったのかを思い起こせない人は、今日何が起きているのかを認識できないし、明日何が起こるかを見通すことがもできないからです。冷静に歴史と向き合う

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    2021年09月17日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    とても流れが読みやすかった。
    そもそものヴェルサイユ体制で独裁に近い形になって、それをヒトラーが強化したので帝国になってしまったのだ。
    ヒトラーはいいこともした、と言う人もいるらしいが、その裏には分断された者たちへの弾圧があったのもわかった。
    読んでいてとても勉強になりました。

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    2021年07月02日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    ネタバレ

    ヒトラーの台頭、いかにしてドイツ6600万人の人間が、自由、脳、生命を独裁者に擲ったかを歴史から学ぶ。前は「ボヘミアの上等兵」は世論の支持を得てドイツを手中に収めたと考えていたが、実態はもう少し複雑だった。

    ヒトラーがレイシストであることはドイツ人誰もが知っており、彼に政権を握らせてはならないと考える人も多く、そもそも出身はオーストリアであり、国会でも第一党とはいえ1/3の議席も持っていなかった。なぜ彼がドイツを支配したか。それに答えようとしている。

    ナチが議会政治を嗤っていたのは周知のとおりだが、ナチが政権を握る前に、すでに国会による議会政治は形骸化しており、ヒンデンブルク大統領による大

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    2021年04月27日
  • ヒトラーとナチ・ドイツ

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    面白かったー!!!ナチスが政権を得ていく過程や、ホロコーストに至った過程などが時系列で丁寧に説明されていて、断片的な知識が一体になった感があります
    以下 初めて知ったことや印象的だったこと(ネタバレかも?)




    ・政権獲得の過程で農民にアプローチした(ここだけ見ればトランプ氏の政権獲得過程とも似ているような)
    ・大衆に言葉でアプローチするため弁士を輩出するための学校を作った
    ・ヒトラーの効果があったとされる経済政策の絡繰(実際は前政権の政策の効果(企業減税を柱とするパーペンプランなど)だった、そもそもヒトラーが政権とったころには割と経済は回復傾向にあった、女性を家庭に追いやったり若者を軍事

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    2021年02月28日