作品一覧

  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた
    3.7
    1巻999円 (税込)
    縄文時代に建てられたという、三内丸山遺跡の通称「縄文タワー」。縄文人は人力だけでどうやってこの15メートルの塔を建てたのか? 技術者である著者が精緻にそのプロセスを解説する。また、塔の目的は「狼煙台」であり、宗教上の施設ではなく、ヒスイの交易のために建てられた塔だと説く。さらに、近世まで奈良に「奈良湖」があったことを突き止め、奈良湖と大阪湾に通じる水路である「河内・大和大運河」など、重要な交通手段である水上交通に着目し古代日本の実像に迫る。「古代人は治水を考えなかった」という専門家ならではの仮説も提唱。 ●秀でていた丹後と出雲のハイテク技術 ●造船には高度の木工技術が必要であった ●六世紀、大和川では帆船が走っていた ●技術者集団としての渡来商人の実像 ●岡山・津寺遺跡の築港技術が19世紀オランダの技術に酷似 ●出雲大社はもともと「水飲み場」だった ●難波津――港ができるような地盤ではない
  • 古代の技術を知れば、『日本書紀』の謎が解ける
    4.0
    1巻950円 (税込)
    日本最初の正史である『日本書紀』には頻繁に軍隊の派遣がある。当時の交通の技術を考えれば、特に冬季における軍隊の移動が難しいことは明白であるにもかかわらず、なぜ冬場の行軍の記述が数多くあるのだろうか? また、対馬で二世紀ごろから海の安全を祈る太占やアマテラスの信仰が行われていたこと、そして、出雲や丹後が交易で栄えていたことに、『日本書紀』はなぜ触れていないのか? 対馬、壱岐、丹後、敦賀など現地を訪れ、技術者の視点で先入観を排して分析すると、『日本書紀』の実質的な編纂者である藤原氏の深謀が明らかになった。さらに、巨大な大仙陵古墳(伝・仁徳天皇陵)がいかにして建造されたかについても、同じく技術者の視点で考察する。かつて広島港や第二パナマ運河などの計画・建造に従事した「海の技術屋」が、古代史研究の盲点を突く意欲作。20万部ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』著者、竹村公太郎氏推薦! 【目次より】●対馬はなぜ泡(うたかた)の国とされたのか ●海路でつながる壱岐、沖ノ島の神々 ●神功皇后の九州遠征――奪われた九州の遺産(レガシー) ●「倭の五王」の国・出雲王国 ●神武東征――国威発揚と国土荘園化 ●虚構から現実の歴史に――継体天皇の淀川凱旋 ●隠され、無視され続けた古代海洋王国群 ●巨大古墳群の謎――百舌鳥・古市古墳群考察 ●『日本書紀』の呪縛を解く
  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像
    4.3
    1巻750円 (税込)
    船をつくるための鉄斧や武器となる刀の材料になるなど、鉄は古来きわめて重要な資源であった。紀元前から倭人は鉄を朝鮮半島から輸入していたが、1~2世紀に『後漢書』などが伝える「倭国大乱」が起こる。著者はこれを、高句麗の南下によって起こった「鉄の爆発」を伴う社会変革だと考える。それ以降、日本に遊牧民の文化である「光る塚」がつくられ、「鉄の集落」が全国で形成された。そして、都市国家連合である「倭」は朝鮮半島の海上権益を巡り、四世紀末から高句麗と戦うことになる。騎馬民族高句麗は非常に強く倭は軍事的に敗北するも、伽耶国の鉄工業が河内に導入され、ヤマトの工業力は高められた。一方、前方後円墳が大量に築造されるが、あの不思議な形は鉄の交易に関わる秀逸なアイデアの賜であった――。船と港の専門家が、鉄の交易に着目し日本の原像を探る。ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』著者、竹村公太郎氏も推薦!

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  • 古代史の謎は「海路」で解ける 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す
    3.2
    1巻950円 (税込)
    「魏志倭人伝」によると、卑弥呼の特使である難升米(なしめ)が洛陽まで約2000kmの航海を行ったという。耶馬台国が畿内の内陸にあった場合、彼らは本当に対馬海峡を渡ることができただろうか。またこの時代、瀬戸内海は航路が未開発であったため通ることができず、交易は主に日本海側で行われたと考えられる。当時の航海技術や地形に基づき、海人(かいじん)の身になって丹後半島の遺跡に身に置けば、鉄と翡翠で繁栄する「王国」の姿が見えてくる……。 さらに雄略帝の「瀬戸内海の航路開発」や応神帝の「海運業」、継体帝が拓いた「近畿水回廊」、「大化の改新」の陰に消された「倭京」などの謎を、港湾や運河の建造に長年従事してきた著者が技術者の「知」で解き明かす。ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』の著者、竹村公太郎氏も推薦!

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ユーザーレビュー

  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

    Posted by ブクログ

    昔、古田武彦の本を読んで衝撃を受けたが、この本も衝撃的だった。鉄器の副葬品や船の発達状況から物証的に推理し、倭の時代は武装した兵を朝鮮半島に輸送するほど鉄器も舟も発達しておらず、丸木舟で人間のみ輸送され、武器や装備を支給され、傭兵として、騎馬民族に対峙したとイメージできた。また海路からの視点が面白かった。一部の推理は同意できなかったが、しばらく古代史にはまりそう。

    0
    2018年01月12日
  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

    Posted by ブクログ

    古代の認識を覆す試み。ヤマト中心主義、あらゆる遺跡を祭祀のためのものだったと片付ける日本の歴史研究に対して真っ正面から挑戦している。これまでの歴史認識では、日本書紀等の文献から大きな政治の物語のみが取り出され、倭人が航海民族として日々どのような生活をしていたのかという、目の前の日常が無視され続けていたことを気づかせてくれる。朝鮮からは渡来人以外にも多くの人々が日本列島に落ち延び、独自の文化を形成して日本文化の素地を作った。古墳はただ豪族の墓という機能ではなく、日常的に寝食をする公的な盛り場や商業施設のようなものであった、などあくまで航海民族の視点から、鉄の動向を軸に研究している。古代に関して新

    0
    2016年09月22日
  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた

    Posted by ブクログ

    三内丸山遺跡と奈良湖を中心に、その時代の技術を探る。
    特に古代の水運に関しての話が面白かった。
    治水の概念も技術もなく、運用することで水と共に生きてきた時代。
    公衆衛生が発達していない時代から、京がなぜ千年も都でいられたのか。
    川の氾濫により洪水が起こり、糞尿まみれの都を定期的に洗い流していたからだという。
    縄文時代の交易も舟で盛んに行われたというし。
    日本は水の国なんだなと改めて実感する。

    0
    2023年05月04日
  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表紙が三内丸山遺跡の塔の写真だったので建築系のテクノロジーの話かと思ったら随分違った。
    どちらかというと水上交通の話だった。
    でも古代における「治水」や「港」の見方が読後随分変わったように思う。
    そして古代において水路がいかに重要だったのかというのも。
    何でこんな所が地理的重要地になっているのか(またはその逆、有名な場所なのに他の場所に比べて何故劣っていたのか)古代の水路や水がどこまで来ていたか分かると見えてくる風景が変わって面白かった。

    個人的には、地元の津寺遺跡が出てきたのが最大の興奮ポイントだった。
    地元の博物館より説明が詳細で分かりやすかったです。

    0
    2023年04月08日
  • 古代の技術を知れば、『日本書紀』の謎が解ける

    Posted by ブクログ

    たいへん刺激的で面白い一冊だった。
    著者は「技術」、特に海洋技術の歴史的推移をもとに、日本書紀が語る(騙る?)エピソードの裏を解読していこうとする。さすがに本職、説得力がある。

    細かいところでは類推に類推を重ねているように感じるところがないではないが、個人的に興味のある鉄製品と製鉄技術の伝来をもうひとつ大きな柱として論拠を持ち考察を進めている筆者の姿勢は非常に説得力があるように感じた。

    ほかの著書も読んでみようと思う。

    0
    2018年01月04日

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