トマ・ピケティの作品一覧
「トマ・ピケティ」の「平等について、いま話したいこと」「エコロジー社会主義に向けて――世界を読む2020-2024」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
大部だがそれだけの価値はある。結局、極度の格差を埋めるには所得と資産に対する累進課税及び企業経営の社会的共有それから抜け駆けさせないようなそれらの国際的取決めの強化だ。
たしかに。人間の歴史は格差を正当化するイデオロギーの歴史であり、格差は決して必然ではない。つまりは経済的公正を支えるための公正な投票の仕組み。すなわち富裕層が有利にならないように選挙にかかる資金の規制をすること。
バラモン左翼と商人右翼による大衆の嫌気が、世界的に自国中心的政党支持に繋がっていると。
多くの人に読んでほしい。そして、広めてほしい。世界の人々がより幸福になる社会を作る制度設計、その理念は既に存在しているのだと。あとは実践するだけなのだと。
Posted by ブクログ
本書は、経済学を再び「政治経済学」の座へと引き戻した記念碑的な著作です。著者は、18世紀以来の富と所得がどのように推移してきたかについて膨大な統計に基づいた客観的な考察を行い、そこから驚くべき教訓を導き出しました。議論の柱となるのは、格差拡大の根本的な力である「r > g」という不等式。これは、投資や相続から得られる資本収益率 (r)が、賃金上昇の源泉となる経済成長率 (g) を常に上回り続けるという構造を示しています。つまり、労働によって豊かになる速度よりも、資産が資産を生む速度の方が速いということです。歴史的に見れば、この不平等の拡大を止める力となったのは、良識ある政策ではなく、皮肉にも「2度の世界大戦」による物理的な資本の破壊と、戦後の異常に高い成長率のみであったことが明らかにされます。現代が直面している最大の問題は、世界が再び歴史的な低成長化へと向かっている点です。低成長下では、過去に蓄積された資産の影響力が相対的に強まり、個人の才能や努力よりも、相続や「出自そのもの」が人生の成否を決定してしまう。これは、近代民主主義が掲げてきた「実力主義(メリトクラシー)」という理想?の崩壊を意味します。著者はこの暗い未来を回避するため、資本所得に対する世界規模での累進税が有効であると提唱します。富の極端な集中を抑制し、再分配機能を回復させるための現実的な処方箋です。しかし、そこには巨大な壁が。タックスヘイブン等の存在により、富裕層の資本は容易に国境を越えて逃避できるため、一国のみでの実現は難しいでしょう。本書を読み終えて痛感するのは、格差は経済の自然法則によって解決されることはなく、政治的な介入なしには拡大の一途をたどるという事実です。私たちが「出自」に縛られない自由な社会を望むのであれば、この 「r > g」という呪縛にいかに政治が立ち向かうべきか、真剣に議論を始めなければならないでしょう。
「これから社会に出る若者へ」
r>gに立ち竦まないでください。絶望しないでください。何も持たない者にとっては労働での収入が現実的な武器になります。資本成長率を上回る成長を達成している組織に所属してください(その中で労働分配率の高い組織に所属してください)。稼げる間に可能な限り稼ぎ、節約に努め、余剰を収益性の資産に投資してください。道は必ず開けます。
Posted by ブクログ
左派の勝ち逃げ
米国の政治哲学者マイケル・サンデルとフランスの経済学者トマ・ピケティの対談本。共に移民に悩まされている国の学者がこんな問いを巡って話し合っている。
サンデル「われわれのような人間は、資本やモノの規制なき自由な国家間移動には批判的ですが、寛大な移民政策、つまりヒトの国家間移動には賛成しがちです。一方、中道右派の人たちは移民の増加を批判しながらも、資本とモノの自由な移動は支持して促進しています。矛盾しているのはどちらでしょうか?」
ピケティ「やはり私の答えとしては、資本移動と貿易のほうをより厳しく規制すべきだと思います」(本書より)
矛盾しているのは、君たちだよ。君たちは大学人だから、留学できない世界が考えられないだけではないの?
古代ローマ帝国は民族移動の影響で滅んだではないか。人の移動は、文明の存続にかかわるのだし。
でもまあ、サンデルはソクラテス風の問答法の学者だから、自分の答えは頭にあるけれど、こういう問いかけをするスタイルの人なのだと思っている。民主社会主義を標榜するピケティにこう問題提起する。
サンデル「移民問題はわれわれに国境の倫理的意味とは何かという疑問を投げかけ、こうした疑問にもっと満足のいく答えを用意できるかどうかに左派の政治の未来がかかっている」
ピケティは答える。「要するに左派の問題は、経済構造のあり方を問いなおしてこなかったこと、そしてあなたご自身がきわめて明確に示していらっしゃるように、その経済構造のなかで常に勝者の立場だったことだと思います。この問題にはまともに目が向けられてきませんでした。現在の左派は基本的に、「国際合意を取りつけるべきだ、国際合意が必要だ」という姿勢ですから。それで、国際合意が取りつけられなかったらどうするのでしょう?何もしません」(本書より)
何もしません、って、え?勝ち逃げ? ピケティおまえな。。。
サンデルは現代の特権階級の問題をきちんと議論したいようなんだが、ピケティは乗り気でなく、やっぱり民主社会主義にしていくのが大事なんだろうてなことを言っている。こういうのが今の左派の限界なんだろうな。
Posted by ブクログ
非常に示唆に富んだ本でした。
都議選を終え、参議院選挙を控えた今の時期にぜひ読んでほしい一冊です。
トランプの台頭、日本でも排外主義が蔓延し始めた状況に危機感を覚えつつも、ポピュリズムに一定の魅力を感じなくもないと私は思ってしまいました。
怖かったです。
だってヒトラーでも民主主義のプロセスの中から出てきたのだから、自分が誤った価値観で投票することが一票という小さな影響がしれないけれど日本を悪くしてしまうかもしれないと。
なので、勉強の一環としてこの本を手に取りました。
漠然としか認識していなかった、
能力主義
平等と公平
グローバリゼーションの物/人/金の違った側面
それぞれが明確な形を持って切り取られ議論されています。
何がいいか悪いかの結論はすぐに出るものではありません。問題点の輪郭がはっきりとしたのが、すごくよかったです。
グレーな問題に対して自分はどういう立場を取るのか、どんな社会を望むのか、これからよく考えていきたいと思います。