作品一覧

  • 音楽の黙示録 クラシックとジャズの対話
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    読者の何割かは最後の章まで読破するでしょう。 そのうち一定数の方々は、不愉快な思いをし、お怒りになるかもしれません。 が、一方で、俎上に挙げられたさまざまな事象とその論考に瞠目し、 心の裡で喝采してくださる方々もいるはずです。 ──南 博 本書で、私が書いてきた領域は多岐にわたっている。 音楽家の矩(のり)を踰(こ)えていると思う方が大半だろう。 だが、私が書きたかったことは、まさに、そうした実は何の根拠もない「矩」をこしらえた、 何か大きな力に対するリゼントメント(憤激)である。 ──森本恭正 ラディカルに、そしてロジカルに権威を切り裂く多能な作曲家と、 言葉のインプロヴィゼイションで読む者を覚醒させる異才ピアニストが ジャンルを超えて交わした言葉のインタープレイ。 誰も語れなかった〈音楽〉がいまここから聞こえてくる──
  • 西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~
    4.2
    1巻814円 (税込)
    日本では、週末のゴールデンタイムに、かなり専門的なクラシック音楽番組がたっぷり全国放映されている。また、大都市は勿論、地方都市においても、毎晩何処かでクラシック音楽のコンサートが開かれている。しかし、私たちはクラシック音楽の本質を本当に理解しているだろうか? 作曲家・指揮者としてヨーロッパで活躍してきた著者が、その体験を軸にゼロベースで問い直す、西洋音楽の本質。【光文社新書】
  • 日本のクラシック音楽は歪んでいる~12の批判的考察~
    4.3
    1巻968円 (税込)
    本書における批判の眼目は、日本における西洋音楽の導入において、いかに我々は間違ってそれらを受け入れ、その上その間違いに誰も気がつかず、あるいは気がついた者がいたとしても訂正せず、しかも現在まで間違い続けているか、という点である。(本文より)明治期に導入された西洋音楽。だが、その釦は最初から掛け違っていた。作曲家・指揮者として活躍する著者が、二十年を超える思考の上に辿り着いて示す、西洋音楽の本質。

ユーザーレビュー

  • 日本のクラシック音楽は歪んでいる~12の批判的考察~

    Posted by ブクログ

    この本は批判精神に満ち溢れていて面白い。井口さんの話とか、彼はまあ西洋圏では知られてないとか、そういう雑多な内容もあるんだけど、個人的に興味深いなと思ったのは、この本が断章のような形式を採用していること。批判的考察、というタイトルからもわかるように、ニーチェのような思想を意識した面もあったかもしれない。ドイツでは50年遅れて出来事が起こる、という話を印象深く覚えている。批判の多くは日本の音楽や、日本での西洋音楽の受容に向けられたものであり、日本音楽の閉鎖性に対するその批判精神には目を見張るものがあるが、とはいってもそれは私には著者の持つ西洋的なものの見方である印象は拭えなかった。重要な示唆に富

    0
    2025年10月13日
  • 日本のクラシック音楽は歪んでいる~12の批判的考察~

    Posted by ブクログ

    例えば日本に西洋音楽を持ち込んだ明治人の批判とかはおれにはわからないんだけど、とにかく音楽に関していろんなことに気付かせてくれた。
    楽譜の忠実な再現してを求めた一時的な新即物主義の時代に井口基成はヨーロッパに行ったから、それが日本の西洋音楽を形作った。旋法の音楽が調性の出現で変化しバロック音楽が生まれたが、このような音楽は西洋音楽だけ。音楽で話すためには、西洋の言語を知らないとわからない、それはドイツでドイツ語でドイツ時から長唄を習うようなもの。当道座という盲人の集団のみが音楽を作ってきた日本の特殊性。黒人の音楽性が寄与したのはリズムではなくハーモニー。君が代は世界で唯一の非西洋音楽の律旋法で

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    2024年03月02日
  • 西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~

    Posted by ブクログ

     「クラシックに狂気を聴け」というタイトルは『狂気の西洋音楽史』を思い起こさせる。またかという気持ちとともに、森本恭正なる作曲家、しらんなあと呟きつつ手に取る。この著者、Yuki Morimotoなる名前でヨーロッパで活躍しているという。それなら、CDを見たことはある。森本氏、日本の音大を出てプロの指揮者となっても、ある「もどかしさ」につきまとわれていた。それは単純化すれば、日本で西洋音楽をやるということの違和感であろう。彼はそのもどかしさに駆られてアメリカに渡り、そしてヨーロッパに移り、以来、ウィーンを活動の場としてしまったのだ。

     その森本氏が西洋音楽とは何かと考えてきたことを綴ったのが

    0
    2016年02月11日
  • 西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~

    Posted by ブクログ

    これは面白い!個を主張しヒエラルキーなartificialな西洋音楽 vs 竹林に吹く一陣の風的natureな邦楽。最後の君が代分析はオリンピックで君が代を聴くと感動するけどaggressiveな高揚感が無い違和感の原因を大得心。

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    2012年05月10日
  • 西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け~

    Posted by ブクログ

    新書だし、休日にパッと読もうと思って実際にパッと読んでしまったが、もう一度ちゃんと読もうと思える内容。西洋音楽、特にクラシックの呪縛はイイ意味でも悪い意味でも根深いものともともと感じていたが、それを論理的に明かしてくれていると思う。サッカーと政治の本というのも多数出ているけど、この本で語られている音楽と政治の関わりも非常に興味深い。どのような音楽を政治に用いたか(例えばワーグナーとナチス)みたいなことではなく、クラシックという音楽の構造自体が、支配という考えに裏打ちされている音楽だということが分かりやすく語られている(決してそれを批判しているわけではない)。それとともになぜ現代音楽というジャン

    0
    2012年03月18日

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