山本善行の作品一覧
「山本善行」の「命の家 上林曉病妻小説集」「関西赤貧古本道」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
山本善行『本の中の、ジャズの話。』ちくま文庫。
2009年から京都銀閣寺近くに店を構える『古書善行堂』の店主による日常エッセイ&ジャズ本ガイド。関西のジャズ情報誌『WAY OUT WEST』連載コラム180編の文庫化。
サラリと読めてしまうが、本体価格1,200円には少し驚いた。それだけジャズやジャズ本、ジャズ喫茶の情報が詰まってはいる。
著者は日常的に古本屋やCD店を巡り、古本を携えてジャズ喫茶を楽しんでいるようで羨ましい。自分は盛岡の学生時代は『パモジャ』や『ダンテ』などのジャズ喫茶に通っていた。就職して一関に引っ越してからは全国的にも有名な『ベイシー』に通っていたのだが、そんな時代を思い出すような数々のコラムは読んでいて楽しい。
ジャズにも様々なスタイルがあり、様々なミュージシャンが居るが、本作の中で紹介されるのはゴリゴリのモダン・ジャズが多いようだ。マイルス・デイヴィスもエレクトリック以降の曲は紹介されず、ウェイン・ショーターもウェザー・リポート時代など無かったかのようだ。ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、スタン・ゲッツ、チャールス・ミンガスなどは何度も紹介されている。
ジャズ本となると昔こそ、文庫本などでも刊行されていたが、今の時代だと新刊は希少ではないかと思う。
植草甚一の『ジャズ・エッセイ』、殿山泰司の『殿山泰司のミステリ&ジャズ日記』、相倉久人の『モダン・ジャズ鑑賞』も大昔に読んだ。紹介されているジャズ本で既読はこの3冊くらいだ。
菅原昭二の『ジャズ喫茶「ベイシー」の選択』は『ベイシー』のマスターの自伝的エッセイで、地元の北上書房には山積みになっていた。自分は一関時代に『ベイシー』に通っていたのだが、何時も難しい顔をしているマスターは自慢話と若い女性が好きで、仙台や東京辺りから綺麗どころが来店するとレコードに合わせてドラムを叩いてみせていた。日本一良い音だと言う『ベイシー』であるが、昔、盛岡の隣の滝沢にあった『6ペンス』の方が優れていたように思う。
本体価格1,200円
★★★★
Posted by ブクログ
作者上林暁の著作は、これまで本書の編者山本善行氏の編集したものをt何冊か読んできたが、本書は、上林のいわゆる「病妻物」と呼ばれる作品に絞って編集された作品集。
上林の妻は昭和14年に精神の病を発症(現在に言う統合失調症だったようだ)し、昭和21年に入院先の病院で亡くなったが、本書では初めて入院させる際の様子を描いた『林檎汁』から始まり、病院から一時的に家に戻ったときの子どもたちとの接触の様子を綴った『命の家』、病院で付き添った際の妻とのやり取りが描かれる『聖ヨハネ病院にて』(戦時中ということもあり、乏しい食べ物を巡っての夫婦間の悲喜が印象的)、臨終の死に目に間に合わなかったときから葬儀までを描く『嬬恋い』、幼くして母と離れた暮らしを余儀なくされた子どもたちそれぞれに送る父親の手紙『庭訓』などを読み通すことで、読者としても上林の妻に対する思いを追体験するような感情に捕らわれる。
これらの作品は、現実の時間の進みと同時進行で書かれ発表もされているわけだが、いくら私小説作家とは言え、妻の病気(それもこの時代には気違いと言われた病気)のことを書くことは非常に大変なことだったと思われる。作者自身、「お父さんは、小説の中には、包み隠さず、あからさまに何も彼にも書いたよ。小説を書く以上、そこまで突き詰めて書かなくては承知出来なかったんだ。嘘や隠し立てをして、自分の境遇をごまかしては、作家の道がすたれるとさえ思ったのだ」(本書289頁)と書いているが、正に作家としての意気地を感じた。
もちろん、8年という長期間のこと、作者自身の綺麗ごとでは済まないいろいろな感情や態度も生々しく描かれているが、それだけに一層心撃たれるものが多い。
Posted by ブクログ
入口の均一台を見逃すな。絶版文庫を探せ。古雑誌の山に向かえ。検印紙も魅力のうち。書き込み本を無視するなかれ。古書目録は面白い。古本祭りには攻略法がある。ネット・オークションに参加したら。いつか売る日はやってくる。…自慢じゃないが、金はない。しかし誰より古書が好き。この三十年、365日古書店通い。ねらうは安い、面白い、珍しい。まさに関西流儀の超絶技巧。(帯)
文章全体にどこかテレが感じられて、ところどころ詰まりました。しかし、内容自体は古本好きの悲喜交々、大変面白く読みました。
あぁ古本屋に行きたい。買いたい。
…それにしても、帯の文句はもうちょっとどうにかならなかったんだろうか。