作品一覧

  • 星砕きの娘
    4.1
    鬼が跋扈する地、敷島国。鬼の砦に囚われていた少年鉉太は、ある日川で蓮の蕾と刀を拾う。砦に戻ると、驚いたことに蕾は赤子に変化していた。蓮華と名づけられた赤子は、一夜にして美しい娘に成長する。彼女がふるう刀〈星砕〉は、人には殺すことのできない鬼を滅することができた。だが、蓮華には秘密があった。〈明〉の星が昇ると赤子に戻ってしまうのだ。鉉太が囚われて七年、都から砦に討伐軍が派遣されるが……。鬼と人との相克、憎しみの虜になった人々の苦悩と救済を描いたファンタジイ大作。第四回創元ファンタジイ新人賞受賞作。/解説=乾石智子
  • 歌う峰のアリエス
    3.8
    どこまでも広がる青空の下、創世主ファティマの使命により、紙飛行機(メール)を召還し、寄生する悪いもの(ウィルス)を取り除く毎日を送る〈羊〉たち。飛び交う紙飛行機の途方もない数に、人間たちの切実な思いを感じつつ。いっぽう、その世界の外側で、失踪した天才プログラマー・ファティマの跡を追う〈教授〉は、その娘〈ジュニア〉を引き取ることにするが……。第10回C★NOVELS大賞大賞受賞作

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  • 星巡りの瞳
    3.7
    双眸に星を宿した天の申し子。人々を真なる道に導く――そう予言され生まれてきた柳宮家の嫡男白珠は、ある事件をきっかけに右目ばかりか宮城内での地位もすべて失い、世捨て人のような生活を送っていた。だが、妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことから、運命の歯車は大きく回り始める。うち捨てられ、鬼の巣窟となったかつての都。そこに巣くっていたのは、元は人でありながらも妄執に囚われ鬼と化した、鬼の王陽炎だった。『星砕きの娘』から遡ること数百年、星の目を持つ男と鬼との壮絶な闘いを描いたファンタジイ大作!/解説=東雅夫
  • 星砕きの娘

    Posted by ブクログ

    最近読んだファンタジーの中で最も好きだと言える一作。

    明教という作中オリジナルの宗教(仏教ベース)に見られるようなオリジナルかつイメージしやすい世界観の設定や、序盤に山場を持ってきながら後半にかけて主人公の少女・蓮華の成長物語に収斂させていく構成の妙に作者の誠実さが伝わってくる。

    とても一冊の本とは思えないくらい密度の濃い作品で、読む手が止まらなくなる感覚は久しぶりだった。

    関連作の『星巡りの瞳』をこれから読むが、読む前から楽しみで仕方がない。

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    2022年09月20日
  • 星巡りの瞳

    購入済み

    鬼と仏と

    最後は何だか仏教の深淵に触れたかのような気になりました。主人公は損な性分というか、難儀な奴です。そして、鬼になった陽炎と恋人の話が切ない。阿竹もいい奴なのにな。人の嫉妬心とか悪意は怖いものです。白珠は色々なしがらみから逃れて自由になれたようですが、きっと今後も色んな事に頭を突っ込むことは止められないでしょう。破戒僧と従者の道中のその後を読んでみたくなりました。

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    2021年11月03日
  • 星砕きの娘

    Posted by ブクログ

    第4回創元ファンタジイ新人賞受賞作(2018年)。松葉屋なつみは新人離れをした力量を持った作者だ。巻を置くを能わずという感じで読んでしまった。どうも日本の室町時代っぽい時代の辺境でのファンタジイ。
    母とともに鬼に捕らわれて、鬼の砦で働かされている鉉太は、あるとき川底で一振りの刀と流れてくる蓮の花を拾い上げる。蓮の花は赤ん坊に姿を変え、驚くべき速さで娘に成長する。しかし、明の星が上るとたちまち赤ん坊に戻ってしまう。ここから、この鉉太と娘の蓮華の冒険譚が始まる。人の心の悪が寄り集まって鬼を生む。鬼たちが跋扈するこの世界は、現実の世界の象徴なのだ。二人は、人々が安心できる国を作るため奮闘する。星砕き

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    2021年08月09日
  • 歌う峰のアリエス

    購入済み

    とてもいいお話

    ネットワーク上に存在する「羊」とそれを作った人間とのお話。
    とても読みやすい文章で、するするとお話にのめり込んでしまいました
    話の持っていき方が素晴らしく、何度も起きるどんでん返しにすっかり翻弄されてしまいました。
    おとぎ話を読んでるような感覚で、読んでいるととても温かな気持ちになれる作品です。
    興味がある方は是非お試し読みをオススメします。読んで損はさせません

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    2014年09月21日
  • 星砕きの娘

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    「星巡りの瞳」から読んでしまったが、大丈夫だった。
    1冊の密度がすごい。
    この人の物語をもっと読みたいと思えるような作者に久しぶりに出会えて歓喜している。

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    2024年03月29日

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