プロフィール

  • 作者名:小林エリカ(コバヤシエリカ)

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作品一覧

  • マダム・キュリーと朝食を
    3.0
    1巻506円 (税込)
    どうして、目に見えないもののことは、大切にできないんだろう――。「東の国」に流れ着いた猫と、震災の年に生まれた少女、雛。猫は放射線を“光”として見ることができ、雛の母たちはその“光”を音として聞くことができた。ラジウムの発見は世の中を大きく変えたという。一体どんな風に? 一匹と一人は時空と場所を飛び超え、エネルギーの歴史を知る旅に出る。問題提起に満ちた長編小説。
  • 走る?
    3.4
    1巻764円 (税込)
    あなたは走っていますか? 人生には、走るシーンがつきものだ。 中田永一、東山彰良、柴崎友香など、十四人の多彩な作家が「走る」をテーマに競作した異色のラン小説アンソロジー。 【収録作品】 中田永一「パン、買ってこい」 柴崎友香「ベランダと道路」 王城夕紀「ホープ・ソング」 佐藤友哉「熊の野戦」 遠藤徹「桜の並木の満開の下」 前野健太「いびきが月に届くまで」 古川日出男「藤村加奈芽のランニング・ストーリー」 岩松了「走る男」 小林エリカ「飛田姉妹の話」 恒川光太郎「リスタート」 服部文祥「小さな帝国」 町田康「ずぶ濡れの邦彦」 桜井鈴茂「誰にだって言いぶんはある」 東山彰良「或る帰省」
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ
    3.0
    1巻1,287円 (税込)
    いつか必ず死にゆく人間の儚さと確かさを描く小説集。祖母が遺した宝石を身に着けると、孫娘は、祖母の過去の体験を夢に見る――「宝石」。資源が枯渇して紙の本がなくなった未来とは?――「燃える本の話」。原子力の歴史と、ひとりの女性の個人史が交わる「日出ずる」。時空を越えて娘の体験と母の記憶が重なりあう「シー」。類まれな想像力と遙かな時間軸で描かれる全4編。
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    いつか、ここに、遠くに、存在した誰か。 言葉によって、わたしたちは出会える。 ――柴崎友香さん推薦 シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。 時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。 「そこでは、もうとっくのむかしに死んでしまった人たちが、みんな生きていた。リブロの目の前、ここに、生きていた。」 百年前のロンドンから、戦争と震災をへて現在まで、家族の記憶とホームズの物語が鮮やかに交錯する――。 無数の喪失を超えて生き続ける言葉の奇跡を描く、注目作家・小林エリカの最新傑作小説。
  • トリニティ、トリニティ、トリニティ
    -
    1巻1,683円 (税込)
    オリンピックに沸く2020年夏の東京。「目に見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる――ノンストップ近未来長編! ○「20世紀最大の呪いは、原子力の発見とその実用化だった。小林エリカは核に取り憑かれた作家だ、いや、核に取り憑いた巫女だ。その予言は私たちを震え上がらせる」――上野千鶴子氏(社会学者)
  • 彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!
    4.5
    1巻1,760円 (税込)
    リーゼ・マイトナー、伊藤野枝、メイ・サートン、ヴァージニア・ウルフ、マルゴー・フランクとアンネ・フランク姉妹、湯浅年子…この女を見よ! 科学者、詩人、活動家、作家、スパイ、彫刻家etc.「歴史」の中で、おおく不当に不遇であった彼女たちの「仕事」がなければ、「いま」はありえなかった。彼女たちの横顔を拾い上げ、未来へとつないでいく、やさしくたけだけしい闘いの記録。
  • おこさま人生相談室
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    「なに? もっとこどもみたいにいうと思った?」 ――Ricoさん(7歳) 自分をかわいいと思えない。 父を老人ホームに入れたい。 地球温暖化への無関心が気になる――。 おとなたちの本気の悩みに、おこさまたち102人が本気で向き合う「いつもと逆」の人生相談。人気WEB連載、待望の書籍化!  「よくよく考えてみれば、年を重ねたからといって偉くなれるわけでもないし、いつも正しい答えを知っているとはかぎらない。おとなだって悩むこともあるよね。ひょっとすると、こどもの方が答えを知っていることだって、あるかもしれないよね。というわけで、おこさま人生相談室、始めました」 ――「はじめに」より ★本書に収録された、おこさまたちの回答より 「しあわせだったらいいかな」 「アニメ観て、ちょっといっぷく」 「2回深呼吸」 「軽い嘘とか役に立つこととかありますんで」 「わがままでいいよ」 「ほしゅわ ほしゅわは~」 「あさ娘さんを抱きしめて」 「理解を深めれば自分の気持ちも変わる」 「神様がくれた命を大切にしてほしい」 【著者略歴】 小林エリカ〈こばやし・えりか〉 1978年生まれ。作家、アーティスト。 著書に小説『女の子たち風船爆弾をつくる』(毎日出版文化賞受賞)、『最後の挨拶 His Last Bow』、『トリニティ、トリニティ、トリニティ』、他。エッセイ『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』、コミック『光の子ども』シリーズ、絵本『わたしは しなない おんなのこ』。訳書にサンギータ・ヨギ『わたしは なれる』。国内外の美術館やギャラリーでテキストと呼応するような展示もおこなう。 現在、「MilK MAGAZINE japon」で「おこさま人生相談室」第2弾を連載中。

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  • 女の子たち風船爆弾をつくる
    4.3
    1巻2,600円 (税込)
    少女たちの知られざる戦争体験 日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。 できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。 彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。 しかし、少しずつでも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。 冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。 やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。 来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。 それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。 ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。 いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。 彼女たちは今日からここで風船爆弾を作るのだ……。 膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。

ユーザーレビュー

  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    気軽に読み始めたんだけどとても重かったしよかった。

    始まりは昭和10年。雙葉や跡見や麹町に通い宝塚歌劇を見にいく女の子たちの豊かでモダンな日常とその後景の軍国主義と翼賛の描写。よく史料で見る昭和初期の奇妙に明るい都市生活が活写される。まもなくその後景はずいずいと前へ出てきて女の子たちの生活を塗り潰し、兵器の製造に加担させるまでになる。

    主語は「わたし」だが匿名で複数の群。歴史上の有名人も「〜した男」と匿名。「わたしたちの兵隊」「わたしたちの飛行機」という繰り返しは女の子たちも戦時体制と一体であり第三者ではないことを意識させる。あるいは読者もか。人称の使い方が非常に効果的。
    その中で靖国など

    0
    2025年11月16日
  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    これは今年1番かもしれない。読んで良かった1冊。1人でも多くの人に読んでもらいたい本。普通の日常から、段々と戦争に巻き込まれていく様が、心の描写が丁寧に繊細に静かに語られていく。恥ずかしながら風船爆弾の事はこの本で初めて知った。風船爆弾だけではなく、自分はまだまだ知らないことばかりだと痛感した。

    0
    2025年09月18日
  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    ものすごい本。知らないことばかり。
    戦争がはじまる前の社会の雰囲気や、そこでの普通の私たちのたわいもない日常が、とても細やかに描かれていて、段々と段々と、戦時中になっていったんだ、ということが染み入った。私だったかもしれない、わたしたち。まず忘れ去られるような、小さな小さな市民の具体的な記憶を、こんなにも丁寧に掬い上げて本にしてくれて、本当に読めてありがたい。

    0
    2025年09月13日
  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    すさまじい傑作!
    毎日出版文化賞らしいが、そんなことより、もっと話題になって、大ヒット作になるべき!



    まず最初に、本作の先見性について指摘しておく。

    本作では、「わたしたち」という主語が多用される。
    「わたしたち」が指す対象が、一文ごとに、変化したり、二重・三重の意味があったりする。
    その表現手法により、現在の日本社会に、鋭い問題提起をしている。

    2025年7月の参院選において、なぜか突如として"外国人"が焦点となった。

    「わたしたち」の健康保険制度や生活保護制度を、外国人が悪用している。
    「わたしたち」の町の治安を、外国人が悪化させている。

    といった、排外

    0
    2025年08月03日
  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    すごい本を読んだ。
    かつての東京宝塚劇場、中外火工品株式会社日比谷第一工場に集められた「わたし」たちは「ふ号兵器」、風船爆弾の製造に従事する。

    最初は「わたしは、ドキドキする。わたしは、わくわくする。わたしは、そのどちらでもない。」とか「わたしたちの兵隊」とか「わたしたちの朝鮮の首都」といった文章に混乱する。そのうち、なるほど色々な少女がいたことを表現しているのだなとか、わたしたちの=大日本帝国のというような意味なのだなとかがわかってくる。

    自分もその少女の一人のような気持ちになってきて、この時代に生まれていたら自分はどんなふうに生き抜いただろうかと想像しながら読む。
    焼夷弾で焼けた焼けた

    0
    2025年06月15日

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