入不二基義の作品一覧
「入不二基義」の「足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想」「あるようにあり、なるようになる 運命論の運命」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「入不二基義」の「足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想」「あるようにあり、なるようになる 運命論の運命」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
私の好みとしては本書の第6章がすこぶる良かった。デイヴィドソンについての本を最近読んだばかりのせいかもしれない。
ただ解説者の野矢茂樹さんが言っている通り、分岐の可能性もあったと思う。つまり、理解不能なものが一つであることはできなくてゼロ個以上のどこかであるとも考えられる。物質を分割しても一種類の素粒子とは限らないように。
私は私がいなくても世界は存在していて、むしろ私が、いるのが邪魔だと思っていたこともあった。最近はどちらかというと、私なしではこの世界が存在しなくなるという方向に向かっていた。反復していくという発想はなくもなかったが、元気づけられたことは確かだ。
永井均さんがネッカーキ
Posted by ブクログ
本書は単独作としては6年ぶりとなる入不二基義の哲学書である。前作『足の裏に影はあるか? ないか?』が随想集であったことを思えば、『時間と絶対と相対と』以来実に8年ぶりの哲学書ということになる。しかし待った甲斐があり、入不二本人があとがきで「主著」と位置づけているくらい、量的にも質的にも入不二哲学の集大成とも言うべき内容に仕上がっている。
『時間と絶対と相対と』の最終章「運命論から何を読み取るべきか」をさらに展開し徹底したこの作品は、もともと講談社の月間情報誌『本』に連載されたものであったが、単行本化の過程で大幅な加筆・修正がなされており、入不二哲学初心者はもちろんのこと、連載を読んでいた読者
Posted by ブクログ
哲学者入不二基義氏による初のエッセイ集である。既刊の序文を中心に構成された第ⅰ部、時間論的な哲学エッセイを集めた第ⅱ部、時事ネタを含む日常的エッセイの第ⅲ部、そして付録のプロレス論、どこから読んでも入不二哲学の魅力に触れることができる。
同氏の既刊書はよくもあしくも本格的な哲学書がほとんどだったため、その分かりやすさとは裏腹に一般読者にとっては不当に馴染みの薄い哲学者であったが、本人をして「こういう本をずっと書きたいと思ってきた」と言わしめた本書は、読者を選ばぬ読みやすさと哲学ファンをも納得させる深さを兼ね備えた好著となった。
個人的には第ⅱ部の書き下ろし三篇が最も刺激的であり眩暈すら覚
Posted by ブクログ
哲学者入不二基義氏のデビュー作でありながら入手困難の状態が続いていた幻の名作が、ちくま学芸文庫に殿堂入りして帰ってきた。春秋社版を読み損ねていたわれわれファンにとっては待望の文庫化である。
「あらゆる真理は相対的である」という相対主義の考え方を、相対主義自身に適用するとどうなるか。相対主義もまた相対的にのみ真であるということになってしまい、自己論駁に陥るのではないか。
ここで「枠組み」という概念が重要になってくる。「Sは枠組みXにおいては真であり、枠組みYにおいては偽である」という主張が成り立つためには、枠組みXでも枠組みYでもない、両者を俯瞰する枠組みZが必要であろう。しかしその枠組みZ