作品一覧

  • 読者に憐れみを

    読者に憐れみを

    小説・文芸

    4.2
    1巻3,520円 (税込)
    『スローターハウス5』『タイタンの妖女』などで知られる戦後アメリカを代表する作家、カート・ヴォネガットの「書くこと」と「人生について」 辛辣で、機知に富み、心優しきニヒリスト、ヒューマニストで、教師としては熱血漢、「書くことは魂を育むこと」を生涯の信条としたヴォネガットの教えを、彼自身の言葉と小説の引用、そして周囲の人々の談話からまとめた、「ヴォネガット流・創作指南+回顧録的文章読本」が生誕100年を記念し、待望の邦訳! 「本書の各所に引用されるヴォネガットの助言を読むうちに、自分にも小説が書けるという気持ちになってくる。それはとても苦しいものであることをヴォネガットが強調してもだ。何度も書き直し、声に出して読み、読者の負担を最低限にするべきことを繰り返し言う。でもしかし、その人にしか語りえないことというものがあるのだ。」 ――円城塔(作家) 本書では、彼の教え子であったマッコーネルによるヴォネガット自身の言葉と実際の作品の引用から、作家としての苦闘や、戦争体験や母親の死など、彼の人生に生涯つきまとった「影」、戦後の時代精神を体現するベストセラー作家となった成功の秘訣のほか、「つねに学び、つねに教えていた」という教師としての素顔が丁寧に分析され、余すところなく説明される。 さらに、文章や物語を書く際に必要な原動力、才能、想像力の飛躍、勤勉さ、反省、ブラックジョークについて、生計を立てること、心身のケア、はたまたコミュニティの重要さにいたるまで、さまざまな角度からユーモアを交えながら真摯に語られる。加えて、物語はどこから生まれるのか、冒頭部の書き方、プロット、登場人物の書き方、耳で聞く文章と目で見る文章の違い、見直しと校閲などのコツとテクニックについても惜しげもなく披露される。その驚くほど実践的なアドバイスは、作家志望者のみならず、文章を書く時に悩んだことのある人、何かの課題と格闘して自分は無能だと感じているすべての人の心に突き刺さるだろう。ヴォネガットの手稿や実際の原稿、メモ書きや、出版社からの手紙なども多数収録した、ヴォネガットファン必見の一冊となっている。 ちょっと風変わりで、だけど読むと書き続ける勇気が湧いてくる、カート・ヴォネガットの教えを一冊にまとめた、創作指南+回顧録の決定版。
  • ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実

    ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻1,738円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 10万部突破の人気シリーズ! 21世紀の世界的著名人の素顔に迫る 脚色なしの発言集《生声》シリーズ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ なぜウォーレン・バフェットは世界一の投資家でい続けられるのか? 世界一著名な投資家として名高い、「投資の神様」こと ウォーレン・バフェットの素顔とは? 自ら語った言葉【生声(なまごえ)】だけを厳選して掲載! 株主への手紙、スピーチ、インタビュー… ありのままの言葉だからこそ、本当の姿が見えてくる。 投資先の業績悪化、リーマンショック、数々の荒波を乗り越えたバフェットの投資哲学とは? ここでだけ明かされる、人間らしい素顔からビジネスの思考法まで! これまでで最もウォーレン・バフェット本人を身近に感じられ、かつ彼の思考法が簡潔にまとまった1冊です。 ●本書の特徴 ・ウォーレン・バフェットが自ら語った、本人の言葉だけを収録! ・仕事だけでなく人生や投資にも役立つ、何度も読み返したくなる言葉が満載! ・1ページに1発言だから、手軽にサクッと読める! ・発言が時系列順だから、さまざまな状況での発言や思いがわかる! ・英語の原文も掲載! 本人が発言したニュアンスをより正確に知ることができる! ●こんな方におすすめです ・誰かの言葉を通して語られる人物像ではなく、本人の素顔が知りたい ・成功したときの言葉だけでなく、苦難のときの言葉や、人間らしい側面も知りたい ・偉大な投資家の思考法の、核心だけを簡潔に知りたい ・人生や仕事に、ぶれない軸が欲しい 【目次】 序章 PART1 戦略―1969‐1988 (株を買う時、アイデアの枯渇、買い時、タイミングは自分で決める、株価だけで示せない価値、ほか) PART2 慧眼―1991‐1999 (「賢明なる投資家」、不況時に買う、株を買ってよい時、ウォール街の2面性、ほか) PART3 頂点―2002‐2004 (くだらない専門用語、投資家にとってのチャンス、初めて買った株、ほか) PART4 磐石―2006‐2011 (投資と運動の法則、幸運に恵まれた、ほか) PART5 還元―2011‐2013 (レバレッジ中毒、信用は酸素と同じ、ほか) PART6 遺産―2014‐2018 (他人の真似をしない、バカでも経営できるビジネス、ほか)
  • 小学館世界J文学館 宝島

    小学館世界J文学館 宝島

    小説・文芸

    -
    1巻990円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 少年 vs 海賊! 宝物をねらって始まる大冒険! もしも、本物の宝の地図が手に入ったら? それはもう、冒険に行かずにはいられない! もちろん主人公のジムも同様。宿に泊まりこんでいた老いた船長。謎めいた船長は、実は有名な海賊フリントの仲間だった。船長はずっと一本足の海賊が来るのを恐れていて、ジムにそいつが来ないかを見張らせていた。ある日、ラム酒の飲み過ぎで倒れて、すっかり体が弱った船長は、仲間が訪ねて来た日にまた倒れて亡くなってしまう。船長の荷物から宝物の地図を見つけたジムは、医者のリブジー先生と大地主のトリローニさんに見せる。この地図が本物だと確信し、ジムたちは一緒に宝を探す冒険へと出発することになるのだった。冒険に旅立つ船には、ジョン・シルバーという片足のない料理人が乗っていた。ジムと仲良くなったシルバーこそ、宿に泊まっていた船長がおそれていた相手だったのだ! 愉快な男・シルバーは、実は恐ろしい本性を隠し持っていたのだ! 宝を目指した航海は、無事に成功するのか? 読み始めたら止まらない冒険活劇の始まり!! ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 天才たちの日課 女性編

    天才たちの日課 女性編

    ビジネス・実用

    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    草間彌生、ピナ・バウシュ、フリーダ・カーロ、ヴァージニア・ウルフ、マルグリット・デュラス、スーザン・ソンタグ、ミランダ・ジュライ──女性の作家、画家、デザイナー、詩人、アーティストたちは、いかにして日々「制作」に立ち向かい、「生活」と「仕事」 の折り合いをつけていたのか。 働く女性にとって、これはもはや実用書だ。 ――伊藤亜紗(美学者・東京工業大准教授) 143人の日課が束になって力をくれる。 ――斎藤真理子(翻訳家) ロングセラー『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』の第2弾! 前作で取り上げた161人のうち、女性は27人しかいなかったことに大きく反省した著者が、創作に打ち込むクリエイティブな女性たち143人の、惚れ惚れするほど鮮やかでとても真似できない、ユニークで並外れた苦闘と試行錯誤の連続を丁寧に拾い集め、できる限り正確にまとめあげました。 それぞれの人物を特徴づける日々の日課や「仕事のお供」の嗜好品などはもちろん、創作に適した精神状態の保ち方や自信がなくなったときの対処の仕方など、彼女たちが切実な状況を乗り越えてきた姿は、現代の窮屈で不自由な枠からはみ出そうと格闘するすべての才能あふれる人々にとってとても他人事とは思えない、自由と勇気を得る福音の書となるはずです。 さらに今回、女性にフォーカスを当てたことで明らかになったのは、わたしたちがいわゆる「天才」に期待する奇行や儀式めいた日々のルーティンよりも、もっともっと切実な女性特有の葛藤や波乱があったということです。 女性たちは常に、おもに家庭生活において自分だけの場所や時間を確保できないという困難や、女性であるがゆえに受ける偏見や差別を乗り越えるという苦闘に直面させられています。収録されている143人すべての女性たちの日課を見てみると、その先には、女性が創作を仕事にするためにどれだけ格闘し、仕事を続けることがどれだけ困難だったのかを、如実に感じることでしょう。本書は、過去、現在そして未来の、ものをつくり、はたらき、生活していくすべての女性たちの姿を静かに照らし、現在進行形の問題としてわたしたちの胸に迫る、本物の実用書なのです。
  • 文学効能事典 あなたの悩みに効く小説

    文学効能事典

    小説・文芸

    3.7
    1巻2,200円 (税込)
    本書は、体や心の具合が悪いと感じたときに開いて、その対処法を知るために参考にしてほしい。  といっても、いわゆる健康本や医学解説書とはちがう。どこがちがうかというと、まず、取り上げている症状や悩みの種類がバラエティに富んでいる。体の痛みも心の痛みも区別することなく取り上げているので、この本を開けば、「腰が痛いとき」や「歯が痛いとき」と同様に、「恋人と別れたとき」の対処法もみつかる。また「ホームシックのとき」や「飛行機がこわいとき」など、ストレスを感じやすい状況も取り上げているし、「結婚相手をまちがえたとき」や「職を失ったとき」など、人生の深刻な危機も心身の不調をもたらす悩みとして取り上げている。さらに「二日酔いのとき」や「ユーモアがわからないとき」などのささいな症状や悩みも、ケアの必要な疾患とみなしている。  そしてもう一つちがうのは、ここがいちばん肝心なのだが、症状の改善のためにすすめる「薬」が、薬局ではなく書店や図書館にある点だ。場合によっては、ネットショップから手持ちの端末にダウンロードすることもできる。つまり治療に使うのは「本」なのだ。  取り揃えている「薬」は、ヘミングウェイ、トルストイ、メルヴィルはもちろん、古くは2世紀の作家アープレーイユスの『黄金の驢馬』から、現代の強壮剤ともいうべきジョナサン・フランゼンの作品まで、2000年に及ぶ文学史のなかから、最高の優れた知性にあふれ、もっとも心身の回復効果が期待できる小説を集めた。  読者の皆さんは普通の薬と同じように、処方された本は最後まで読み切り、いま以上の健康と、幸福と、より多くの知恵を手に入れてほしい。自分なりの処方箋をもっておくのもいいかもしれない。

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  • 天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

    天才たちの日課

    小説・文芸

    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    偉人たちも、いや偉人たちこそ、最高の仕事をするために、毎日どう時間をやりくりし、どう過ごせば創造性や生産性を高められるかを悩んでいました。彼らはどう解決していたのでしょうか。そのヒミツは日常のごく平凡な小さな積み重ねにあったのです! 本書では、古今東西の小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督など161人の天才たちの、これまで見過ごされてきた「仕事の周辺」に注目。起床時間、就寝時間といった毎日のスケジュール、部屋での様子や生活信条、仕事の際のクセやこだわり、嗜好品をまとめることで見えてきた、知られざる素顔や意外な事実は、驚きとともに、創造的な活動を続けるための秘訣に値する手がかりが満載でした。 ◆ハイスミスは動物好きで、特に猫とカタツムリに強い愛着を感じ、100匹のカタツムリを夜のお伴にしていた! ◆ヘミングウェイは自分をごまかさないため、毎日書いた語数を記録していた! ◆マルクスは人生で一度も定職につかず、金銭管理能力がなかった! かつてイチロー選手が朝食に決まってカレーを食べていたり、スティーブ・ジョブズが黒いタートルネックしか着なかったことなども、ある行為を習慣化させることで日常生活でのストレスを徹底して避けるための策であったと言われています。彼らは限られた資源である時間や意志、自制心などを有効活用するための仕組みを常に意識し、実行していたのでしょう。 どんなに偉大な作家でも、孤独との戦いがあり、苦しい閉塞状態やスランプを抱えながら机に向かわなくてはいけないのは今も昔も変わらないこと。先人たちの成し遂げてきた仕事と歴史に思いを馳せることで、そっと背中を押されたような勇気が溢れてくるはず。好奇心と向上心をくすぐる、発見に満ちた一冊です!
  • シャーロック・ホームズ【5冊 合本版】 『シャーロック・ホームズの冒険』~『バスカヴィル家の犬』

    シャーロック・ホームズ【5冊 合本版】 『シャーロック・ホームズの冒険』~『バスカヴィル家の犬』

    小説・文芸

    4.5
    1巻2,596円 (税込)
    世界中で愛される名探偵ホームズと、相棒ワトスン医師の名コンビの活躍が、最も読みやすい最新訳で蘇る! ※本電子書籍は『シャーロック・ホームズの冒険』『シャーロック・ホームズの回想』『緋色の研究』『四つの署名』『バスカヴィル家の犬』を1冊にまとめた合本版です。
  • シャーロック・ホームズの冒険

    シャーロック・ホームズの冒険

    小説・文芸

    4.1
    1巻880円 (税込)
    世界中で愛されるクールな名探偵ホームズと、相棒ワトスン医師の名コンビの活躍が、最も読みやすい最新訳で蘇る! 女性翻訳家ならではの細やかな感情表現が光る「ボヘミア王のスキャンダル」を含む短編集全12編。
  • 名探偵シャーロック・ホームズ 赤毛連盟 まだらのひも
    値引きあり

    名探偵シャーロック・ホームズ 赤毛連盟 まだらのひも

    小説・文芸

    -
    1巻390円 (税込)
    傑作中の傑作「赤毛連盟」「まだらのひも」「青いガーネット」「ボヘミア王のスキャンダル」を収録。新訳によるシャーロック・ホームズの決定版!【小学上級から ★★★】

ユーザーレビュー

  • シャーロック・ホームズの冒険

    Posted by ブクログ

    読まず嫌いだったミステリー。
    探偵モノの代表作品から読んでみました。

     お話の長さがちょうど良くて読みやすく、面白かったです。
     探偵モノの親みたいな感じですね。今の推理モノの基本みたいなスタイルがある気がしました。他の作品も読んでみたくなりますね♡
     研究者(シャーロキアン)が生まれるのも分かる気がします。

    〔作品紹介・あらすじ〕
    世界中で愛される名探偵ホームズと、相棒ワトスン医師の名コンビの活躍が、最も読みやすい最新訳で蘇る! 女性翻訳家ならではの細やかな感情表現が光る「ボヘミア王のスキャンダル」を含む短編集全12編。

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    2026年10月11日
  • ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実

    Posted by ブクログ

    ウォーレン・バフェット本人の原典の言葉に触れることで、言葉の重みや思考の深さを直接実感できた。
    ​投資の判断基準にとどまらず、物事の本質を見極める考え方や物事の捉え方を学べた。
    ​​読むたびに新しい気づきがあり、思考をチューニングするために何度でも読み返したいバイブル。常に手元に置いておきたい一生モノの書。

    0
    2026年10月11日
  • 読者に憐れみを

    Posted by ブクログ

    とても良い。誤解を恐れずに言うと私はいつかちゃんと書きたいなあと思っている人間で、それが結果小説になるのか何かの評論になるのかエッセイ集になるのかは分からないし、その為の行動などは一切起こしていない。産み落とされるか分からない潜在的作家を腹に飼っているとでも言おうか。しかし現代社会においてそんな人間が殆どであるとも思う。Xでもインスタでも、諸々含めば皆何かしら書いているし。
    尚且つ私はカート・ヴォネガットという作家のミーハーなファンでもある。「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を読んで一気に恋に落ちて、「タイタンの妖女」「スローターハウス5」「青ひげ」あたりを夢中で貪り読んだ。
    概ね変な話なのだが、その根本には極めて普遍的なテーマがあり、何だか笑ってしまうような人と人のやりとりと、時々ズドンと胸を撃ち抜く名言がそこに潜んでいたりして、とにかく唯一無二の、誰の本にも似ていない 最後の最後にグッと来て泣いてしまう、私にとってカート・ヴォネガットの本というのはそういったものだ。
    ちなみにあまり(人数的な意味で)豊富と言えない私の人間関係内において、カート・ヴォネガットを読んだことのある知り合いはほぼゼロだ。悲しい。でも一作一作が割と長いので、おいそれと勧めづらい。

    そんな人間にとってこの本は名言の宝庫であり、今まであまり触れてこなかった「人間」カート・ヴォネガットについて知る為の貴重な文献であり、また確かに「書くこと」についての もっと言えば「書くことを携えながら、より熱心に 生きること」についての、とても手厚い道標であった。
    書くだけで人生は進まず、終わらず、では何が要るのかと言えば 楽しむこと、遊びほうけること、仲間をつくること、ふてぶてしくあること。
    カート・ヴォネガットは若く貧しいうちから亡き姉の子供達を引き取り、自分と妻との間に生まれた子と同様に養い、育てた苦労人である。その苦労は、彼がゼネラル・エレクトリック社を辞め、文筆家を本格的に志すのとほぼ同時に生じているはずだ。
    つまりキャリアが始まるよりも先に、彼には養わなければならない家族があったということになる。

    この本は、かつて大学でカートの講義を受けた元教え子によって書かれている。カート本人との交流を深く持っていた彼女の語り口はさっぱりとしていて、邪魔にならないし、時折差し込まれるカートの人間らしいエピソードや、講義の様子が大変興味深く読めた。
    おそらくこの著者も、カート・ヴォネガットの大ファンなのだ。ファン仲間(おこがましい)の推し語りを存分に聞けるという意味でも、極めて楽しい読書であった。

    そしてまんまと、これを読んで再びカート・ヴォネガットの著作に惹かれつつある昨今。
    本作にもたくさんタイトルが出てきたので、これ幸いと棚に追加しておきます。
    みんなも読もう カート・ヴォネガット。



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    2026年09月30日
  • シャーロック・ホームズの冒険

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ワトスンは『四つの署名』のメアリー・モーンスタン嬢結婚して、ベーカー街でのホームズとの共同生活を解消し、開業医になった。
    今後どうやってワトスンはホームズの記録作家になるんだろう?と思っていたら、医師の仕事の合間にホームズを訪ねて事件に同行するスタイルになったようだ。ワトスンの妻メアリーも、きっかけが『四つの署名』なので、夫がホームズと同行するのはむしろ喜んでいるくらいだ。
    ホームズは『緋色の証明』『四つの署名』では探偵の真似事をしている素人扱いされていたけれど、こちらの短編集ではかなり身分の高い依頼人もやってくるので名探偵として認められていったみたい。そんなホームズは相変わらず変わり者で「ぼくの友達はワトスンだけだよ」としおらしいことを言っている・笑
    なお『四つの署名』のあとがきでは「小説に出ているワトスンの結婚の時期に矛盾があって、3回結婚したことになる」だとか「ワトスンがアフガニスタンで怪我した戦傷が肩とか足とか変わってる」だとかの矛盾があるようです。全部読んだらたしかに最初は「ホームズとは疎遠で活躍を新聞で知るくらいだ」って言っていたのに途中で「私は結婚して開業医になったが、ホームズとは親しく親交を続けている」となったので設定変えたというか気にしてないんですね、って感じだ・笑 コナン・ドイルはもともとホームズは片手間?だったのがまさかの大人気になったようで、細かい設定気にしたくないんでしょう・笑

    『ボヘミア王のスキャンダル』
    コナン・ドイルは、時代的なものもあると思うのですがどうしてもキリスト教白人紳士以外を低く見ていると言う感じがして、女性への対応もそれを感じる。そんな中でホームズから鮮やかに一本取った女性がここに出てくるアイリーン・アドラー。
    彼女は美女で頭が良く度胸も良く人々を魅了する女優。かつてボヘミア国王と恋愛関係にあった。だがボヘミア国王は彼女の身分の低さから別れを告げて、王妃にふさわしい身分の女性と結婚することに。そこでアイリーン・アドラーは「二人で撮った写真を婚約者にお送りしますよ」と脅かしてきた。ボヘミア王はホームズに写真を取り戻すことを依頼しにきたのだ。
    結局アイリーンは鮮やかにホームズを出し抜いて立ち去った。その手腕にホームズも兜を脱ぐのだった。(あ、事件としては解決なので探偵の仕事としても問題有りません)
    物語では、ボヘミア王を自信過剰で表面的なものしか見ず、周りが自分に合わせることを当然と思っているように書かれる。ホームズにとっては「この素晴らし女性が、あたなのような俗物の男のものにならなくてよかったです」という感想を持ち、いつまでも彼女への敬意を持ち続けるのだった。

    『赤毛連盟』
    燃えるような赤毛の男、ジェイベズ・ウィルスンが「不可解な出来事に巻き込まれた」とホームズを訪ねてきた。
    ウィルスンは質屋を営んでいるが生活はかつかつ。スポールディングという助手がいるが雇った理由は他の男よりも安い給金で済むから。
    そのスポールディングはがウィルソンに新聞広告を見せる。それは「赤毛の男性募集。簡単な仕事での報酬をお支払する。『赤毛連盟』」という内容だった。ウィルソンは赤毛連盟の面接に受かり、質屋とは別の副収入を得ることになった。仕事も毎日4時間事務所に行って辞書を書き写すだけという簡単なもの。
    だが3週間ほど通った今朝、急に事務所が閉鎖していたではないか。赤毛連盟というのもどうやら架空の団体だったらしい?ウィルソンは副報酬が無くなったこと、誰が何のために自分を巻き込んだのかを知りたくてホームズを訪ねたのだった。
    コナン・ドイルのアイデアとしての「赤毛連盟」ってのが面白いですよね。人を食ったような仕掛けだが、その後ろの事件はかなり大掛かりでまさに「冒険」でした。

    『消えた花婿』
    ホームズのもとに、「婚約者が消えてしまったんです!」と、メアリー・サザーランドという若い娘が駆け込んできた。
    メアリーは、母親と、その再婚相手のウィンディバンク。メアリーにはタイピストの収入と、毎年もらう遺産の利子でお金には困っていない。義父のウィンディバンクはメアリーを家に閉じ込めたがっている。だがメアリーは義父の留守中に行った舞踏会で出会ったホズマー・エンジェルという男と婚約までしたのだ。だが結婚式に向う馬車の中でエンジェルは姿を消した。
    ホームズはメアリーの話を聞いただけでその失踪の真実を見抜いた。
    だがそれはメアリーに告げるにはちょっと残酷、というか、現代感覚でいうとなかなか気持ち悪いよなあ、、そこでメアリーには本当のことは伝えないんだけど、こんなところがやっぱりコナン・ドイルの女性軽視が見えて、この短編集第一作の「アイリーン・アドラー」とは扱いが違うのよね(^_^;)


    『ボスコム谷の惨劇』
    シャーロック・ホームズはボスコム谷でおきた殺人事件の捜査協力に出向くことになった。殺されたのはチャールズ・マッカーシーという男で、状況証拠は全てチャールズの息子ジェームズが犯人だと示している。しかしマッカーシーと家族ぐるみの付き合いをしているターナー家の娘アリスがジェームズの無罪を信じてホームズの助力を願ったのだ。
    チャールズ・マッカーシーとジョン・ターナーはオーストラリア鉱山で働いたという。二人の資産状況は正反対で、ターナーは大地主となり、マッカーシーはその土地の一部を無料で借り受けていた。
    ホームズは、今度の事件の根底には二人の過去が絡んでいると見抜いた。

    『五つのオレンジの種』
    嵐の夜、ホームズに助けを求めてきたのはジョン・オープンショーという青年だった。ジョンにはアメリカから帰ってきてから引きこもり生活していた伯父イライアスに引き取られていた。だがある日「K.K.K」の宛先(今でも悪名高いクー・クラックス・クランです…)から五粒のオレンジの種が届いた。伯父は真っ青になり、自分の遺産を弟のジョゼフに、ジョゼフが死んだらその息子のジョンに行くようにした。そして溺死体として見つかったが警察では自殺と処理された。
    数年後、ジョンの父親のジョゼフのところにも「K.K.K」から五粒のオレンジの種が届いた。ジョンは警戒を呼びかけるが、数週間後に転落死体として見つかった。
    そしてついにジョンに封筒とオレンジの種が届いたという。
    秘密結社による裏切りだとか処刑だとかが絡んだ物語。

    『唇のねじれた男』
    物語の最初は、ワトスンの妻メアリーのお友達が「夫が阿片窟へ行って二日も帰らない」と相談にやってきたところから。ワトスンは妻メアリーを信用され頼りにされる女性☆とのろけている・笑
    ワトスンはその夫を探しに阿片窟へ行く。そして正体をなくしている彼を連れ帰ろうとすると声を掛けてきた阿片中毒の老人がいる…よくみたらホームズの変装ではないか!
    そこで男のことは馬車の御者に任せてワトスンはホームズの事件捜査に協力することに。なんでもセントクレア夫人が「夫のネビルをロンドンの阿片窟付近で見かけて、驚いて部屋に駆け込んだら、そこには顔に大きな傷があって唇がねじれた不潔な浮浪者がいて夫がいなくなっていた」と捜索を依頼に来たのだ。
    ホームズは、この阿片窟で殺人隠匿が行われていると考えて張り込んでいたのだ。

    …この事件は、ドラマグラナダ版(ジェレミー・ブレット主演)では夫婦仲直りしたけど、実際には大丈夫なのかこれ…。

    『青いガーネット』
    クリスマスの数日後、ワトスンはベーカー街のホームズの元を訪ねていた。ホームズはフェルト帽子を観察して「クリスマスの日に、守衛がこのフェルト帽とガチョウを拾ったと行って持ってきたんだ。ガチョウは彼にやった。さあ、このフェルト帽の持ち主はどのような人物かな?」というのだ。
    そこへ守衛が慌てて駆け込んできた。奥さんがガチョウを調理したら、胃袋から見事な青いガーネットが出てきたというのだ!それは数日前にあるホテルで盗まれた宝石だった。


    事件としては「盗んだ大きな宝石を、ガチョウに飲み込ませて隠した」というのはアイデアとして面白いなあ。そして現実でも密輸何かに使われてるんでしょう…。

    『まだらの紐』
    私が子供の頃に初めて読んだホームズものです。これが独立して一冊になってたのよ。代表作扱いだったのかな。

    ある早朝、ヘレン・ストーナーという女性が怯えて駆け込んでくる。
    ヘレンはサリー州で医師の義父ロイロット博士(亡くなった母の再婚相手)と住んでいる。義父は乱暴で粗野で庭にはインドから連れて帰ってきた獣を放している。ヘレンには双子の姉のジュリアがいた。亡き母の遺産は二人の娘が結婚するまではロイロット博士に権利があった。そのジュリアは2年前結婚式の数日前に死んだ。その少し前からジュリアは「夜中に口笛や物音が聞こえる」と言っていて、ある夜悲鳴を聞いたヘレンが駆けつけると「まだらの紐!」と言い遺して死んだのだ。
    そして2年経ったいま、ヘレンは結婚式を間近に控えていた。すると夜中に、死んだ姉が言っていた「口笛、物音」が聞こえるではないか!

    ホームズは曲げられた火掻き棒をまっすぐに伸ばせるくらい力持ちです。そしてよく言われていることだけど、コナン・ドイルはミルクでヘビを仕込めると思っていたのか!(一応突っ込んでおく)

    『技士の親指』
    名探偵ホームズと付き合いの長いワトスンだが、彼がホームズに持ち込んだ事件は二つだけだという。そのうちの一つだそうだ。(もう一つの事件も今後出てくるのかな?)
    ワトスンの診療室に水力技士のヴィクター・ハザリーがやってきた。ハザリーはハンカチで巻いた手を見せる。
    なんと親指が切断されているではないか!
    ハザリーは「昨晩凄まじい経験をしました」とヒステリー状態だ。さすがは医者のワトスン、ハザリーを落ち着かせて、「そういうことなら友達のシャーロック・ホームズのところに行きましょう」と誘う。
    昨日ハザリーの事務所にドイツ人のスターク大佐という依頼人が来た。スターク大佐はハザリーには家族がいないことを確認し、完全極秘で水圧気の故障原因を調べてくれたら高額報酬を払うというのだ。
    独立したものの全く仕事もお金もないハザリーはその仕事を受けた。言われた通り夜中に指定された電車である駅に着くと、スターク大佐ははザリーを馬車に乗せて「12マイル先」に連れて行く。
    案内された部屋で待っていると、どこからか女性が現れ逃げるように警告する。だが頑固なハザリーは「ここまできたら帰れません!」と意地で残る。
    もちろんスターク大佐の言う「水圧気」の話は大嘘で、犯罪に使う機械の修理の依頼でした。それにしてもハザリーは頑固にしても意地っ張りにしても、完全極秘で真夜中にどこともわからない場所に連れて行かれて謎の女性から警告され、あきらかに水圧機ではない機会を見せられたというのに引き返すどころか、スターク大佐やその仲間に挑戦的な態度まで撮ってしまうという、いくらなんでも無謀すぎる…


    『独身の貴族』
    この短編集には『消えた花婿』の事件が収録されていたけれど、こちらはいうなれば「消えた花嫁」事件です。

    大名門のセント・サイモン卿と、アメリカ人炭鉱資産家の一人娘ハティ・ドーランとの結婚式が行われた。だがその後の食事会で席を外したハティはそのまま姿を消す。
    サイモン卿から依頼を受けたホームズは「ハティは父が炭鉱で成功するまでは自然とともに育ちはっきした性質」「結婚式でブーケを落とした」「結婚式のあとに、サイモン卿に対して権利のある(ひそかに結婚していたとか?)ダンサーが現れた」というような話を聞いただけで真相を見抜いてしまった。まあ読者からしても短篇ってヒントを全部出してっくれるから推測はし易いです・笑。
    読んで面白かったのは、サイモン卿がいかにも名門嫌な奴でホームズのところに来たときも「私のような(高い)身分からの依頼人は初めてでしょうね」というのに対してホームズが「たしかにあなたのような(低い)身分の依頼人は初めてですね。この前は国王(ボヘミア国王でしょう)からの依頼でしたから」と言い返す、ホームズもなかなかな言いようである・笑 その後もサイモン今日は「私と結婚して得られる名誉を自ら捨てる女などいるものか」だとか言いまくっていて読んでいてもこんな人ばっかりの上流階級にはげんなり。
    結果としては…、うん、まあサイモン卿はよくぞ怒りを抑えたほうではあるのかな。

    『エメラルドの宝冠』
    ワトスンはベーカー街の窓から、身なりは紳士だが焦った顔でフラフラよろよろしながら道を歩く男を見かけた。それを聞いたホームズは「きっと私への依頼人だろう」と言う。ホームズ、自分を訪ねてくるのは怪しげな見かけだって分かってるのね・笑
    紳士は大銀行の頭取アレグザンダー・ホルダー。昨日イギリスでも肩手に入るような高貴な男性(王の親戚とかかな?)の訪問を受けた。彼は「今すぐ現金が必要だ。担保にはこの国宝であるエメラルドの宝冠だ」という。ホルダーは宝冠を預かり大金を貸し付けた。
    紛失どころか傷つけただけでも国家の名誉に関わる大事な品だ。ホルダーは銀行の金庫では盗まれるかもしれないと思い、肌見放さず持っていようと家に持ち帰ることにした。
    ええええーー、現代勤め人感覚では色々とついていけない…。国宝を個人の借金のカタにする名門人物、それを持ち歩いて家人にペラペラ喋り、誰でも開けられるような部屋の誰でも開けられるような戸棚に入れおく。いやいやいや、そのまま銀行の金庫に入れて心配なら見張ろうよ!(その状況でも盗まれるのが江戸川乱歩の二十面相シリーズ・笑)家に持ってきたならせめて目を離さないでよ!
    この時代、国宝を担保にするのも、その国宝を勝手に持ち歩いて傷ものにしちゃうのも、上流階級だから認められる。彼らには法律が及ばないが、法律以上の「名誉」を重んじるので約束を違えることはしない。
    しかし銀行として預かった担保を持ち出し傷物にしながら「名誉を失ってしまう!」だけを気にするのは、現代読者としては納得いかないものが…(^_^;)
    そう、案の定宝冠は傷つけられたんですよ。3粒のエメラルドが剥ぎ取られ、その場にはホルダーの不詳の息子アーサーがいた。アーサーは犯行を否定するが、自分がなぜ宝冠を手にしていたのかは何も答えない。
    その話を聞いたホームズは…


    『ぶな屋敷』
    ホームズはバイオレット・ハンターからの「仕事を受けるべきかどうか相談させてください」という依頼の手紙を見て嘆いている。「私の探偵業が学校上がりの就職相談になるとは!」
    だが現れたバイオレットの話を聞いたら俄然やる気を出す。彼女の話は「地方のお屋敷ぶな屋敷から住み込み家庭教師の依頼があった。お屋敷のご主人ルーカッスルさんは、条件として「指定された服を着たり、指定された場所に座ったりすること。そして髪の毛を切ること」でびっくりするような高額報酬を払うという。ホームズは「あなたが私の妹なら、この話は断るように言います」というが、身よりもなく女一人で生きていかなければならないバイオレットは「生活のために受けるしか無いのですが、なにか起きたら助けに来てください」と依頼する。
    数週間後、ぶな屋敷で勤め始めたバイオレットから電報が届き、ホームズとワトスンはぶな屋敷に向かう。ルーカッスル夫妻はバイオレットに誰かの服を着させて窓辺に座らせたりして、庭には獰猛な犬が飼われて、屋敷には隠し部屋があるという。
    きっとその隠し部屋には女性が監禁されて、バイオレットは身代わりなのだ!
    …バイオレット・ハンターも、シャーロック・ホームズシリーズの女性の中では扱いが良い。ホームズの「あなたが妹なら辞めさせます」という言葉を聞くと、友達もいない変わり者のホームズだけど自分より弱い家族がいたら頼れる庇護者になったんじゃないのと思った。(でも事件が解決したらバイオレットへの関心をなくすところがいかにもホームズ・笑)そしてその後もバイオレットがしっかり生きていることが分かって良かった。

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    2026年09月22日
  • シャーロック・ホームズの冒険

    Posted by ブクログ

    子どものころ、児童向けの『シャーロック・ホームズ』を読んだことはありましたが、原作には触れたことがなかったと思い、この本を手に取りました。

    実際に読んでみて印象に残ったのは、ホームズは単に頭の回転が速いというよりも、非常に優れた観察力を持つ探偵だったということです。特に、ホームズから推理やトリックの種明かしを聞いたワトソンや依頼者が、「聞いてしまえば大したことではない」と感じる場面が印象的でした。一見すると不可解な出来事でも、細かな手がかりを見逃さず、そこから真相を導き出すホームズの観察力の鋭さがよく表れていると思います。

    また、そんなホームズを出し抜いたアイリーン・アドラーの存在も強く印象に残りました。

    『シャーロック・ホームズ』をさらに読み進めていけば、現代のミステリー作品に使われているオマージュに気づくことができ、これまで以上にミステリーを楽しめるのではないかと思います。

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    2026年08月10日

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