作品一覧

  • 『兵範記』を読む 保元の乱の全記録
    -
    1巻2,860円 (税込)
    『兵範記』は、桓武平氏の「日記の家」に生まれた平信範が、21から73歳のあいだ残した記録。摂関家の藤原忠通・基実に仕えた家司にして実務官僚の信範は、権力中枢に関わる情報を入手できる立場にあり、新興の武門平氏との関係も深かった。崇徳院・藤原頼長が挙兵に至った経緯、天皇方の戦力、戦後処理など、古記録からは、『愚管抄』『保元物語』とは異なる摂関家の内部事情が窺える。イメージを一新した貴族の姿を描く、著者渾身の遺作。
  • 平清盛と後白河院
    4.5
    1巻1,408円 (税込)
    後白河院とその最大の補佐役・平清盛。しかし両者はやがて激しく対立する。清盛暗殺の謀議・鹿ケ谷事件、治承三年の政変、平氏政権樹立――。対立の背景を詳細に検証し、「武士の世」前夜の権力闘争を描きだす。
  • 源頼朝 武家政治の創始者
    4.1
    1巻990円 (税込)
    一一八〇年、源頼朝は平氏追討の兵を挙げた。平治の乱で清盛に敗れて、父義朝を失い、京から伊豆に流されて二十年が過ぎていた。苦難を経て仇敵平氏を滅ぼし、源氏一門内の対抗者たる義仲と義経を退け、最後の強敵平泉藤原氏を倒し、武門の頂点を極めた頼朝。流人の挙兵はなぜ成功し、鎌倉幕府はいかなる成立過程を辿ったのか。何度も死線をくぐり抜けた末に武士政権樹立を成し遂げ、五十三歳で急逝した波瀾の生涯。
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流
    4.0
    1巻880円 (税込)
    十二世紀末、源頼朝は初の本格的武士政権である鎌倉幕府を樹立する。彼を出した河内源氏の名は武士の本流として後世まで崇敬を集めるが、祖・頼信から頼朝に至る一族の歴史は、京の政変、辺境の叛乱、兄弟間の嫡流争いなどで浮沈を繰り返す苛酷なものだった。頼義、義家、義親、為義、義朝と代を重ねた源氏嫡流は、いかにして栄光を手にし、あるいは敗れて雌伏の時を過ごしたのか。七代二百年の、彼らの実像に迫る。
  • 平清盛の闘い 幻の中世国家
    -
    1巻803円 (税込)
    後白河院政の否定、政敵への仮借なき攻撃、強引な福原遷都計画。悪逆非道の汚名を着せられた清盛が真に追いもとめたものとは? 先進的政治家としての鮮烈な実像を描き、従来の悪人像を覆した画期的清盛論!
  • 保元・平治の乱 平清盛 勝利への道
    4.0
    1巻649円 (税込)
    貴族から武士へ。古代末期の2つの兵乱、保元・平治の乱を画期として、時代の主役は移り変わってゆく。武士を両兵乱の主人公とする通説に挑み、王家・摂関家・新興貴族・武士が複雑に絡みあう政争の真実に迫る。

ユーザーレビュー

  • 源頼朝 武家政治の創始者

    Posted by ブクログ

    本書は、話題となった『河内源氏−頼朝を生んだ武士本流』(中公新書、2011年)の続刊。『河内源氏』も読んだが、当時書いた感想には「よくわからなかった」と書いてあった。「よくわからなかった」本の続刊を読む起動力となったのは、もちろん2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の影響が大きいが、同様に(あるいはそれ以上に)先日読んだ野口実氏の『源氏の血脈−武家の棟梁への道』が大変面白かったことがある。野口氏の『源氏の血脈』では為義、義朝、頼朝、そして義経が取り上げられていたが、本書はもちろん頼朝にフォーカスされたもの。以下、その構成(章タイトルのみ)。

    はじめに
    Ⅰ 頼朝の登場−河内源氏の盛衰
    Ⅱ 

    0
    2022年06月29日
  • 源頼朝 武家政治の創始者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    奥州藤原氏の存在が大きくなった
    歴史って丁寧に調べた本を読むと、事件の連続等
    ではなく、時代の当事者が目の前の状況に応じて、
    周囲を睨みながら行動するのが理なんだと再認識
    藤原基成が平泉に流されながらも秀衡と協力して
    後白河法皇た清盛、そして治承4年以降の乱への
    舵取りする中での義経利用・・・歴史って面白い

    0
    2020年05月25日
  • 平清盛と後白河院

    Posted by ブクログ

    腑に落ちた。後白河院は胡散臭かった、コイツは場当たり的な対応でシバシバ悪手を打つクセに頼朝の評が独り歩きする。1155タナボタ即位。1156保元の乱で標的に。信西の権勢に二条親政派と院政派が呉越同舟した1159平治の乱、何故か清盛独り勝ち・・・信西・信頼等偏愛した寵臣が亡くなり二条派の嫌がらせに後白河はほゞ二条派の清盛に助けを乞い、経宗・惟方(信西を殺した首謀者)を清盛は排除し、信西の息子たちを復権させる。1161二条天皇憲仁親王立太子疑惑で後白河は近臣全て失い院政停止。1165天皇崩御で後白河復権、六条天皇即位。1166摂政薨去し後白河は摂政領を遺児(盛子後見=清盛後見)へ渡す裁量をして清盛

    0
    2019年12月17日
  • 平清盛と後白河院

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メモ

    鳥羽院と崇徳院の仲はそこまで悪くなかったという説。重仁は必ずしも後継者から除外されていない。二条天皇とともに、美福門院の養子。

    近衛天皇の死後、重仁と守仁が後継者候補だが雅仁が中継ぎで即位。
    今様に染まり帝王教育を受けていないので未熟
    平氏も正室の子頼盛が清盛の存在を脅かした。

    待賢門院と閑院流(三条・西園寺・徳大寺氏)
    池禅尼は重仁の乳母
    後白河院と信西、藤原信頼(清盛は両方と縁戚)
    二条親政派の藤原経宗(忠実いとこ)、惟方の討伐
    信頼、源氏壊滅で平氏が軍事警察権を独占
    平治の乱後、急激に昇進するが、まだ権力を持てず上皇、天皇両属
    法住寺殿と蓮華王院
    関白藤原基実と清盛の連携、六

    0
    2012年03月25日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

    Posted by ブクログ

    1 河内源氏の成立
    2 東国と奥羽の兵乱
    3 八幡太郎の光と影
    4 河内現時の没落
    5 父子相克-保元の乱の悲劇
    6 河内源氏の壊滅-平治の乱の敗北
    むすび 頼朝の挙兵

    痛快な通史である。

    10世紀なかばの承平・天慶の乱からはじまり、治承・寿永の争乱の幕開けとなる頼朝挙兵に終わる河内源氏の栄枯盛衰の物語が本書である。

    中世の武士ほど、中等教育までの教科書と歴史学研究の乖離がはなはだしいものは少ないのではないか。武士とは貴族である、と本書は至るところで主張する。それすらも乖離のごく一例である。詳細はぜひ手にとって読んでいただきたい。

    本書を読めば、評者をはじめとする素人が、いかに通説的理

    0
    2011年12月27日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!