作品一覧

  • ノーベル賞で語る 現代経済学 巨人たちの生涯と学説

    ノーベル賞で語る 現代経済学 巨人たちの生涯と学説

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻1,375円 (税込)
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 1968年に創設されたノーベル経済学賞。 当初は計量経済学や一般均衡理論の構築など、手法確立への基礎理論への貢献に授与されることが多かった。 70年代には新自由主義を標榜するシカゴ学派が席巻。 その後はゲーム理論や行動経済学、さらには貧困問題や気候変動など幅広い実証分野に授与されるようになった。 サミュエルソンからフリードマン、ナッシュ、スティグリッツ、アセモグルまで、44人で現代経済学の潮流を一望。 □ ■ □ 目次 □ ■ □ 前書き 序章 経済学の神々の黄昏――スミスからケインズまで 第1章 ノーベル経済学賞の誕生――フリッシュ、サミュエルソン 第2章 ミクロ経済学の新展開――ヒックス、アロー、ナッシュ 第3章 マクロ経済学の新展開――ソロー、ルーカス、プレスコット 第4章 計量経済学の説明する力――クライン、ヘックマン、シムズ 第5章 シカゴ学派の反ケインズ革命――フリードマン、スティグラー、ベッカー 第6章 金融経済学の功罪――トービン、マーコヴィッツ、ショールズ 第7章 国際経済学の巨星たち――オリーン、マンデル、クルーグマン 第8章 情報経済学の説明する力――アカロフ、スティグリッツ、ティロール 第9章 市場と組織の経済学のはざま――コース、ウィリアムソン、ハート 第10章 社会経済学が見据える射程――ミュルダール、ハイエク、セン 第11章 歴史と政治の経済学との交差点――ノース、シェリング、ディートン 第12章 市場を設計する経済学――スミス、ヴィックレー、ロス 第13章 行動経済学の下克上――サイモン、カーネマン、セイラー 第14章 21世紀のミクロ経済学――インベンス、デュフロ、ゴールディン 第15章 21世紀のマクロ経済学――ノードハウス、バーナンキ、アセモグル 第16章 ノーベル経済学賞の忘れもの――ハロッド、森嶋通夫
  • 行動経済学 感情に揺れる経済心理

    行動経済学 感情に揺れる経済心理

    ビジネス・実用

    3.3
    1巻858円 (税込)
    完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする-これが経済学の仮定する経済人である。だが、現実にはこのような人間はいない。情報はあまりに多く、買い物をしたあとでもっと安い店を知って後悔する。正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗しがちだ。本書は、このような人間の特性に即した「行動経済学」を経済学史の中に位置づけ直し、その理論、可能性を詳しく紹介する。
  • 「ココロ」の経済学 ──行動経済学から読み解く人間のふしぎ

    「ココロ」の経済学 ──行動経済学から読み解く人間のふしぎ

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻858円 (税込)
    人間は矛盾に満ちています。ときには理性的に、利己的にふるまう一方で、ときには感情的に、利他的にもふるまいます。なぜ賢いはずの人間が、愚にもつかない失敗をするのでしょうか? そのメカニズムを知るために必要なのは、自明視されてきた人間の合理性を疑い、気分や空気に流されがちなココロの声に耳を傾けることです。本書は、ココロの深奥に迫ろうとする経済学の新しい潮流を一望し、心理学、脳科学などの知見を援用しながら、謎に満ちた人間の不思議を解明します。
  • データサイエンスの経済学 調査・実験,因果推論・機械学習が拓く行動経済学

    データサイエンスの経済学 調査・実験,因果推論・機械学習が拓く行動経済学

    ビジネス・実用

    -
    1巻3,740円 (税込)
    ビッグデータの集積や人工知能の活用が叫ばれる中,エビデンス重視の実証革命が進み,データサイエンスを駆使した新たな経済学が要請されている.著者の過去20年間の研究を踏まえ,因果推論や機械学習などを用いるデータ分析の手法だけでなく,適切にデータを取得する調査・実験の手法を解説し,使える経済学の字引を提供する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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ユーザーレビュー

  • ノーベル賞で語る 現代経済学 巨人たちの生涯と学説

    Posted by ブクログ

    ノーベル賞で語る 現代経済学
    巨人たちの生涯と学説
    著:依田高典
    出版社:中央公論新社
    中公新書 2914

    経済学者の辞書のような本である。いくばくかの名前を拝見した。そして、その中で、数名の学者の著書に目を通したにすぎない。

    アダム・スミスに始まる経済学は、いくつかの系譜や、統合、別の支流が流れ込んだりして、ノーベル賞の一分野を形成するにいたっている。

    国際の、もしくは、国家の経済の動向を説明しようとする学問だと理解している。経済学、つまり、世の中の大きな動きがわかれば、少なくとも、生き残る確率があがり、成功する確率があがるというものである。

    人間の合理性をもとに成長してきた経済学は、人間の誤謬をふくむことが、行動経済学が喝破した。
    多変数、大容量、非線形のかたまりであり、複雑系として、今後、人工知能が、大きく解明させていくかもしれない。

    マルクス経済学
    マクロ経済学
    ミクロ経済学
    計量経済学
    産業組織論ーシカゴ学派
    情報経済学
    社会経済学
    行動経済学
    国際経済学

    初期の経済学

    アダム・スミス(1723-1790) 経済学の父 国富論、道徳感情論
    デイヴィット・リカード(1772-1823) 近代経済学の父 経済学および課税の原理
    カール・マルクス(1818-1883) マルクス経済学 共産党宣言、資本論
    レオン・ワルラス(1834-1910) ミクロ経済学の開拓者 純粋経済学要論
    ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946) マクロ経済学の開拓者 雇用、金利、通貨の一般理論

    ラグナル・アントン・キティル・フリッシュ(1895-1973) 計量経済学の創始者
    ポール・サミュエルソン(1915-2009) ケインズ経済学と新古典経済学の統合

    ミクロ経済学の巨人

    ジョン・R・ヒックス(1904-1989)
    ケネス・J・アロー(1921-2017)
    ジョン・F・ナッシュ・Jr (1928-2015) 非協力ゲームにおける均衡理論

    21世紀のミクロ経済学

    ギド・インベンス(1963-) 因果推論への方法的貢献
    エステル・デュフロ(1972-) 貧困問題解決の実験的手法への貢献
    クラウディア・ゴールディン(1946-) 女性労働市場の研究

    マクロ経済学の巨人
    ロバート・M・ソロー(1924-2023) 経済成長理論
    ロバート・E・ルーカス・Jr(1937-2023) 合理的期待形成仮説
    エドワード・C・ブレスコット(1940-2022) リアル・ビジネス・サイクル理論

    21世紀のマクロ経済学

    ウィリアム・ノードハウス(1941-) 気候変動を長期的マクロ経済分析に統合した貢献
    ベン・バーナンキ(1953-) 銀行と金融危機の研究への貢献
    ダロン・アセモグル(1967-) 制度が繁栄に与える影響への貢献

    計量経済学
    ローレンス・R・クライン(1920-2013)
    ジェームス・J・ヘックマン(1944-)
    クリストファー・A・シムズ(1942-2026)

    シカゴ学派
    ミルトン・フリードマン(1912-2006)
    ジョージ・J・スティグラー(1911-1991)
    ゲーリー・S・ベッカー(1930-2014)

    金融経済学
    ジェームス・トービン(1918-2002)
    ハリー・M・マーコヴィッツ(1927-2023)
    マイロン・S・ショールズ(1941-)

    国際経済学
    ベルティル・オーリン(1899-1979)
    ロバート・A・マンデル(1932-2021)
    ポール・クルーグマン(1953-)

    情報経済学
    ジョージ・A・アカロフ(1940-)
    ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)
    ジョン・ティロール(1953-)

    市場と組織の経済学
    ロナルド・H・コース(1910-2013)
    オリヴァー・E・ウィリアムソン(1932-2020)
    オリヴァー・ハート(1948-)

    社会経済学
    グンナー・ミュルダール(1898-1987)
    フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(1899-1992)
    アマルティア・セン(1933-)

    歴史と政治の政治学
    ダグラス・C・ノース(1920-2015)
    トーマス・C・シェリング(1921-2016)
    アンガス・ディートン(1945-)

    市場を設計する経済学
    ヴァーノン・L・スミス(1927-)
    ウィリアム・S・ヴィックレー(1914-1996)
    アルヴィン・E・ロス(1951-)

    行動経済学
    ハーバード・A・サイモン (1916-2001)
    ダニエル・カーネマン(1934-2024)プロスペクト理論
    リチャード・H・セイラー(1945-)心理会計

    目次

    前書き

    序 章 経済学の神々の黄昏――スミスからケインズまで
    第1章 ノーベル経済学賞の誕生――フリッシュ、サミュエルソン
    第2章 ミクロ経済学の新展開――ヒックス、アロー、ナッシュ
    第3章 マクロ経済学の新展開――ソロー、ルーカス、プレスコット
    第4章 計量経済学の説明する力――クライン、ヘックマン、シムズ
    第5章 シカゴ学派の反ケインズ革命――フリードマン、スティグラー、ベッカー
    第6章 金融経済学の功罪――トービン、マーコヴィッツ、ショールズ
    第7章 国際経済学の巨星たち――オリーン、マンデル、クルーグマン
    第8章 情報経済学の説明する力――アカロフ、スティグリッツ、ティロール
    第9章 市場と組織の経済学のはざま――コース、ウィリアムソン、ハート
    第10章 社会経済学が見据える射程――ミュルダール、ハイエク、セン
    第11章 歴史と政治の経済学との交差点――ノース、シェリング、ディートン
    第12章 市場を設計する経済学――スミス、ヴィックレー、ロス
    第13章 行動経済学の下克上――サイモン、カーネマン、セイラー
    第14章 21世紀のミクロ経済学――インベンス、デュフロ、ゴールディン
    第15章 21世紀のマクロ経済学――ノードハウス、バーナンキ、アセモグル
    第16章 ノーベル経済学賞の忘れもの――ハロッド、森嶋通夫

    ISBN:9784121029140
    判型:新書
    ページ数:384ページ
    定価:1250円(本体)
    2026年06月25日発行

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    2026年07月05日
  • 「ココロ」の経済学 ──行動経済学から読み解く人間のふしぎ

    Posted by ブクログ

    著者の依田高典さんはその昔『ブロードバンド・エコノミクス』(2007年)を書かれていて、ブロードバンド市場の競争環境と政策についてアンケートをベースとした統計的な手法を使って分析していた。当時、FMC (Fixed Mobile Convergence)やIP電話の仕事をしていたので、何かヒントが得られることがないか、やたらと細かな表が出てくる内容をよくわからないながらも真剣に読んだ。この本で、ロックイン効果、WTP (Will to Pay)、コンジョイント分析、需要の価格弾力性、といった用語と適用法を初めて学んだのではないだろうか。あの本に書かれた内容が、実は行動経済学の研究につながっているのかと思うと軽い感動を覚えた。

    著者によると、行動経済学は、経済学に人間の心を取り戻す試みとして捉えられるという。そのことが本書のタイトルを『「ココロ」の経済学』としたゆえんでもある。行動経済学だけではなく、経済学一般の歴史についてもわかりやすい解説書になっている。特にモラルサイエンスとしての経済学について歴史的観点も絡めた擁護に力を入れている。

    本書を読むと、フレーミング効果、認知的不協和、ヒューリスティックス、代表制バイアス、アベイラビリティバイアス、アンカリング、プロスペクト理論、クラウドアウト、確実性バイアス、確実性バイアス、現状維持バイアス、ナッジ、といった行動経済学の知見について一通り学ぶことができるようになっている。赤文字や囲みなど工夫もあって読みやすい。勘どころに挿入される経済学の巨人たち(ポール・サミュエルソン、ハーバート・サイモン、ダニエル・カーネマン、アダム・スミス、J・S・ミル、アマルティア・セン、ケインズ、ジョージ・シャックル、リチャード・セイラー)の紹介もよくまとまっている。『ブロードバンド・エコノミクス』とは大違いで、著者に対する印象が大きく変わった。

    さらに進んで、これまでの主流派経済学の「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「計量経済学」に対して「行動経済学」「実験経済学」「ビッグデータ経済学」を二十一世紀の経済学(エビデンス経済学)の三本柱とするという構想も大きな射程で素晴らしい。フィールド実験やデータが重要になるというのは、まさに『ブロードバンド・エコノミクス』で実践しようとしていたことのエッセンスがそこに含まれているように思う。

    特に強調されるのは、脳神経科学の進展と経済学の融合だ。次のように書くとき、著者自身が抱く危機感と期待感が伝わってくる。

    「21世紀は生命科学、なかんずく脳科学の時代だと言われます。いつか、人間の脳機能が遺伝学と神経科学の視点から、もっと本質的に解明される時代が来た時に、ココロをブラックボックス化する主流派経済学、それに気の利いたスパイスを振りかける行動経済学は、時代の流れに付いていけずに一気に陳腐化し、昔のスコラ哲学のように、時代の徒花として忘れさられてしまう危険性を感じるからです。牙を抜かれて、飼い慣らされた行動経済学が本来の野性を取り戻すことができるかどうか、行動経済学のこれからに注目していきたいと思います」

    ここで「野性」という言葉を著者が敢えて使うとき、ケインズの「アニマル・スピリット」が頭にあることは間違いない。ケインズは経済学がモラルサイエンスであり、自然科学と違い、内省と価値判断を用いて、動機と期待と心理的不確実性を取り扱うことを強調した。それこそが経済学の強みであるが、その強みが脳神経科学によって自然科学的に丸裸にされてしまい、経済学の知見がその上で解釈される虚構のごとくなることを期待とともに恐れている。

    fMRIなどの脳神経科学の知見と実験を活用した経済学の新しい領域であるニューロサイエンスを簡単に紹介した後、著者は次のように宣言する。

    「皆さんは経済学の数十年に一度の大きな進化・変化を目の当たりにしているのかもしれません」

    行動経済学の知見は一般的にも知的興味を喚起し、一分野を確立し大きな潮流を作った。これに「実験経済学」「ビッグデータ経済学」を加えることで、さらに新しい経済学を進化させて変えていこうとする幸せな意志が感じられた。本書自体わかりやすく素晴らしい内容だが、新書ではない単行本の形でしっかりと体系立てられた著作を読んでみたいと思った。


    ---
    『ブロードバンド・エコノミクス』の帯に書かれている「「IT後進国」日本がなぜ逆転出来たのか?」という文言が今となっては痛々しい。確かにFTTHの普及は早かったが「IT後進国」から抜け出したという認識はどこから来たのか。当時、この帯の宣言は決して違和感のあるものではなかったはずだ。どこで躓いてしまったのかは、おそらく分析に値するテーマだと思う。副題にある「情報通信産業の新しい競争政策」とあるが、現在の日本の通信産業の競争政策が迷走してしまっている状況を鑑みると、ますますそう思う。依田さんの新しい試みがまた情報通信政策の発展に寄与する形で回帰することを期待してみたい。少しかもしれないが、そうする責任が依田さんにはあるような気がするのだ。

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    2020年01月04日
  • 「ココロ」の経済学 ──行動経済学から読み解く人間のふしぎ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本書は経済学の歴史を分かり易くひも解いていて、最新の経済学の方向性も示している良書。単純な行動経済学の解説本ではなく、経済学全体をマクロに捉えるには非常に分かり易い本であった。
    ・本書は平易な言葉で中身のレベルは落とさずに、通常の行動経済学より広いテーマを扱っている。
    ・古典経済学では人間は自分の利益を優先するものであり、利己的で合理的な人間をホモエコノミカスという。
    ・人間の心には、基準となる金額をベースにして、それよりも利得となる場合よりも、損失となる場合を非常に嫌う。これを損失回避効果という。同じ金額でも損失効果は2~3倍大きい。
    ・20世紀は物理学の時代、21世紀は生命科学とくに脳科学の時代になる。
    ・どの職業の個人も、自分の資本や労働がより大きな価値を持つように努める。その個人的利益の最大化行動が、図らずも社会的利益の最大化につながり、個人の社会的利益への配慮の結果ではない。利益が転じて公益になるのは、市場の需給調整メカニズムのおかげであり、産業間の利潤率均等化のおかげ。
    ・ケインズ革命によって、不確実性、期待という心理学的要素を駆使して、人間の意思決定の合理性が揺らぐことを説得的に論じた。ホモエコノミクスを否定し、経済学=モラルサイエンスと宣言した。
    ・人間は社会的な動物なので、どのような参照基準を自分の心の中に持つかどうかで、罪悪感や嫉妬心の感じ方が異なってくる。このような参照基準は文化的、社会的背景に大きく依存する。
    ・独裁者ゲーム(1万円を与えて相手に好きなだけ分配する)での分配率は、見ず知らずの他人には31.8%、顔見知りには34.5%、親しい友人には40.4%、家族には43.8%という調査結果がある。
    ・自分のとる社会的行動を通じて、他人が喜ぶ様を見て、自分の利他的な効用が高まる。こうした他人の幸福を自分の幸福として感じる気持ちを「ウォームブロー」と呼ぶ。
    ・金銭的報酬を与えると、パズルの正答率が下がる。これは内的動機が働いている状況下で、金銭のような外的動機を与えてしまうと、内的動機を損なってしまい社会的行動が減する現象を「クラウド・アウト」と呼ぶ。献金、献血、納税、節電など様々な社会的行動がある。
    ・人間は社会的な動物なので、社会的に比較されることに敏感であり、他者よりも多くの社会的貢献をしている場合は優越感を、他者よりも少ない場合には劣等感を感じる。
    ・独裁者ゲームにおいて、自分のもらえるお金が増えた場合にも、他者の取り分が増えた場合にも、同じような嬉しい気持ちが働いて、報酬系の脳の部位(線条体)が活発に活動する。
    ・統計的確立を適用できる出来事を「リスク」、統計的確立を適用できない出来事を「(真の)不確実性」と呼ぶ。
    ・自然現象や制度習慣の中には、安定的に回帰、循環するパターンが観察される。太陽の動きや四季などのパターンに合わせて、人間も自分の国道を環境のパターンに合わせるというのが「進化経済学」の考え。そこから、人々の相互作用の結果、優れた行動パターンが模倣されていき、行動のルールの束(制度)が形成される。そして、この制度の生成、消滅が社会の進化になる。
    ・人間の多くは、リスクを嫌う損失回避効果をもち、100%を重視する確実性効果をもつ。しかしそれでは、新しいことに挑戦しないため、急激な環境変化に対応できなかったり、社会的活力が低下してしまう。
    ・多くの大科学者、発明家、芸術家は、自閉症障害やアスペルガー症候群などの発達障害的特徴を持っていたと推察される。ニュートン、アインシュタイン、スティーブジョブズ、ビルゲイツ、モーツァルト、ベートーベンなど(特に数学者では変人以外を探す方が困難)。このような少数の人間が、閉塞した社会の中で、あえて空気を読まず、因習や伝統から自由にチャレンジをしたからこそ、文化文明を一歩前へ推し進めてくれる。
    ・ホモエコノミカスを想定する主流派経済学は、人間を冷徹無比な合理的存在だと仮定した。しかし、生身の人間は、感情に揺らぎ、その感情がゆえに、現在性効果や確実性効果に陥り、合理性から逸脱してしまう。しかし、科学技術が未発達で、やり直しがききにくい古代では、そうした感情のスイッチはむしろ生存確率を高めてくれる進化適応的な戦略であった。科学技術の発達が、人間を取り巻く制約を次第に取り除いてきたが、人間の遺伝子はまだ短時間では急激に変わらないため、こうした環境への適応障害が、現代人が直面する生き辛さの正体ではないか。だからこそ、心の弱さを認識し、心のクセと折り合いを付けながら生きていく必要がある。
    ・自分で手を上げて参加するオプトイン方式では参加率は高まらないが、嫌な人だけが抜けるオプトアウト方式なら参加率は高まる。こうした選択のデフォルトを上手に設定し、より良い方向に行動変容させていくのが「ナッジ(気づき)」。
    ・現実の意思決定と最適な意思決定との間にはかい離が生ずるが、そこにはバイアスと呼ばれる法則的な偏りが存在する。有名なバイアスとしては、人間は遠い将来よりも近い将来の利得を優先させるが、今すぐ手に入る利得を重視してしまい、やめた方が良いと分かっていても目の前の誘惑に負けて悪い習慣を立つことが出来ない「現実性バイアス」がある。もう一つは、人間にはリスクを回避する傾向があるが、100%確実な場合と1%でもリスクがある場合とでは、通常のリスク回避だけでは説明がつかないほど認知に隔たりがあり、その結果わずかなリスクを嫌いチャンスを見逃すことになる「確実性バイアス」がある。この2つのバイアスの結果として、変化を過剰に嫌う「現状維持バイアス」が出てくる。人間は今という瞬間に特別性を感じ、変化から生じるリスクを嫌う。
    ・人間の合理性は限定的であり、選択は選択肢の与えられ方に依存するため、為政者は人間の選択の自由を認めつつも、後悔しない選択肢を選ぶように選択肢の与え方を工夫すべきというのが「ナッジ」。ナッジの例としては、小便器にハエの絵を書くと飛び散りが80%減少する。
    ・現代の主流派の経済学の三本柱は、家計や企業の行動や戦略などを分析する「ミクロ経済学」、一国や世界の財サービス、金融、労働などを分析する「マクロ経済学」、経済データを統計的に分析する「計量経済学」から成り立っている。これらの根底にはホモエコノミカスがある。今後はこれらに加えて、行動経済学、実験経済学、ビックデータ経済学という未来の経済学が生まれてくる。

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    2017年02月11日
  • 行動経済学 感情に揺れる経済心理

    Posted by ブクログ

    合理的で完全な選択をしない人間を経済学的に研究する行動経済学。
    前から興味があり関連する本を何冊か読んだことがあるが、この本が1番わかりやすかった。

    あくまで行動経済学とはの部分であるが、どういうものでどのような研究なのか、この1冊で行動経済学に魅了されてしまった。
    本文内に、さまざまな数式が出てきたので、再度数1から、やり直したい。

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    2015年10月20日
  • ノーベル賞で語る 現代経済学 巨人たちの生涯と学説

    Posted by ブクログ

    ノーベル経済学賞の歴史を振り返りながら、現代経済学を読み解くという内容。まず、ノーベル経済学賞の前史として、アダム・スミス、デイヴィッド、リカード、カール・マルクス、レオン・ワルラス、ジョン・メイナード・ケインズという「経済学の神々」を概観した後、100人近いノーベル経済学賞受賞者のうち、44人をテーマ別に取り上げて解説。そして、ノーベル経済学賞の受賞を惜しくも逃した森嶋通夫など2人にも触れる。
    錚々たるノーベル経済学賞受賞者たちについて、それぞれの経歴、学問業績、現代的意義が端的に、分かりやすくまとめられていて、経済学に通じていない自分でも理解しやすく、教養という意味で勉強になった。本当のさわりの部分だけではあるが、現代経済学の流れやそのエッセンスの理解につながった。また、取り上げられる受賞者たちの人間像も垣間見ることができ、興味深かった。

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    2026年09月10日

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