あらすじ
完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする-これが経済学の仮定する経済人である。だが、現実にはこのような人間はいない。情報はあまりに多く、買い物をしたあとでもっと安い店を知って後悔する。正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗しがちだ。本書は、このような人間の特性に即した「行動経済学」を経済学史の中に位置づけ直し、その理論、可能性を詳しく紹介する。
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Posted by ブクログ
合理的で完全な選択をしない人間を経済学的に研究する行動経済学。
前から興味があり関連する本を何冊か読んだことがあるが、この本が1番わかりやすかった。
あくまで行動経済学とはの部分であるが、どういうものでどのような研究なのか、この1冊で行動経済学に魅了されてしまった。
本文内に、さまざまな数式が出てきたので、再度数1から、やり直したい。
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合理的判断から乖離する人間の行動心理について、諸説を数多く紹介しています。けれども、殆どは数式で表しているので、あまり実感が得られませんでした。数式を見て理解できるように、数学を再学習してから再読したい、と強く思いました。
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しばしば語られがちな「ホモ・エコノミクス」の批判本である。
「思い込み」「確率より感情」「衝動買い」「記録より記憶」など、人間の非合理的・非経済的感情を分析する、という書籍である。
政府の行う経済政策は、しばしば思ったような効果を上げない。その原因は、「複雑なものを単純に捉えようとする」という無理な解釈に起因するのではないか、と考えてしまった。
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タバコ嫌いなひとは興味と理解を得やすいと思う。なぜかこの本によってタバコ税は上げるべきだとますます感じてしまう(笑)終盤はよく耳にする囚人のジレンマ等々。
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現実の人間は古典経済学で想定する「ホモ・エコノミクス」ではなく、一見非合理的な行動をとる。その事実に対する今日の「行動経済学」等のアプローチを説明する。一部数式もあるが特に理解できない、という程ではなく、バランスの良い入門書と感じる。
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『行動経済学』/中公新書/★★★★☆/経済的合理人を前提とする古典派経済学の批判から生れた行動経済学とはどのような学問なのか?行動経済学での物の捉え方がよくわかると思う。個人的には喫煙行為を行動経済学で捉えたときに普通の経済学とどのように異なるのかが面白かった。数式も出てきますが、例示として簡単な例が出ているので、経済学初心者でも大丈夫と思われる。
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専攻分野上、数式に興味があるので読んでみた。人間の心理からくる行動を経済学の観点から数値化し、分かりやすく説明している。経済学を専攻していなくても文系の人にも読みやすい一冊となっている。個人的に面白かったのは割引効用理論。合理性を高めるには物事を経済の観点からみることが大切であると改めて思った。
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読みきった。
が、これは結構難しい…。もう一度読まないといけないかも。
--気になった言葉--
人間は必然的に誤りを犯す。(中略)大切なのは、人間の誤りをシステム全体に関わる重大事故につなげないような予防システムである。(P45)
興味深いのは、同一の人間が一方で少額のギャンブルをしながら、他方で高額の保険に加入することである(P115)
Posted by ブクログ
行動経済学については、なんとなくにしか理解していない私が読んだ感想としては、ちょっと沢山数式がでてきたけれど、非常に楽しくよむことができた。ただし、以前読んだ、「経済は感情で動く」の方が読みやすい。その本を読んである程度行動経済学について本格的な興味を持ったら、入門書としてこの本を読むといいかもしれません。
Posted by ブクログ
新書なのに、意外と硬派だった。
行動経済学の入門書と言うと、人間の行動は不合理なものだと言うことを紹介する「読み物」が多いが、本書は学問の歴史・経緯をしっかり解説している。正直半分も理解できていないかも。網羅的に解説しているので、説明が舌足らずになっているのかもしれない。例えば、ナッシュ均衡の説明も他で読んだからさらっと読めたが、いきなり本書だけ読んで理解するのは難しいのではないだろうか。
いずれにしても、行動経済学が学問としても奥深いのだとイメージが変わったと言う意味では、良書と言える。
Posted by ブクログ
行動経済学を軸として、経済学全般の紹介もしながら、行動経済学との違いを記載していくスタイル。
ライトに行動経済学を学びたい人にはオススメですが、学者が書いているためポップではない点は注意。教科書読むのとか好きじゃない人にはラリホー効果あるかも。
以下、備忘のためのまとめ
ーー
■古典経済学との違い
・人間は合理的に動くのか?
大学受験するか、正社員になるかを検討するとき、
大学に受かる可能性×効用+落ちたとき×効用と
最初から正社員になる効用を比べる。
しかし、以下の点でそう合理的には選択しない
①選択肢は与えられるものではなく生み出すもの
②可能性は一義的ではない(勉強で確率が変わる)
③可能性が低くても夢を選ぶ人もいる
④プロセス(≠効用)に満足する人もいる
・ヒューリスティクス
1.代表性 … 人へのステレオタイプによるもの
2.想起しやすさ … イメージしやすさ。Kで始まる単語と3番目がKの単語はどちらが多いか?
3.係留 … 特定情報・数字への過度な依存
・独立性公理の破綻
①45%の確率で6000円、55%でなにもなし
②90%の確率で3000円、10%でなにもなし
→②を選ぶ人が86%
①0.1%で6000円
②0.2%で3000円
→①を選ぶ人が72%
これは、上は下を単純に薄めただけ。
(アレの反例)
・プロスペクト理論
参照点を原点として、効用を考える理論
損したときの効用の下がり幅が高く
得したときの効用の上がり幅が小さい
※参照点 … 基準点
いつも180円でマヨネーズを買っている場合は
それより得か否かで効用が上がるor下がる
■ゲーム理論いろいろ
人間は利他的か、利己的か
・最後通牒ゲーム
提案者が受諾者に持ち分のいくらをあげるか、提案
受諾者はそれを受諾orNotを選ぶ
半分くらいあげることを提案することが多い
(利他的?それとも関係性を慮ってか?)
極少量のときは断るという選択を選ぶ受諾者も
・独裁者ゲーム
上記において、受諾者が拒否できない。
その際は、20%程度の分配になることが多い。
(利他的?それとも関係性を慮ってか?)
ーー
Posted by ブクログ
2014.04.13 行動経済学の入門書。歴史上の経済学者を紹介しながら行動経済学の要点を解説しており、この学問の入り口に立つことができる。ただ、個人的には数式が多く少々苦戦した。どこまで理解できたのか?甚だ疑問がのこる。あー数学が弱くて困る。
Posted by ブクログ
人間の限定合理性を前提とした新しい経済学である行動経済学を概観できる新書。禁煙のコンジョイント分析など、具体的な事例もまじえ、幅広いトピックを扱っている。比較的わかりやすく書かれているとは思うが、いかんせん、数式による説明も多く、すんなりとは読み進められなかった。ヒューリスティクスやフレーミング効果という概念を知ることができたのは有益だった。
Posted by ブクログ
行動経済学の講義を聴いているような感じで、良く言えば網羅的、悪く言えば退屈な印象でした。
あまり判りやすい内容ではありませんが、有名な「囚人のジレンマ」が実験では理論通りにいかないというのは初めて知りました。何も知らない人が読むには難しいし、判ってる人が読むには表面的な紹介にとどまる感じでちょっと中途半端な感じです。行動経済学の歴史を知るには丁度いいかもしれません。
Posted by ブクログ
依田高典著「行動経済学」中公新書(2010)
完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする、これが経済学者が仮定している世の中です。しかし現実はこのような人間はほぼ存在しません。情報が多く、買い物をしたあとでもっと安いお店や商品を知って後悔する。正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗することがおおい。本書はこのような人間の特性の行動を考慮した経済である「行動経済学」について紹介をして、経済学という学問の中での「行動経済学」の位置づけを理論的に説明している良著だと個人的に感じます。経済学がすべて合理的なわけではなく、人間の心理的な要因も多分に世の中の動きに関わるという認識を得るには、この行動経済学の存在を知っているということ自体が重要だと自分は思います。そういう意味で、一度は目を通しておくことを進める本となるでしょう。
*行動経済学とはなにか?ゆがみのないコインをはじいて裏表を見る。基本的には表の確率と裏の確率は等しく、10回はじけば、裏表ともに5回ずるでるはずである。もしも偶然10回続けて出たならばどのように皆さんは感じますか?過去に何度表が出ようとも次の1回には影響を及ぼすことはありません。しかし、人間の心理というのは異なります。次の1回も表が出るように感じてしまうのです。これが行動経済学。つまり理屈とは異なりますが、無視できない心理の影響を重視する学問といえます。
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伝統的な経済学は『完全に合理的で損をしない人間』をモデルに構築された学問。しかしそんな人間は果たしているのだろうか?人間は必ずしも合理的行動をする生き物ではない、時には感情的になったり、単に好きなものに突っ走ったり、ジレンマに陥ったり、弥縫策を講じたり、情に絆されたり。これまでの伝統的な経済学から脱却して、非合理的な行動を取る人間の行動を基に再構築した学問が行動経済学です。
残念なのは、行動経済学の歴史を遡って解説している紙幅が多く、また数理経済学?の解説も分かりにくくて、退屈に感じました。僕は数字弱いので読むのが苦痛でしたが(笑)反対に数字に強い人が読んだら面白く感じるかもしれません。
タバコ千円議論の抜粋文章を読めば分かるのですが、どこぞの政治家みたいな論拠の弱いことしか書いてなくて、『本当に学者か?その程度のことなら誰でも言えるぞ?』と思わず口をついてでるような内容には閉口です。学者なら学問的見地から是非を問うべきで、まったく理路整然としていないので残念でした。
文章が読み辛くて一方的に説明を受けてハイ終わり、のような、読者を置き去りにした感のある展開で、良書とは言えません。著者自身が認める友野典男「行動経済学」という本の方が魅力的ですので、行動経済学の勉強をしたい人はそちらをお薦めします。
僕の評価はBにします。
Posted by ブクログ
人間は完全合理的な行動は行わないということは分かるが、この学問に終わりはないのではないかという気がする。新たに知った経済学用語としては、ヒューリスティックス、時間選好、割引効用アノマリー、期待効用アノマリー、など。ゲーム理論は囚人のジレンマ程度しかしらないが、もっと深く学ぼうと思う。数学の知識が必要。
Posted by ブクログ
人間の経済活動は感情に左右されるということを、経済学的な数式や様々な事例から解説した本。元々経済学における経済人(ホモ・エコノミクス)は効用最大化を合理的に追求することが前提になっている。
ところが、実際の人間の行動は非合理的ある。効用の最大化を四六時中考えているわけではない。その例としては、貯蓄に回すはずのお金をあっという間に消費してしまう、タバコやパチンコは損をするとわかっていながら止められない(嗜癖/アディクション)、つい食べ過ぎてダイエットに失敗してしまうといった行動に見られる。
そのことはハーバート・サイモンの「限定合理性」の説に表れています。すなわち、
①選択肢は「発見」するもの(別のお金の使い道を用意する)
②選択肢と結果との関係は固定されていない(ついお金を浪費してしまう)
③効用最大化を目指すとは限らない(ヒューリスティック=満足 を求める)
④結果にたどり着くまでの過程も重要(浪費に向かう過程に何があるだろう)
といったもの。人間は必然的に誤ることを前提とした考え方である。見たいものを見て、見たくないものには目を瞑る(いわゆる「バカの壁」)。飛行機事故は自動車事故よりずっと少ないのに大きく心配したりするのはそのいい例である。
他に興味深いと思ったのは、期待効用アノマリーである。これは自分の好みを合理的一貫性に合わせないというもの。
例えば、90%で1000円が当たるくじと45%で5000円当たるくじのうち前者を選ぶ場合、10%で1万円当たるくじと20%で5000円当たるくじでも前者を選ぶことは合理的一貫性を欠く。ですが確率的には両方とも前者を選ぶ人が一番多い。このことからも、人間は非合理的な選択をすることが多いことがわかる。
それなりに興味深かったけど、自分が求めていたものとは少し違うなあ。
Posted by ブクログ
難しかったなー。でも興味があったので読んでみた一冊。授業に行動経済学があれば喜んでとるのにないから残念・・・
人間の心理を経済学に反映させると、期待している結果と違うものが出てくる、そこには数字だけでは図れないものが存在し、それを理論的に無理やり説明している学問。
マーケティングなんかもこれにかかわってくるのだなぁと感じ、マーケティングと行動経済学についてはこれからも勉強していこうかなと思った!
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする―これが経済学の仮定する経済人である。
だが、現実にはこのような人間はいない。
情報はあまりに多く、買い物をしたあとでもっと安い店を知って後悔する。
正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗しがちだ。
本書は、このような人間の特性に即した「行動経済学」を経済学史の中に位置づけ直し、その理論、可能性を詳しく紹介する。
[ 目次 ]
第1章 行動経済学とはなにか
第2章 時間上の選択
第3章 不確実性下の選択
第4章 アディクション
第5章 ゲーム理論と利他性
第6章 行動経済学の挑戦
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
行動経済学についてダイジェスト的にたくさん書いている。
参考になった所
第4章アディクション(嗜癖)
合理的アディクション
タバコの行動モデル
コンジョイント分析
行動経済学的に見た喫煙
Posted by ブクログ
行動経済学の入門用教科書といった感じ。個人的には苦手な定理・数式が多かったように感じられたため、重複部分も多い『行動経済学 経済は「感情」で動いている 』(友野 典男 )の方が読みやすかった。
内容としては「広く浅く」紹介されている。
Posted by ブクログ
伝統的経済学は、人は完全合理的なホモエコノミクスとして振る舞うとされた。しかし、それでは説明できない事例が多く、新しい解釈が必要になった。そこで発達したのが、行動経済学である。行動経済学では、完全合理的から、限定合理的へと発想をシフトしている。つまり、限られた知識、記憶、時間のなかで、まぁこんなものかと最適でなくても満足できる選択肢を探すのである。この簡便化された意思決定プロセスはヒューリスティックと呼ばれ心理学や脳科学の視点をいれて発展している。
効用の話など、馴染みの無い人には難しいが、経済学の歴史的流れがよくわかる。
Posted by ブクログ
経済学は、現実社会から乖離していたが、ようやく行動経済学としてしきり直したのだな、と感じた。経済学が学問なのか、端に偏屈な人間のアディクションなのか、考えてしまった。
Posted by ブクログ
(S)
行動経済学の触りについて解説した本。ヒューリスティックに代表される、キャッチーな内容から始まり、従来の経済学からの変遷や位置づけなど、学術的立ち位置も説明する。
行動経済学を語る上ではずせない確率論についても、簡単な部分のみ解説している。最後にはゲーム理論まで話を持って行き、行動経済学をベースにした学問が現実的にどのように貢献するかを語っている。
教養としての行動経済学を知るには適した良著。
ビジネスパーソンには不向き
数式がたくさん出てきてしかも縦書きで苦痛。
「今の一万円と一年後の一万円千円はどちらが得か」という命題を出してから歴史の話になり、例え話が出てきて、話が脱線してなかなか結論が出てこない。
時間が無くて結論重視のビジネスパーソンには向かないと思う。