小説・文芸 - 株式会社はる書房作品一覧
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-戦後荒廃が進んだ江戸の大名庭園が修復・復元されるまでの道のりと、未来に向けた取り組みを描く。 大泉水を巡り、景色の移ろいを愛で、歌を詠み、時に鷹狩、茶を楽しむ。 さまざまな工夫を凝らした広大な庭園はかつて江戸の街のあちこちにあったという。 現在は、都立公園として小石川後楽園、浜離宮恩賜(おんし)庭園、旧芝離宮恩賜庭園、六義園の四園が遺る。 元都職員かつ造園学研究に勤しむ著者が都市における「みどりの空間」の大切さ、戦後荒廃が進んだ大名庭園復活への道のり、復元の苦労、未来に向けた取り組みを描く。 【目次】 第I章 大名庭園の誕生 (ⅰ)小石川後楽園 (ⅱ)浜離宮恩賜庭園 (ⅲ)旧芝離宮恩賜庭園 (ⅳ)六義園 第II章 失われ変わっていった大名庭園 第III章 浜離宮恩賜庭園における修復・復元 第IV章 大名庭園の景色の再生 V章 大名庭園の魅力を伝える取り組み ・ライトアップ事業(六義園しだれ桜は有名) ・各庭園ごとの庭園ガイドボランティアの養成(317名が登録) ・大名庭園を舞台としたイベントの企画(将軍御膳の体験、日本文化体験、海外のガーデナーとの交流など) ・地域と連携した街づくり(スマートシティ・竹芝構想など) 【著者】 菊池正芳 昭和32(1957)年東京生まれ。1980(昭和55)年日本大学理工学物理学科卒業。商社勤務ののち、1985年東京都建設局入都。公園建設課、多摩動物公園、環境局自然環境部森林再生担当課長、都市整備局緑地景観課長、建設局公園緑地部計画課長などを経て、2016(平成 28)年建設局西部公園緑地事務所長をもって定年退職。その後、公益財団法人東京都公園協会入社、現在は公益財団法人東京都慰霊協会に勤務する。 日本庭園学会理事。技術士(建設部門)、樹木医、森林インストラクター。
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-『レ・ミゼラブル』の明治日本における。〝リメイク版〟 黒岩涙香は『レ・ミゼラブル』という大河小説から、戎瓦戎(原作ではジャン・バルジャン)、蛇兵太(ジャビール)、手鳴田(テナルディエ)という3人の個性的な男の絡み合いと対決をストーリーの主軸として浮かび上がらせている。さらに注目すべきは涙香によって再創造された手鳴田の人物像である。戎瓦戎にまつわるすべての真相がこの悪党によって明らかにされていく最後の場面の訳文は冴えわたり、涙香が編み直したこの物語を、手に汗握る緊張度を持続したまま終結にまで導く。 【目次】 (一)一人(にん)の旅人(りよじん) (二)其家(そのいへ)を窺(のぞ)き初めた (三)高僧と前科者 (四)銀の皿と、銀の燭台(しよくだい) (五)神の心と云ふ者だ (六)寝台(ねだい)の上に起直(おきなほ)り (七)社会(しやくわい)の罪 (八)恍(くわう)とした見惚(みと)れた (九)恐る可き分岐点(ぶんきてん) (十)愚と云はふか、不幸と云はふか (十一)甚(ひど)いなア、甚(ひど)いなア 作品案内/村瀬巷宇 【著者】 ビクトル・ユゴー 1802年〜1885年。フランス・ロマン主義を代表する詩人・小説家・戯作家。10代で詩人としてデビュー、国王ルイ18世に認められるなど早くから頭角をあらわす。1831年に『ノートル=ダム・ド・パリ』、1862年にフランス文学界の頂点といわれる『レ・ミゼラブル』を発表。 黒岩涙香 1862〈文久2〉年〜1920〈大正9〉年。高知県生まれ。本名は周六。ジャーナリスト、翻訳家、文筆家。大坂英語学校に学んだのち17歳で上京、慶応義塾中退。『絵入自由新聞』、『都新聞』などの主筆を歴任、次々と翻訳小説を連載し好評を博す。30歳(1892年)で「万朝報《よろずちょうほう》」を創刊。同紙に『鉄仮面』『巖窟王』『噫無情』など翻訳小説を発表する。
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-ローカル番組が面白い! 地方の作り手が元気だ! 話を聞く旅に出かけよう! 朝日新聞社出身の気鋭のジャーナリストが全国の各地に根差して活躍するローカル番組の制作者を訪ね歩く渾身のリポート。 放送専門誌『民放』の好評連載「日本列島作り手探訪」がついに一冊に。 番組の作り手たちが著した書籍の書評も併載。 熱き思いに突き動かされた彼らの語りに耳を傾けると、通信との融合時代の放送のあるべき姿が見えてくる。 「テレビ・ラジオはまだまだ捨てたもんじゃない!」。 【目次】 ◇探訪その一 北海道・東北編 ◇探訪その二 関東・中部編 ◇探訪その三 近畿・中国編 ◇探訪その四 九州・沖縄編 ◇探訪その五 書籍編 【著者】 隈元 信一 1953年鹿児島県種子島生まれ。東京大学文学部を卒業後、同大学農学部に学士入学。朝日新聞社でアジア文化やメディア・ジャーナリズムなどを幅広く取材。2015年からの青森県むつ支局長を最後に17年退社。ジャーナリストとして放送メディアを中心に健筆を揮う。
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-神出鬼没、幻の蛇にほんろうされながら、懲りない人びと。その夢とロマンの世界を写し出す。 映画『おらが村のツチノコ騒動記』の撮影で僕は、ツチノコの目撃者や、長年捜索活動を続けてきた人たちの話を聞いて回った。ツチノコはいまだ謎の多い生き物だ。 10年前、僕はかつて村で盛んに行われていたというカスミ網猟の映画、『鳥の道を越えて』を発表している。故郷がそれまでと違って見えた。 僕の故郷、岐阜県東白川村はツチノコで村おこしを行うところなのだが、僕はそのことをずっと恥ずかしく思っていた。ツチノコの正体を明かそうとカメラを向けているうちに、僕の中で変化が起きた。 【目次】 序 章 ツチノコって何モノ [参]つちのこの里 東白川村MAP/『おらが村のツチノコ騒動記』取材地MAP 第1章 「おる」との確証? 第2章 伝承とブーム 第3章 捜索は今も続く 第4章 ツチノコがいなくなる日 第5章 終わりなき旅に幕 終 章 その連なりの先へ 4コマ漫画「ふるさと小景―僕のツチノコ物語―」 ツチノコが気になる ツチノコの映画を作るきっかけ 第1回捜索イベント 幼少期の夢 ようこそ先輩―ふるさとを語る― 異聞奇譚①②③ 姫田さんのめい言①②③ デビュー作『鳥の道を越えて』は失敗作!? ヤマカガシを探す 親子のきずな 同級生のキツイ一言 老若男女に効く〝夢、ロマン〟 など21遍 【著者】 今井友樹 1979年岐阜県生まれ。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。2004年に民族文化映像研究所に入所し、所長・姫田忠義に師事。2010年に同研究所を退社。2014年に劇場公開初作品・長編記録映画『鳥の道を越えて』を発表。2015年に株式会社「工房ギャレット」を設立。 一般社団法人民族文化映像研究所理事、日本映画大学指導講師をつとめる。 山村基毅 1960年北海道苫小牧市生まれ。獨協大学外国語学部卒業。ルポライター。人物インタビューを基軸としたルポルタージュを執筆している。著書に『認知症とともに生きる』『ルポ 介護独身』『民謡酒場という青春―高度経済成長を支えた唄たち―』『戦争拒否―11人の日本人―』『森の仕事と木遣り唄』『はじめの日本アルプス―嘉門次とウェストンと館潔彦と―』など。
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-1985年の俵万智の登場以降の現代の短歌を、歌人にして社会学者が、年代ごと、世代ごとに読みといてゆく だいたい1980年代以降について、さまざまな時評や座談会等はあるにせよ、短歌史は書かれることがなかった。 その理由は、菱川善夫、篠弘の仕事が一段落したこと、また社会や歴史などの「大きな物語」へ人々の関心が向かなくなったこと、によるだろう。 しかし1980年代半ばに俵万智が登場し、後述する「口語化」が進行していった歴史は短歌史の中でそれなりに重要であった。そして何よりも歌を詠み、読むにあたってはやはりその歴史を問い続けなければいけない……。(「序章」より) 【目次】 序章 現代短歌史研究のために 一章 1985年以降の1980年代――「ライトな私」とバブル経済 二章 1990年代――「わがままな私」とバブル経済の崩壊 三章 2000年代――「かけがえのない私」と失われた20年 四章 2010〜2021年――「つぶやく私」と大震災・コロナ禍という文明災害 補章 現代短歌のカリスマ歌人――岡井隆と馬場あき子 五章 社会調査で検証する現代の短歌と歌人 終章「口語化」の諸局面とジェンダー、システム化、合理化の問題 【著者】 大野道夫 1956(昭和31)年神奈川県生れ、児童期に曾祖父の佐佐木信綱と出会い文学を志望する。75年東京大学入学、一留して80年同大学大学院(教育社会学専修)進学。92年仏教系大学の社会学教員として就職。 1984年竹柏会「心の花」入会、のちに編集委員、選歌委員となる。89年「思想兵・岡井隆の軌跡」で第7回現代短歌評論賞受賞。
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-ひとつはこの世に生を受けた日、もうひとつの誕生日は臓器移植で命が救われた日、ドナーへ感謝をささげる日 臓器移植が必要になっても移植はしない…自分が助かっても臓器を提供してくれた相手は自分のせいで死ぬから…そこまでして生きるのも虚しい…手術にすごい大金がかかるので親や周りに迷惑はかけられない…… そう考えますか? 海外で、国内で、臓器移植をおこなった8人の「その後(いま)」。 また、移植待機中に脳死となった4歳の女の子と、我が子からの臓器提供を前にしたときの家族の思い。 そして、移植している子どもたちは「もっと、わがままになっていい」と言う移植コーディネーター。その心のうちが明かされる。 【目次】 まえがき――“ボクチン”と“アタシ”―― 1部 ミッション 0章 臓器移植者とその家族はどうしているのだろう 1章 命について考えるようになったこととは 2章 移植普及のため、できることはある? 3章 共有されない体験 2部 レッテル 1章 移植後を第二の人生として 2章 脳死移植はヘビー、生体移植のほうがライト?! 3章 クールな傷だらけのヒーロー 3部 タブー 1章 善意と悪意の渦 2章 悔いのない選択 3章 「再」移植の重い扉 4章 大切な人と命について語り合いたい あとがきにかえて 国際移植者組織トリオ・ジャパン会長 青山竜馬 【著者】 大谷邦郎 大阪府堺市出身。1984年、毎日放送入社。2006年、JR福知山線脱線事故を徹底検証し民間放送連盟賞最優秀賞を、2007年には「第44回ギャラクシー賞」のラジオ部門大賞を受賞。2016年に毎日放送を早期退職。「グッドニュース情報発信塾」を設立し現在に至る。 追手門学院大学「上方文化笑学センター」客員研究員。NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)監事。