小説・文芸 - 池波正太郎作品一覧

  • 男のリズム
    4.0
    東京の下町に生まれ育ち、仕事に旅に、衣食に遊びに、生きてゆくことの喜びを求めてやまぬ池波正太郎の名エッセイ。友人、知人、思い出の人々、生起するさまざまな出来事を温かく、生き生きと描いて興趣つきない滋味たっぷりの一冊! 人は変わり、世は移るとも、これだけは絶対に変わらぬ男の生き方を綴った必読の12章。
  • 天城峠
    4.0
    修善寺から下田行のバスに乗り、季節はずれで客もない温泉場をいくつも抜け、湯が島を越す……。若い頃、放埒がもとで妻子と別れた、芝居の裏方の録太郎は、若い役者啓三と一泊旅行。病弱の録太郎に若者のような明日はない。来し方行く末に想いを馳せながら、録太郎は最後の煙草に火をつけた……。表題作ほか池波文学の原点ともいうべき気迫に満ちた初期短編6編。
  • 青春忘れもの
    4.2
    池波正太郎が自らつづるその青春時代とは──関東大震災の年に生まれ、小学校卒業後すぐに就職。勤め先を転々としつつ、芝居見物を楽しみ、美食を覚え、吉原にも通う早熟な十代を過ごす。戦時中は旋盤工として働き、やがて海兵団に入団。戦後、脚本家への道を歩み始める。両親や親族との思い出、友人や恩師との出会いを懐かしく振り返る清々しい回想記。時代小説「同門の宴」も収録。
  • 映画を見ると得をする
    3.6
    なぜ映画を見るのかといえば……人間はだれしも一つの人生しか経験できない。だから様々な人生を知りたくなる。しかも映画は、わずか2時間で隣の人を見るように人生を見られる。それ故、映画を見るとその人の世界が広がり、人間に幅ができ灰汁がぬけてくる。その逆に映画を見ようとしない人は……。シネマディクト(映画狂)の著者が映画の選び方から楽しみ方、効用を縦横に語りつくす。

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  • 江戸の味を食べたくなって
    4.1
    春の宵につまむ鯛の刺身、秋には毎日のように食べた秋刀魚、冬の料理に欠かせぬ柚子の芳香……季節折々の食の楽しみと、それらが呼び覚ます思い出を豊かに描いた「味の歳時記」。フランス旅行で偶然出会った、江戸の面影を感じさせる居酒屋“B・O・F”への偏愛をつづる「パリ・レアールの変貌」など。食を愛し、旅を愛した大作家の、絶筆となった小説や座談会も収録した傑作随筆集。
  • 剣客商売一 剣客商売
    4.1
    勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る――田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第1作。全7編収録。
  • 鬼平犯科帳(一)
    4.2
    斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
  • 秘伝の声(上)
    3.7
    新宿角筈村に剣術道場を構える老剣客・日影一念は、臨終の床で、なぜか二人の内弟子、白根岩蔵と成子雪丸に、自分の遺体と共に秘伝の書を土中に埋めよと言い残す。だが、剣の極意を極めたい一心の岩蔵は、遺言にそむき、秘伝書を奪って出奔する。村人たちに頼まれて道場を継ぐことになった雪丸は、岩蔵の行方を探りつつ道場を守り立て、角筈村になくてはならない人物となるが……。
  • 闇は知っている
    3.3
    十七歳の僧・隆心は、彼の心を踏みにじった後家お吉を絞殺し、故郷から逃げ出す。山崎小五郎と名を変え、金で殺人を請負う〈殺し屋〉となった彼は、天与の美貌と剣技にものをいわせ、平然と女を犯し、人を殺すが、育ての親である隆浄和尚と対峙したとき……。抜き差しならぬ人間関係のしがらみと、一瞬の気の緩みが死につながる暗黒街にうごめく男たちの凄絶な世界を描く時代長編。
  • むかしの味
    3.9
    「[たいめいけん]の洋食には、よき時代の東京の、ゆたかな生活が温存されている。物質のゆたかさではない。そのころの東京に住んでいた人びとの、心のゆたかさのことである」人生の折々に出会った“懐かしい味”を今も残している店を改めて全国に訪ね、初めて食べた時の強烈な思い出を語る。そして、変貌いちじるしい現代に昔の味を伝え続けている店の人たちの細かな心づかいをたたえる。

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  • 原っぱ
    4.4
    劇作家・牧野は俳優の市川扇十郎から旧作を再演したいという申し出をうける。牧野にはとても30年前の舞台は再現できまいと思われてためらうのだが……。人の心も町並みもすっかり変わり果てた中で、再演に情熱を傾ける人々。そこになお残っている昔ながらの気遣いや市井の営みを描きつつ、滅びゆく東京の街への惜別の思いを謳ったものとして、著者の遺言ともいうべき現代小説。
  • おおげさがきらい 池波正太郎未刊行エッセイ集1
    4.0
    随筆の名手がつづる懐かしい日々、豊かな人生。まだ本になっていなかった池波正太郎のエッセイを完全収録! 忘れられない人々、味、創作の秘密を描いて興趣溢れる佳編・名編、45編。池波正太郎のラスト・エッセイ集。
  • アニメ「鬼平」原作 鬼平犯科帳セレクション【文春e-Books】
    4.3
    2017年1月よりテレビ東京系や時代劇専門チャンネルで放送されるアニメ「鬼平」。 その原作となった全12話を集めました。 主人公・長谷川平蔵の奔放な青春時代や、妻・久栄の秘められた過去、 同心・木村忠吾の意外な一面、おまさ、粂八といった密偵たちの来歴など、 主要登場人物のキャラクターが分かる話を集めた鬼平入門に最適の一冊。 【収録作品リスト】 「血頭の丹兵衛」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「本所・桜屋敷」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「暗剣白梅香」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「血 闘」 『鬼平犯科帳(四)』収録 「谷中・いろは茶屋」 『鬼平犯科帳(二)』収録 「盗法秘伝」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「瓶割り小僧」 『鬼平犯科帳(二十一)』収録 「大川の隠居」 『鬼平犯科帳(六)』収録 「泥鰌の和助始末」 『鬼平犯科帳(七)』収録 (アニメ第9話「わかれ道」は「泥鰌の和助始末」の前編) 「むかしの男」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「あきれた奴」 『鬼平犯科帳(八)』収録 「狐 火」 『鬼平犯科帳(六)』収録
  • 鬼平犯科帳「血頭の丹兵衛」【文春e-Books】
    無料あり
    4.2
    2017年1月から放送されるアニメ「鬼平」第一話の原作となった短編。 「血頭の丹兵衛」と名乗る怪盗が江戸市中を荒らしまわっていた。 盗みに入った家の人間を皆殺しにする残虐な手口に、江戸っ子は恐れおののき、 たまりかねた当局は長谷川平蔵を火付盗賊改方へ戻した。 かつて鬼平に捕らえられ、牢に押し込められている「小房の粂八」は、 役宅に戻った平蔵の顔を見ると、意外なことを口にした。 「いまお膝もとを荒らしているやつは、にせものの血頭の丹兵衛でございますよ」 そして粂八は、ある決心をする。 <「鬼平」と言われながら、実はまったく鬼ではない、悪人のことを徹底的に やっつけるんだけれど、悪い奴らの中にも何かを見つけていくという鬼平の すべてを表現しているような気がする> (アニメ「鬼平」丸山正雄プロデューサー) 鬼平の世界の全体像が伝わってくる一編。

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