桃崎有一郎作品一覧
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4.0◆彼らは“貴”たらんとして「源・平・藤原」姓を掠め取った!◆ 平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、 やがて「武士」という集団を形成した。 朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった― 「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果! 【本書より】 新たな時代を切り拓いた有力武士は、実は貴人でも新興勢力でもなく、時代の終焉とともに主役級の役割を終えさせられた古代卑姓氏族が、全身全霊の努力で生き残りを図り、首尾よく生まれ変わった姿だった。 【主な内容】 プロローグ 改竄された“社会の設計図” 序章 武士の誕生と名乗り──アザナと名字 第一章 「佐藤」名字と佐伯氏──佐伯姓と波多野家 第二章 「首藤」名字と守部氏──美濃と源氏と王臣子孫 第三章 「伊藤」「斎藤」「兵藤」名字と伊香・在原・平氏 第四章 「○藤」名字の源流──官職由来と古代卑姓由来 第五章 「近藤」名字と院政──出自不明の院近臣たち 第六章 奥州藤原氏の創造──秀郷流・坂上氏・五百木部氏の融合 第七章 文筆官僚「斎藤」家の創造──大江氏・葉室家・清原氏との融合 第八章 大規模互助ネットワーク──斎藤・後藤・文徳源氏・宇都宮 第九章 後藤・近藤・武藤家が織り成す大友家の礎──利仁流・秀郷流の融合 第十章 中原親能の正体と大友家の創造──利仁流×秀郷流×中原氏×大江氏 第十一章 中原氏に還流する親能の御家人的性質──田村・水谷・摂津家の成立 エピローグ 最後の謎と次なる"神話"──素性不明の鎌倉幕府 注 参考文献
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3.7平安京=京都ではない! 清水寺、知恩院、三十三間堂、祇園、東山、鴨川……いずれも平安京の外だった。 では、今の「京都」の原型をつくったのは一体誰なのか。 壮絶な権力闘争と土地開発の知られざる物語を気鋭の歴史学者が読み解く。 【これを読めば「京都」通になれる】 ●武装した強盗集団に狙われ続けた平安京 ●平安京には寺を作ってはいけないルールがあった ●廷臣の邸宅を次々と移り住む天皇 ●貴族も庶民も楽しんだ「晒し首」パレード ●勝手に戦争して顰蹙を買った源氏 ●都のど真ん中で起こった殺し合い「保元の乱と平治の乱」 ●京都駅周辺を開発したのは平家だった
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4.4足利一門大名に丸投げして創立された室町幕府では、南北朝の分断などに後押しされて一門大名の自立心が強すぎ、将軍の権力が確立できなかった。この事態を打開するために、奇策に打って出たのが足利義満である。彼は朝廷儀礼の奥義を極め、恫喝とジョークを駆使して朝廷を支配し、さらには天皇までも翻弄する。朝廷と幕府両方の頂点に立つ「室町殿」という新たな地位を生み出し、中世最大の実権を握った。しかし、常軌を逸した彼の構想は本人の死により道半ばとなり、息子たちが違う形で完成させてゆく。室町幕府の誕生から義満没後の室町殿の完成形までを見通して、足利氏最盛期の核心を描き出す。