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3.8土器に納められた生後間もない赤ちゃんの遺体。妊娠線が刻まれた臨月の女性土偶。抱きあって合葬された親子の墓。顔にイヌを乗せて埋葬された女性――。縄文の墓や遺物は、精一杯の生を送り、ときに病魔や死の恐怖と闘った何千年も昔の人びとの姿を雄弁に物語る。そしてその背後に広がる、自然や母胎への回帰、再生をめぐる死生観とは? スピリチュアルブームや散骨葬など、現代日本人の死のあり方をも照らし返す、墓の考古学。 *『生と死の考古学 縄文時代の死生観』を改題し文庫化したものです。 【目次】 まえがき──墓を研究するということ プロローグ──発掘調査の現場から 第一章 縄文時代の墓とその分析 第二章 土中から現れた人生──ある女性の一生 第三章 病魔との戦い──縄文時代の医療 第四章 縄文時代の子供たち──死から生を考える 第五章 縄文の思想──原始の死生観 エピローグ 文庫版あとがき
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5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人類が初めて日本列島にやってきたのは約4万年前。 日本列島のはじまりを築いた人々は、どんな生活をしていたのだろうか。 ゲノムを読むと何がわかるのか? 話題の「古ゲノム学」とは何か? 研究者が「ゲノムを読む理由」とは? 日本列島人の起源と成立をさぐる研究プロジェクト「ヤポネシアゲノム」のメンバーによる、珠玉の科学エッセイ集。 「一段落した調査現場で、私は温かい缶コーヒーを飲みながら考えた。誰が一体なんのためにこんな墓を作ったのだろうか。なぜ中妻貝塚に作られたのか。これだけの人骨はどこから運ばれてきたのか。以前より浮かんでは消えていた謎が、頭の中をぐるぐる巡る。」 ――山田康弘 〈第1章〉縄文時代を「掘る」 より 「お酒に弱い、という遺伝的変異は、何かに強かったのではないか? それは、何かはわからないけれど、何らかの感染症と関連するのではないか、と考える事は、それほど馬鹿げた空想ではない。十分に検証するに値する仮説だ。それでは、東アジアでは、お酒に弱いことが、何に強かったといえそうなのだろうか?」 ――太田博樹 〈第2章〉お酒に弱い遺伝子とウンチの化石のゲノムから何がわかるか より 「ゲノムとは生き物の設計図である。血液型がA型だったりB型だったり、目の色が黒かったり青かったりするのは、それぞれ設計図であるゲノムのどこかに違いがあるからだ。植物でも同じことで、設計図が部分的に書き換わってしまう(突然変異という)ことによって、色や形や大きさに違いが生まれる。逆に言えば、設計図を読み解くことで、姿形の違いや環境への適応能力の違いが進化したのかを理解することができる。ゲノムを読む、とはそういうことなのだ」 ――内藤 健 〈第3章〉アズキはどこで生まれたのか より 「ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)が日本で塗料として用いられ始めたのは、遅くとも縄文時代早期という、かなり古い時代であるとされている。多くの読者は、このような「高尚な」文化は中国伝来であるという先入観を持つかもしれない。しかし、実は遺跡に残された遺物の古さだけを見ると日本のものの方が古い可能性もあり、漆文化は日本発祥では、という説を唱える研究者もいるほどである。」 ――菅 裕 〈コラム〉漆の過去・現在・未来 より DNAは、その人骨の遺伝的特徴を知るための手がかりとなる情報である。そのため、DNAをうまく回収し、その塩基配列を決定し、その配列情報を使った研究でうまく「調理(料理?)」してあげれば、その人骨のルーツや我々現代人との関係を語ってくれる。この場合、おいしい食材はDNAであり、料理のための道具類はDNA配列を決定するためのシークエンサや解析するための統計ツールになるだろうか。 ――神澤秀明 〈第4章〉日本列島人はどこから来たのか より
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